魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 私の誕生日から1週間と5日後、火夏がこの家に来てから初めての夏休みがやって来ました。
 私が部屋で一人かき氷を食べていると、急にドアをノックされ声をかけられました。
「咲良、話があるんだ。入っても良いか?」
 その声で火夏だと分かった私はすぐに
「どうぞ。」
 と許可を出すと、火夏が部屋の中に入って来ました。
 そして、テーブルの前まで来ると火夏はこちらを見て
「座っても良いか?」
 と聞いてきたので私は慌てて座布団を持ってくると、
「どうぞ。」
 と言って火夏に渡しました。
 火夏は私にお礼を言って座布団の上に座ると、彼は申し訳無さそうに口を開きました。
「咲良、すまない。おやつ中に。」
 と謝られて、私は咄嗟に
「だ、大丈夫ですよ。すぐに食べますから。」
 と言うと、半分以上残っていたかき氷を慌てて口の中に入れて飲み込みました。
 なので、すぐに頭がキーンとして私は頭を押さえました。
「咲良、大丈夫か?・・・かき氷をあんなに一気に食べたら頭が痛くなるに決まっているだろう。」
 と呆れたように言われたので私は弱々しく言い返しました。
「だ、だって、急いで食べないと駄目だと思いまして。・・・そ、そんなことよりも何の話ですか? 」
 と聞いてみると火夏は頷いて口を開きました。
「ああ。実は、花崗からメールで明日海に行こうと誘われたんだが、・・・咲良も一緒に行かないか?」
 と誘われました。
「えっ?わ、私も行っても良いんですか?・・・ちなみに、詩乃も一緒に行くんですか?」
 と聞くと、火夏は
「桜咲が来るかどうかは知らないが、お前も誘うように書かれていた。」
 と、言われたので私は
「そうですか。海には行きたいんですが、詩乃も一緒が良いです。・・・それにしても、花崗君は、詩乃のことが好きなのに何で、海に誘わないんですかねぇ。」
 と聞くと、火夏は
「咲良、桜咲が来た方が良いのか?」
 と聞いてきてくれたので、私は頷いて言いました。
「はい。詩乃がいてくれた方が花崗君も嬉しいかも知れませんし、何より、私が二人を見守りたいですしね。」
 と理由を言うと、火夏は
「そうか。分かった。では、これからおばさんに許可を貰ってから、花崗に桜咲も誘うように伝えておこう。・・・それで良いか?」
 と聞かれたので私は笑顔で頷きました。
「はい。ありがとうございます。では早速、お母さんに許可を貰いに行きましょう。」
  と言うと彼は頷いたので、私は立ち上がると火夏と一緒にお母さんを探しに部屋から出ました。



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