魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 その映像が終わると、俺は呆然としながらアリス(咲良)に聞いた。
「これは本当なのか?」
「はい。本当です。」
 と言われたので俺は
「分かった。必ず俺が未来を変える。」
 と言うと、アリスは満足げな表情で
「お願いします。火夏、さようなら。」
 と言うとアリスは消えた。


 アリスが消えてから30秒後、急に咲良が、
「うっ」
 と呟いたので、俺は慌てて咲良の傍に駆け寄りひざまづいた。
「咲良、大丈夫か?」
 と聞くと咲良は、
「は、はい。あら、どうして私は生きているんですか?」
 と聞かれたので俺は、簡単に説明した。
「アリスが治癒魔法を使って治してくれたんだ。」
「アリスさんって私に良く似ていた女の人のことですよね。・・・で、その人が助けてくれたんですね。」
 と咲良が呟いた途端、今頃になって未来の咲良に見せられた未来を思い出して辛くなった。
 未来の咲良は、俺のせいで髪を切られ目もえぐられそうになり、俺やおばさん達に迷惑をかけないために魔界で一人、一からやり直す道を選んでしまった。
 そのことが辛いのだ。
 俺は咲良さえ傍に居てくれたら・・・、咲良が俺に迷惑をかけたとしても俺は気にしないし、将来結婚するなら咲良しかいないとまで思っているのに、その俺の思いが彼女には、一切伝わっていないのだ。
 なので俺は、照れてなかなか言えない自分の気持ちを素直に伝えようと心に決めた。
 長い間考えごとをしていたのだろう、咲良は俺の肩を二回叩くと、
「火夏、だ、大丈夫ですか?」
 そう聞かれて俺は、
「何がだ?」
 と、聞くと彼女は、口を開いた。
「火夏、ごめんなさい。」
 突然謝られて俺はキョトンとして彼女に聞いた。
「咲良、何があったんだ?」
「・・・私のせいで怪我&面倒なことに巻き込んでしまってごめんなさい。」
 と、泣き出しそうな顔&声で謝られて俺は首を横に振ると口を開いた。
「咲良、俺が怪我をしたのは自分のせいだから、お前は気にするな。あと、面倒なことではない。」
「えっ?」
 と、戸惑う彼女を見て俺は口を開いた。
「咲良、俺は、お前を愛しているからお前を守りたいんだ。だから、どんなことでもどんどん俺に頼ってくれないか?」
 と言うと、彼女は、
「ほ、本当に、頼ってしまっても良いんですか?」
 と聞かれ、俺は咲良に
「ああ。」
 と頷くと咲良は
「た、例えばですよ。火夏に頼り過ぎて、自分で出来ることも火夏に頼る最低な人間になっても、好きでいてくれますか?」
 と有り得ないことを聞いてきたので俺は咲良に言った。
「咲良、出来たら、出来ないことだけを頼ってくれないか?将来の為に。」
 と言うと咲良は首を傾げて口を開いた。
「?将来、ですか?」
「・・・将来、俺たちの子供を育てるときに出来ることを協力してやっていかないとやっていけないだろう。」
 すると、咲良は真っ赤になって口を開いた。
「わ、分かりました。」
 と返事をしてくれたので俺はこの話をする前に言おうと思っていたことを言うことにした。
「咲良、俺と結婚してずっと隣にいてくれないか?」
 すると彼女は口元を両手で覆う。
 それを見て不安になった俺は咲良に聞いた。
「駄目か?」
 すると咲良は不安そうにこちらを見て
「ほ、本当に私で良いんですか?」
 と聞かれたので、俺は咲良にどん引きされる覚悟で口を開く。
「ああ。俺はお前が隣にいないと生きていけないぐらい愛しているんだ。だから、俺と結婚してくれないか?」
 と言うと、咲良は
「はい。」
 と笑顔で頷いた。


「咲良、もうそろそろ起きないか?」
 と言うと咲良は慌てて口を開いた。
「は、はい。起きましょう。」
 実は、人の夢の中に入った時はその人が起きないと入った人も起きることが出来ないのだ。
 なので、咲良に頼んで魔術で起きることにした。
『目を覚ませ!マジカル・クローバー!』
 と言うと、俺は現実で目が覚めた。




 咲良目線
 私が目を覚まし、ベッドの隣の布団で寝ている火夏を見ると、火夏はまだ眠っていました。
「お疲れ様です。火夏。」
 そう小声で囁やくように言いました。
「咲良。」
 といきなり隣から声が聞こえてきたので隣にいる火夏を見ると、
「咲良、おはよう。」
 と言われたので私は、
「おはようございます。体、大丈夫ですか?」
 と聞くと火夏は、
「ああ。大丈夫だ。今、何時だ?」
 と、聞かれたので私は時計を見ました。
 時計には、8時30分と表示されていたので火夏に言いました。
「8時30分です。」
 と、答えると火夏は
「そうか。ありがとう。今日はゆっくりしょう。」
 と言われたので、私は頷いて口を開きました。
「はい。そうしましょう。」
 こうして、私の19歳の誕生日は幕を閉じました。

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