魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 咲良目線
 火夏と私が初デートをした日から4日後、火夏と私はいつも通り(?)学校に通っています。
「火夏、今日は部活ってお休みですよね?」
 と確認をすると火夏は歯切れ悪く言いました。
「あ、ああ。そうだが・・・。咲良、放課後なんだが、予定は?」
 といつもは聞いてこないことを聞かれて私は"今日って何かありましたっけ?"と思いながら首を傾げて聞き返しました。
「えっと、放課後ですか?・・・特には。しいていえば読書ですかね。」
 と答えると火夏は
「そうか。実は花崗から映画のチケットを貰ったんだが、2枚あるんだ。一緒に行かないか?」
 と誘ってくれたのですが私は何のジャンルなのかが気になったのでそれを聞くことにしました。
「何のジャンルですか?」
「ラブコメ。」
 と短く答えられましたが私は大興奮で言いました。
「ほ、本当ですか?い、行きたいです!!」
「ああ。では、一度帰ってから行こう。」
 と言ってくれたので私は嬉しくて笑顔で頷きました。
「はい。了解です。」
 そして、しばらくすると下駄箱につきました。
「では、また教室で」
「はい。」
 と言うと火夏は先に教室に行ってしまいました。
 それを私は見送ると首を傾げました。
(私、火夏に何かしましたっけ?なんで今日は手を繋いで来ないんでしょうか?)
 実は、いつもは手を繋いで学校に通っているんですが、何故か今日は一度も触ってこないんです。
 と一人考えていると、後ろから声をかけられました。
「咲良、お誕生日おめでとう!」
 と詩乃に言われたので私は首を傾げると、
「はい?・・・今日は七夕なんですか?」
 と聞くと詩乃は笑顔で頷きました。
「うん。そうだよ。」
 と言われて私は思わず苦笑いしてしまいました。
「ハ、ハハハ。私、自分の誕生日を忘れていました。」
 その言葉に詩乃は目を丸くして
「えっ、なんで?」
 と聞かれたので私は目を伏せてもごもごと口を開きました。
「だって、最近いろいろあって・・・。」
「でも、今まで気がつかなかったの?」
 と聞かれたのですが、本当に気付いていなかったので口を開きました。
「はい。誰にも言われてないので。」
 と当たり前のように答えると詩乃は
「えっ?ひ、火夏君にも言われてないの?」
 と心底信じられないというように見つめてくるので、私は少し考えて言いました。
「火夏は多分、知らないと思います。」
 その言葉に詩乃は恐ろしい顔になって口を開きました。
「咲良、なんで言わないの!!」
「えっ。だ、だって、聞かれてないですし、私も火夏の誕生日を聞きませんでしたし、お互い様ですね。」
 と微笑んだ途端、詩乃に
「ダメでしょうか!!」
 とツッコミを入れられました。
 なので私は慌てて口を開きました。
「な、なんでですか?」
 すると詩乃はため息をついて言いました。
「じゃあ聞くけど、咲良は火夏君の誕生日を祝いたくないの?」
 と聞かれました。
「そ、それは祝いたいです。で、でも、今聞かなくてもいずれお母さんが教えてくれると思っていましたし、そ、それに、もう火夏からネックレスを貰ったんです。なので本当なら私が何かプレゼントしなければいけないんです。」
 と答えると詩乃はため息をついて
「咲良、教室に行ってから続きを話そうか。」
 と言われたので私は返事をすると教室に向かいました。


 火夏目線
 今日から2日前、俺はおばさんに咲良の誕生日の日にちを聞いた。
 何故かというと咲良に聞こうとしたが、全く聞けなかったからだ。
 だから、おばさんに聞くことにしたんだ。
 夕食を作っているおばさんに聞いてみると、
「咲良は、7月7日生まれだよ。」
 それを聞いた俺は内心驚いた。
 理由は7月7日は2日後だったからだ。
 俺はおばさんにお礼を言って部屋に戻ると花崗に連絡した。
「もしもし、花崗。俺だ。」
 と言うと花崗は、
「俺って俺俺詐欺?」
 といつものやり取りをしてきたのでいつも通り
「いや、違う。高瓦だ。」
 と答えた。
「で、どうしたの?」
 と聞かれたので俺は口を開いた。
「実は、お前に頼みたいことがあるんだ。」
「なに?」
「実は、7月7日が咲良の誕生日なんだが、何か良いサプライズをしたいんだが、どうすれば良いんだろうか?」
 と悩みを打ち明けると花崗は、
「そうだなぁ、7日は部活が休みだから映画でも見に行けば?」
 と案を出してくれたので俺は「そうか。」と頷くと花崗はさらに言った。
「咲良はラブコメの方が良いと思うよ。」
「そうだな。」
「じゃあ、ちょうどラブコメの映画チケットを持ってるから明日あげるから。」
「ああ。・・・本当に良いのか?」
「うん。良いよ。」
「なら、ありがたく使わせて貰う。ありがとう。」
 と言うと俺は通話を終了した。
 そして2日が経ち今にいたる。
 今日は朝から咲良に触れることを我慢した。
 何故かというと、魔女は19歳になる日に男に触れられると一日動物になってしまうのだ。
 そもそも、何故高2で19歳なのかというと、魔族は、人間よりも1歳年上で小学校に入学するルールがあるのだ。
 なので咲良と俺は年が人間と1つずれているんだ。
 そして、この魔術学校には他の魔術学校と異なることがある。
 それは、入試の合格を決める試験は、3つある。
 1つは、面接。
  2つは、実技。
 3つは、筆記テスト。
 なのだが、ここまでなら普通だと思うだろう。
 だが、一番の決めては、顔である。
 顔。顔である。
 顔がよければ良いという訳ではないがとにかく顔で決まるため、この魔術学校は美形しかいないのため、他の学校からは羨まれる半面、嫉まれる学校なのだ。
 何故この魔術学校を選んだのかというと長くなるからまた今度にするが、とにかく咲良を守るために今はここにいるんだ。






 
 


 









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