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魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 夕ごはんを食べてお風呂から出ると、火夏の部屋に向かいました。
 彼の許可を貰って部屋に入ると、彼は予習をしていました。
「火夏、あのぅ、今、大丈夫ですか?」
 と聞くと火夏は、
「ああ。」
 と頷いてくれたので私はニコニコと微笑みながらお礼を言いました。
「ありがとうございます。・・・火夏、今日は私のわがままを聞いて下さったり、私を助けて下さってありがとうございました。」
「・・・。咲良、それはお前の彼氏として当然なことだ。・・・それに、俺が好きでやっているだけだから、お礼を言われることではない。」
 と言われたのですが、私はそうは思えませんでした。
私は首を横に振ると口を開きました。
「火夏、火夏は当然なことのようにお礼を言われることではないって言いましたけど、私からしたらとってもお礼を言いたいことなんです。・・・私が、火夏にしてあげられることは少ないかもしれません。ですが、これからも私と一緒にいてくれますか?」
 そう言った途端、火夏はため息をつきました。
 その行動に私は不安になりました。
「・・・何を当たり前なことを・・・。・・・俺はお前のことが大事だから何かをしてあげたくてしているし、俺だってお前とずっと一緒にいたい。だから、お前がよければずっと一緒にいてくれないか?」
 と言われて、私は嬉しくて笑顔で火夏に抱き着きました。
「はい。こちらこそよろしくお願いします。」
 火夏は私を抱きしめ返しました。
「咲良、俺もお前に話があるんだ。だから、ベッドに座って話をしょう。」
 と言われたので私が頷くと火夏は私から身体を離すと、先に自分のベッドに腰掛けたので、私は火夏の隣に座りました。
「咲良、お前の悩み事のアドバイス、いや、俺が思っていることを言っても良いか?」
 と聞かれたので私は頷きました。 
「はい。お願いします。」
「俺が思う付き合うというのは、一緒に帰ったり、一緒に遊びに行ったり、互いの悩みを相談しあったり、互いに互いを思いやって支えていくことだと思う。」
 と言われて、私は、
「すごいです。私も火夏とそんなお付き合いがしたいです!」
 と大興奮で言いました。
「良かった。気に入ってもらえて。・・・ところで、」
 と彼は一度切ると、いきなり表情が変わって怖い笑みを浮かべて口を開きました。
「咲良、お前は俺に嫉妬させて楽しいか?」
「えっ?ひ、火夏?」
 と聞き返しましたが、彼は何もいわず私を押し倒しました。
 そして、私の顔の横に手を付くと口を開きました。
「咲良、今からお仕置きをする。」
「えっ、い、いきなりなにを。」
 と火夏に聞くと、彼は私の質問には一切答えてくれませんでした。
「咲良」
 そう私の名前を呼ぶと顔を近づけてきました。
「ひ、火夏。ごめんなさい。謝りますからお仕置きはやめて下さい。もう二度としませんから。」
 と慌てて彼に頼みましたが、彼は首を振ると口を開きました。
「駄目だ。お前はもうしないと言いつつも良くすることは分かっている。だから、諦めてお仕置きを受けろ。」
 と上から言われたことで私はムッとして、
「だから、もうしないって言っているじゃないですか!」
 と言った途端、口を塞がれました。
 そして、私の口を塞いでいるのは、他でもなく火夏の唇でした。
 口を塞がれる前にしゃべっていたからなのかは分かりませんが、口が開いたままでした。
 口内に火夏の舌を差し込まれて、私は目を見開きました。
「ん・・・ふ・・・ん。」
 そして一度口を解放され、息づきをしていると、今度は右の首筋に温かくて柔らかい物が押し当てられました。
 私は顔が真っ赤になってることが自分でも分かりました。
「火夏、お願いします。もう許して下さい。」
 と火夏に頼み込んだ途端、首筋に痛みを感じました。
「痛。火夏、痛いです。」
「ん。」
 と言うと、また口を塞がれました。
 そして、その行為は何度も何度も繰り返されて、彼が顔を離すと私は息を整えながら口を開きました。
「も、もうお仕置きは終わりました?」
「ああ。・・・すまない。」
「火夏、今度は誰に嫉妬したんですか?」
 と興味で聞いて見ると火夏は
「いや、別に・・・。」
 と言葉を濁したので私は
「まさか、花崗君ですか?」
 と聞くと火夏は首を横に振ると
「いや、違う。」
 と言われたので私は首を傾げて火夏に聞きました。
「では、誰に嫉妬したんですか?」
 すると、火夏はこちらを鋭く睨んで口を開きました。
「うるさい。もうこの話しは終わりだ。」
 と話しを切られたので私は諦めてベッドに座りました。
 すると、火夏は急に何かを思い出したらしく、
「そういえば、お前に渡したい物があった。」
 と言われて私は首を傾げて、
「なんですか?ま、まさか、請求書ですか?」
 ときくと、火夏は
「違う。」
 と言うと、ベッドから降りて、机まで移動すると机の引き出しを開けると中から箱を取り出しました。
 そして、私の前まで来るとその箱を差し出してきました。
 私はそれを受け取ると火夏に聞きました。
「えっと、こ、これは?」
 すると、火夏はボソリと呟きました。
「プレゼントなんだが。」
 その呟きを聞いた私は信じられない思いで火夏に聞きました。
「えっ、ほ、本当ですか?」
「いらないのなら返してくれ。」
 と、拗ねたように言われたので私は慌てて口を開きました。
「い、いえ。ありがとうございます。見ても良いですか?」
「ああ。構わない。」
 と、火夏に言われたので私は丁寧に包みを開くと箱を開けました。
「うわぁー。可愛いです。」
 と、思わず言ってしまうほど可愛い物が入っていました。
 箱の中には、桜色のクローバーがついたネックレスが入っていました。
 私はそれを見つめていましたが、ふと疑問に思ったことがあったので火夏に聞きました。
「火夏、このネックレスどうしたんですか?」
「買った。」
 と短く答えられて私は申し訳なさで一杯になりながらも口を開きました。
「すみません。高かったですよね。」
 と言うと火夏は慌てた様子で口を開きました。
「それは別に良い。それに俺はお前に受け取って貰いたいから買ったんだ。だから、お前に受け取って貰わないと困るんだ。」
 と拗ねたように言われたので、私は慌てて笑顔でお礼を言いました。
「火夏、ネックレスありがとうございます。」
「あ、ああ。受け取ってくれてありがとう。・・・気を使わせてすまない。だが、俺はどうしてもお前に何かを贈りたかったんだ。」
 "たが、失敗したな。"
 と小さく言われて私は慌てて口を開きました。
「火夏、ありがとうございます。・・・確かに罪悪感はありますけど、ちゃんと嬉しいですよ。なのでそんなに落ち込まないで下さい。」
 と言うと火夏は弱々しく微笑みました。
「すまない。ありがとう。」
「い、いえ。私こそありがとうございます。ネックレス、一番の宝物にしますね。」
「あ、ああ。・・・付けてみるか?」
「はい。お願いします。」
 と言って私は火夏にネックレスを渡しました。
 火夏はそれを受け取ると私に
「後ろを向け」
 と命令口調で言われたので私は素直に返事をして、立ち上がって彼に背中を向けました。
「髪をあげろ」
 と言われたので私は髪をあげると彼はネックレスをつけてくれました。
 なので終わったと思ったのですが、突然首筋に熱い吐息があたりました。
(えっ?ま、またですか?私、何か悪いことでもしたんでしょうか?)
 と思っていると首筋に彼の唇が押し当てられました。
「あっ」
 そして、一度唇が離れて安心した途端、体を難無く火夏の方に向けられて額に唇を押し当てられました。
(火夏、どうされたんでしょうか?・・・ちょっと心を覗いてしまいましょう。火夏、ごめんなさい。マジカル・クローバー。火夏の心の声を私に伝え給え!)
 火夏の心の声が頭の中に流れてきました。
"甘いな。何故こんなに甘いんだ。では、ここはどうだろうか?"
 その言葉を聞いた途端、私は頑張って火夏から離れました。
 そして、急いで火夏の部屋から出て行こうとしましたが、
『止まれ!!』
 と火夏が強い言霊を唱えました。
 なので私は指一本、動かすことが出来ませんでした。
 その間に火夏が立ち上がって私の隣まで来ると
『動け!!』
 と言霊を唱えられて、私はやっと体を動かすことが出来ました。
「咲良、どうした?」
 と聞かれて私も聞き返しました。
「火夏だって急にどうされたんですか?」
 すると、火夏は不思議そうに
「何かだ。」
 と聞いてきたので私は理由を言いました。
「だって、私、お仕置きをされるような悪いことをしていません。」
 すると、火夏は目を見開いて黙り込みました。
 それからため息をついて口を開きました。
「咲良、お仕置きは口実で本当は俺がしたかったことだ。」
 と思いもよらぬことを言われて私は、とりあえず口を開きました。
「えっと、あ、あれがしたかったんですか?・・・・・・もう。最初からそう言って下さったら、私はあんなことしなかったんですよ。」
 と言うと彼に
「"あんなこと"とは?」
 と聞かれて私が今墓穴を掘ったことに気付いて慌てて口を押さえました。
その行動で火夏は何かに気付いたらしく口を開きました。
「まさか、心を覗いたのか?」
 図星を指されてしまったので私は素直に謝ることにしました。
「は、はい。ごめんなさい。」
 彼は無言で私を睨んできました。
 なので私は慌てて口を開きました。
「ほ、本当にごめんなさい。もう二度としませんから許して下さい。」  
 すると彼はため息をついて私を睨むのをやめると確認するように聞いてきました。
「本当にもう二度としないんだな?」
「はい。」
 と頷くと火夏は
「なら、今回はもう良いが、またしたら今度は許さない。」
 と言われたので私は
「はい。分かりました。本当にごめんなさい。」
「ああ。・・・ところで、心を覗いたぐらいで逃げなくても良いだろう。」
 と言われたので私は、火夏の心の声を思い出して赤くなりながらも口を開きました。
「だって、恥ずかしかったんですもん。・・・火夏、本当に私の肌は甘いんですか?」
 と聞くと火夏もうっすらと赤くなって「あ、ああ。」と頷きました。
「えっ?ほ、本当ですか?」
 と言って私は自分の腕の匂いを嗅いで見ましたが、別に甘い匂いはしませんでした。
「火夏、全く甘くないですよ。」
 と言うと火夏は「そうか。」と言うと、お互いに黙り込みました。
 すると、部屋の外からドアを叩く音がしました。
「火夏、ちょっと良いか?」
 その声は有利君の声でした。
「なんだ。」
 と火夏が答えると有利君は
「ちょっと話があるんだ。」
 と言われ火夏は私を見ました。
 なので私は火夏にしか聞こえない魔術を使って火夏に言いました。
『火夏、私はもう出るので有利君と話て下さい。』
『あ、ああ。』
 と返事をしてくれたので私はドアを開きました。
 そして、出て行く前に有利君に
「では、ごゆっくり。」
 と言って居間に戻りました。
 居間に戻るとお姉ちゃんが、
「咲良、首筋どうしたの?蚊にでも刺された?」
 と聞かれたので、私は魔術で鏡を出して首筋を見ると、首筋に赤い跡が残っていました。
 確か、火夏にお仕置きされた所ではないでしょうか?
 すると何かを察したお姉ちゃんはニヤニヤしながら
「もしかして、火夏君かなぁ?」 
 と言われたので私は、慌ててごまかしました。






 






 
 


  



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