魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 咲良目線
 家に着いてしばらく経った18時にリオン君は目を覚ましました。
「ここはどこだ。」
 と言われたので私はとりあえず話しかけることにしました。
「大丈夫ですか?」
 と聞くとリオン君は
「ああ。・・・はっ、有利、有利はどこに!」
 と有利君を必死に捜し出したので私は慌てて言いました。
「有利君は違う部屋にいます。」
「そうか。ここはどこなんだ。」
「ここは、岡山県の山陽で私の家です。」
 と言うとリオン君は「岡山県とは、なんだ?」と言う呟きを零したので私はキョトンとしてリオン君に聞きました。
「岡山県を知らないとなると、ひょっとして魔界から来ました?」
 と聞くとリオン君は
「あ、ああ。はっ、い、今のは忘れろ。」
 と慌てていたので私は安心させる為に笑顔で身の上話を始めました。
「だ、大丈夫ですよ。私だって魔女ですから。それになんか母が魔界生まれの魔界育ちなんです。だから、安心して下さい。」
 と言うとリオン君はキョトンとして、口を開きました。
「ほ、本当なのか?・・・だが、お前からは魔力を感じるからそうなんだろう。」
 と納得したみたいなので私はもう、話が終わったと思ったので有利君を呼びに行こうとした途端、
「今更だが、お前の名前は?」
 と名前を聞かれたので私は
「飛龍咲良です。」
 と答えるとリオン君は
「そうか。僕は、リオン・ハイチャルドだ。」
 と自分の名前を名乗りました。
「咲良、有利の婚約者になる気はないか?」
 といきなり変なことを言い出したので私はキョトンとして
「?ないですよ?だって、私には、彼氏さんがいますからね。」
 と言うとリオン君は急に不機嫌になりました。
「有利には会ったのか?」
 と聞かれ、私は
「はい。会いましたけど。どうされたんですか?」
 と聞き返すとリオン君は
「有利に会ってなんか思わなかったか?」
 とさらに聞いて来ました。
「えっ、えっと。特に何も・・・・・・。」
 と本音を言うと、リオン君はポカンとしていましたがすぐに真顔に戻ると、
「先に謝っておく。すまない。・・・自然よ、僕に従え!ラァィアン・ファイヤー!」
 と呪文を唱えました。
「な、何を・・・・・・。」
 すると呪文が発動し、炎の獅子が出てきました。
 私は、呆然と炎の獅子を見ているとリオン君が
「行け!」
 と言った途端、炎の獅子が私に近づいて来ました。
 恐怖で腰を抜かしてしまいましたが、それでも逃げようと頑張って身体を動かしました。
 が、背中に壁に当たったところで悲鳴をあげました。
「きゃ─────────!!」
『時よ、止まれ!』
 その言葉が聞こえた途端、炎の獅子が動かなくなりました。
 炎の獅子が動かなくなったことに気付いて私が前を見ると、そこには火夏がいました。
「咲良、大丈夫か?」
 と前を見据えたままの火夏に聞かれたので私は慌てて口を開きました。
「はい。」
「そうか。・・・炎の獅子よ、消えろ!」
 と火夏が唱えると、炎の獅子は消えました。
 私は安心して溜息をつくと、腰が抜けてしまったことを忘れて立とうとしましたが、立つことが出来ませんでした。
 すると火夏が、
「大丈夫か?手を貸せ。」
「は、はい。」
 と手を差し出して来てくれたので、その手を取ると引っ張られてようやく立つことが出来ました。
「ありがとうございます。」
 とお礼を言うと、火夏は急に私を抱きしめました。
「えっ?す、すみません。手を離して下さい。」
 と真っ赤な顔で言いましたが、
「断る。お前の無事を確かめている最中なのだから。」
 と言って離してくれません。
 この場には、リオン君も居ますのに。
「お前が咲良の彼氏なのか。」
 とリオン君に聞かれた火夏は頷きました。
「ああ。俺が咲良の彼氏だが。それよりも何故、咲良を危険な目に合わせた。」
 と火夏に問い詰められたリオン君は、
「・・・・・・。」
 と、黙り込みました。
 その態度に火夏は腹が立ったらしく口を開きました。
「貴様、いい加減にしろ。何か理由があって咲良に術を放ったんだろう。それとも、お前は理由もなく人に術を放つ危険人物なのか?」
 と言った途端、ドアが開きました。
 そのドアが開く音で私はドアがある所を見ると有利君がいました。
「有利・・・。」
 とリオン君が呟くと有利君は
「リオン、ここで魔法を使ったら駄目だぞ。」
 とリオン君を注意すると今度は私を見て口を開きました。
「咲良ちゃん、リオンがゴメン。もう、咲良ちゃんを危険な目に合わせないから、今回は許してほしい。」
 と言われたものの、私は本当に恐かったので
「えっと、許す許さないの前にどうして私に術を放ったんでしょうか?」
 と聞くと、有利君はリオン君を見て
「と、聞かれてるけど、理由は言えるか?」
 と言うとリオン君は観念して口を開きました。
「咲良が有利の妻になる気がないから腹が立って術を放ってたんだ。本当にすまない。」
 その言葉を聞いた火夏はリオン君と有利君を鋭く睨みつけると
「すまないが、俺はリオン、お前を許すことが出来ない。だから、今から、お前達を魔界に帰したいのだが良いか。」
 と言いました。
 私も許すことは出来ませんでしたが、それはあまりにもやり過ぎだと思ったので、慌てて口を開きました。
「わ、私は、魔界に帰すのはやり過ぎだと思います。なので、お母さんの判断に任せます。」
 すると、火夏が口を開きました。
「お前がそういうなら、分かった。だが、もし次があったら今度は無理矢理でも魔界に帰す。」
 と言った所で、ドアがノックされました。
 そして、お母さんが入って来ました。
「咲良、火夏君、有利君、ご飯出来たよ。・・・あら、リオン君も起きたのね。良かった。じゃあ、これから居間に来てね。」
 と呼ばれたので、私達は居間に向かいました。
 













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