話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 咲良目線
 動物園の園内に入ると、すぐに班別行動になりました。
 そして、この旅行でする予定では無かった"オリエンテーリング"をすることになりましたが、悲しいことに火夏と別の班になってしまいました。
 けれど、私はそんな気持ちに(仕方ないです。)と諦めると、班の人と一緒にスタンプを探していました。
 そして、今私がいるのは園内の灼熱広場(熱いので水分&魔力など自分を守る力を必ずお持ち下さい。)という場所で、人間界でいうとエジプトの砂漠のような場所でした。
「熱いです。」
 そう呟くと同じ班になった未桜ちゃんも頷きました。
「うん。熱いよね。・・・咲良ちゃん、大丈夫?」
 "大丈夫?"と聞かれたので私は額に流れる汗を手の甲で拭いながら差し当たりのないように言いました。
「何がですか?確かに熱いですが、ちゃんと水分をとっているので大丈夫ですよ。」
 と言うと、未桜ちゃんは覇気のない声で、弱々しく言いました。
「違うよ。咲良ちゃん。私が言っているのはね、高瓦君がいなくて大丈夫?ってことだよ。」
「えっ、は、はい。それは大丈夫じゃないです。それに、本当は火夏と一緒に廻りたかったですよ。でも、別の班になってしまったから仕方ないです。」
 と言うと未桜ちゃんは、
「そっかー。高瓦君のいる班とぱったり会ったらいいのにね。」
 と言いました。
 その言葉は後に事件を招くことになることをその時の私と未桜ちゃんはまだ知りませんでした。




 火夏目線
 その頃、俺はげんなりとしながら動物を捜していた。
 何故動物を捜しているのかというと、今回急に決まったオリエンテーリングでは、班ごとに決められたお題をこなしながら、見学しょうというルールだからだ。
 そして、俺がいる第二グループでは、"動物を捜して写真を撮ろう!"というお題が出ている。
 ちなみに、咲良がいる第四グループでは、"動物園のスタンプを集めよう!"というお題だった。
 そして、俺がげんなりとしている理由は二つあるんだが、その内の一つは、グループ決めである。
 昨日までの予定では咲良と同じ班だったにも関わらず、別の班になってしまったのだ。
 そして、二つ目は、今起こっていることで、山中やよいという同じクラスの女子が何故か隣にいるんだが、その山中がしつこいのだ。
「高瓦君、高瓦君って好きな人っている?」
 と聞かれたが、俺はげんなりとしていたのですぐに会話が終わるように口を開いた。
「・・・いる。だが、山中には関係ないだろう。」
 普通ならここで話は終わるはずだった。
 だが、山中はさらに聞いてきた。
「へぇー。高瓦君の好きな人ってだぁれ?」
「・・・安心しろ。山中ではない。・・・それに、俺の好きな人を知る必要もない。」
 と答えると、山中は下を向いて
「・・・どうしてあの子ばっかり幸せになるの?」
 と呟いた。
 その呟きが聞こえ、俺は疑問に思い、
「・・・あの子とは誰のことだ?」
 と思わず聞くと、山中はこちらを睨んで口を開いた。
「許せない。女神だと思われてることも、高瓦君の心の中にいるのも。・・・私の方が飛龍さんよりもずっと前から好きだったのに・・・・。」
 と言われ、俺はリアクションに困りながらもこれだけは言おうと口を開いた。
「咲良に対する気持ちをなくせとは言わない。だが、咲良に何かしたら、俺は中山を許さない。」
 すると、山中は頭を抱えて呟いた。
「・・・なんでっ。・・・あー。もう、全部あの子のせいで・・・。こうなったら、あの子を殺して、高瓦君からあの子の記憶を消せば・・・。」
 その呟きを聞いて、怒鳴ろうとした途端
「・・・とっても面白い話をしているね。山中さん、俺と組まないかい?」
 と言う声が聞こえ、俺は声のする方を見るとそこには今回家庭学習になっているはずの春風がいた。
(・・・な、何故、こいつがここに居る。確か、こないだのことで家庭学習のはずだ。・・・それにここは魔界、居るはずがないのに。)
 そう思っていると、前から
「あっ、二班がいました!ちょっとスタンプがあるか聞いてきます。」
 と、咲良の声が聞こえ、俺は慌てて口を聞いた。
「咲良、危険だから来るな!」
 だが、、その声は彼女の耳に届かなかったらしく、彼女は俺の近くに来てしまった。
「えっ、ど、どうしてここに瑞樹君が・・・。」
 と、困惑する彼女に俺は叫んだ。
「咲良、早く班に戻れ!じゃないと大変なことになる。」
 だが、彼女は何故か動かない。
(何故、逃げないんだ?)
 と思い、彼女の名を呼ぶ。
「咲良」
 すると、彼女は涙目で、
「・・・分かってます!!でも、体が動かないんです!!」
 と言われ俺は咲良を見る。
 だが、特に怪しい所はない。
 でも、咲良が嘘をついているようには見えない。
 なので、心の中でとある呪文(?)を唱える。
(咲良を縛るものをこの目に写したまえ、急々如律令きゅうきゅうじょりつりょう!)
 すると、咲良を縛る者がぼんやりと見えた。
『山中の術を解きたまえ!』
「そうはさせないよ。・・・セイラ、おいで!」
 そして、ぽんっと音が鳴って人魚の精霊が出て来た。
「セイラ、あいつを気絶させて。」
 と精霊に頼む春風を横目で俺は自分に隠行の術をかけた。
「な、なんだと」
「ひ、火夏!?」
 と、戸惑う人達を放置し、春風、精霊、ついでに山中に手刀を食らわせる。
 そして、二人と一たいは気絶した。
 それを俺は見届けると自分が術を唱えた場所に戻ると隠行の術を解いた。
「火夏!」
 と言って駆け寄ってきた咲良に俺は
「咲良、どうしたんだ?」
 と聞くと彼女は泣きながら
「火夏、今までどこにいたんですかぁ!急に消えてしまって、私、もう、火夏と二度と会えないかと・・・」
 と言われ、俺は罪悪感に苛まれてもなにごとも・・・いや、被害者ぶることにした。
「すまない。心配かけて。実はあいつもう一人を召喚していたんだ。それで、異空間で閉じ込めれていたが、抜け道を通って戻って来たんだ。」
 すると咲良は赤くなって
「えっ、すごいですねぇ。・・・火夏、怪我はありませんか?」
 と言われ俺は
「ない。・・・咲良、先生は?」
 と言うと、咲良は先生を連れて来てくれた。


 結局、オリエンテーリングは中止し、俺はこっそり先生達に本当のことを話した。
 今回はお咎め無しだったが、次は先生に伝え何もするなとのことだった。
 それもそのはず、この動物園の持ち主は俺の母方の祖父で、揉み消したのだ。
 もちろん、このことは咲良にもまだ言えない。
 なので、この件はこうやって幕を降ろす。
 "春風が精霊を二たい出して高瓦をさらい、そして何故か山中さんと一緒に勝手に気絶した。"
 と、この件は幕を降ろした。








 


 





「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く