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魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

                火夏目線


 9時15分になったので校長室に行くと、そこには魔界に繋がるドアがあり、そのドアの前には俺のクラスの先生が立っていた。 
「それでは、これから魔界に行きます。A組の生徒はドアの前に出て来るのです。」
 と、言われたA組の生徒は全員(俺と咲良も含む)前に出て来ると先生達が、呪文を唱えた。
『魔界のドアよ、開け!』
 すると、ドアが開きドアから見える景色に俺は内心
(これが魔界か。イメージと違って平和的で明るい。)
 と思っていると先生が
「さぁ、このドアをくぐるのです。入るのです。」
 と、いつもの先生とは違いはしゃいだ様子に俺は"さすが、魔界出身の先生"と思いながらもドアをくぐった。




 バスに乗ると俺は溜息をついた。
 それは昨日のことなのだが、おばさんが咲良に告白するように言って来たからだ。
 そして俺は、咲良に想いを伝える計画の為に用意したものがあったのだが、それを咲良に渡すのを忘れていたことを今思い出した。
 今から渡そうとしても咲良とかなり離れた座席にいるので渡すことができなかった。
 また夕食の時に渡そう。




                 咲良目線


 動物園に向かっていたバスはとうとう目的地に到着しました。
 そして、乗っていた生徒達はバスから降り始めました。
 もちろん私もすぐにバスから降りましたが、いつまで経っても火夏が降りて来なかったので私はバスの中に戻りました。
 そして、火夏の座席を捜すと彼は自分の決められた座席に座って眠っていました。
 なので私は火夏を起こそうと思って彼の肩を強く叩きながら言いました。
「火夏、もう着きましたよ。起きて下さい。」
 その時、火夏が何かを呟きました。
 良く聞き取れなくて耳を澄ますと彼はまた唇を震わせました。
「・・・・・・咲良・・・・・・。俺は、ずっと前からお前のことが・・・・・・」
 "ずっと前からお前のことが?"お前のことがなんでしょうか?
 と首を捻りましたが、良く分からなかったので私はとりあえず火夏を起こすことにしました。
「火夏、起きて下さい。」
 そう何度も何度も言いました。
 そして、しばらくしてやっと、火夏が目を覚ました。
「もう、みんな降りてますよ。早く降りましょう。」
 すると、火夏は目を丸くして聞いてきました。
「咲良、何故ここに・・・。」
 と聞かれたので私は苦笑して言いました。
「だって、火夏がいつまで経っても出てこなかったんですもの。だから、呼びに来たんです。」
「そうか。・・・すまない。だが、呼びに来てくれてありがとう。」
 と言われて私は胸の奥がこそばゆくなりながらも口を開きました。
「はい。・・・・・・では、行きましょう。」
「ああ。」
 と言うと座席を立って歩き出しました。


 










 

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