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魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 その日の帰り、私は火夏に"聞きたいこと"があったので口を開きました。
「あのぅ、火夏の好きな人って誰ですか?」
「・・・。やっぱり聞いていたんだな。」
 と言われ私はすぐに謝りました。
「ごめんなさい。屋上に着いたらちょうど告白されているところだったので。」
「そうか。」
 と黙り込んでしまった火夏に私は
「火夏、好きな人って誰ですか?そしてあの時に好きな人はいないと言っていたのは嘘だったんですか?」
 と問い詰めると火夏はこちらを睨んで
「なんでこんなことを聞いてくるんだ?」
 と返されてしまったので私は慌てて話題を変えました。
「な、何でもないです。・・・。実は、今日の朝から変な病気になってしまったみたいなんです。」
 と言うと火夏は呆れたように
「咲良、いくら話を変えるためだといえ嘘はよくない。」
 と言われて私はイラッとして、頬を膨らませて火夏に言い返しました。
「火夏、ひどいです。私、本当に自分の身体が怖いんですよ。なのに嘘だと決めつけるなんて、最低です。」
 すると火夏は慌てて謝ってきました。
「咲良、すまない。」
「・・・。はぁー、もう良いですよ。」
 私は火夏を許してあげることにしました。
 火夏は私にお礼を言うとそのまま考え込んでしまいました。
「まさか熱か?明日から修学旅行だろう。大丈夫か?」
 と言いながら私の額に手を伸ばしてきました。
(えっ?)
 火夏は私の前髪を掻き分けそのまま手を当てました。
 熱を計ってくれているだけなのに私の頬が熱くなっていくのが自分でも分かりました。
(また動悸がしてきました。なんで火夏に触れられると動悸がするんでしょう?)
 私は火夏が自ら手を離すのを待ちました。
 しばらくしてから額から手を離した彼が聞いてきてくれました。
「熱は無い。・・・何の病気なんだ?」
 私は火夏に言うか言わないかで悩みましたが結局言うことにしました。
「実は、朝から火夏と手を繋いでいる時に動悸が止まらなくなったり、火夏の好きな人が気になったり、火夏が好きな人がいるからっていうのを聞いてしまったときに関係ないのにとっても胸が苦しくなったり、あと、火夏がとてもかっこよく見えるようになってます。これは一体何なんでしょうか?」
「そ、それは、おばさんが桜咲に聞いた方が良い。」 
「そうですか?ありがとうございます。」
 と彼の顔を見るとかなり赤くなっていました。
「火夏、顔が赤いですよ。熱でもあるんですか?」
「誰のせいだと!!」
 とギロリと睨まれて私は思わず笑ってしまいました。
「火夏、顔が赤いから睨まれても全く怖く無いですよ?」
「うるさい。」
 と火夏が不機嫌になってしまったので私は笑いを止めると火夏に
「火夏、話を聞いてきてくれてありがとうございました。ちょっと楽になりました。」
 と言うと火夏は
「いや、今度はこっちがおかしくなりそうなんだが。」
 と彼が不機嫌なまま呟いた所で家に着きました。


 




 


 






 





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