魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 咲良目線
それから30分後、うどん屋さんに着いた私達5人はお店の中に入りました。
 そして私達は席を決めて、メニューを見て自分達が食べたいものを注文しました。
 しばらくして頼んだうどんが運ばれてきました。
 火夏がきつねうどんを食べているのを見て、きつねうどんが食べたくなった私は火夏に一口貰うことにしました。
「火夏、きつねうどんを一口貰えますか?」
 と聞くと彼は呆れたように
「咲良、お前にはざるうどんがあるだろう。」
 と聞かれて私は口を開きました。
「すみません。でも、きつねうどんも食べたいです。なので一口下さい。」
「じゃあお前のざるうどんを一口くれないか?」
 と提案されたので私は頷いて火夏にうどんが入った器とつゆが入った器を渡しました。
 火夏は私から受け取った後、きつねうどんを別の小皿に入れて私にくれました。
 なのでお礼を言うと、早速きつねうどんを食べました。
 するとお母さんとお姉ちゃんがニヤニヤしながら口を開きました。
「咲良と火夏君って仲良いよねー。付き合ってみたら?」
 と言われ、私は驚いて飲み込んでしまったとたん気管に入って盛大にむせてしまいました。
「げふっ、こふっ!い、いきなり何を言うんですか!」
 私は盛大にむせてしまいましたが、火夏は冷静でした。
「・・・この話は今はやめて下さい。」
 と彼がお母さんとお姉ちゃんに注意して下さったのです"もう大丈夫ですね。"と思いうどんを食べているとお姉ちゃんが
「お似合いだと思うんだけどなぁ。火夏君も咲良のこと好きでしょう。」
 それを聞いた私はまた喉を詰まらせてむせていると火夏が背中を叩きながら、
「大丈夫か?」
 と聞いてきてくれたので私は目に涙を浮かべながら口を開きました。
「はい。だいぶ落ち着きました。」
 するとお母さんとお姉ちゃんがさらにニヤニヤして
「もう付き合えばー。」
 と言われて、私はため息をついて
「お母さんとお姉ちゃん、私と火夏は一切そんな気はないんですよ。勝手に決めないで下さい。」
 と言うとなぜか火夏が左胸を押さえて苦しそうな顔をしました。
 そして私と火夏以外の3人はため息をつきました。
「えっ、み、みなさんいきなりどうされたんですか?」
 と聞くと火夏と3人は
「「「「べ、別に何も・・・。」」」」
 と言われたので、私は3人はほって置いて置くことにして火夏に尋ねました。
「どうされたんですか?どこか痛いんですか?」
「い、いや、別に何でもないから気にしなくてもいい。」
 と言われても私は火夏が心配だったので
「でも、本当に何もなくても怪我をしていたらいけなるいので見せてください。」
 と、頼んだんですが、彼はキッバリと
「いい。それよりもうどんはどうだ?」
 と聞かれたので私は笑顔で、
「はい。おいしいです。火夏はどうですか?」
 と聞き返すと「美味い。」と言われました。






 火夏目線
 それから30分後、うどんを食べ終わった5人は車に戻ろうとしたが、咲良に止められた。
「お母さん達はしばらくここで待っていて下さい。私は火夏を見るので」
 と言われ、俺は慌てて
「いや、いい。本当にいいから。」
 と必死に止めようとしていたが、そんなことを考えていない彼女は
「いえ、大丈夫ですから、見せてください。」
 と、言われ俺は
(やっぱり咲良は俺のことを男だと思っていない。)
 そう思うと、ため息が出る。
 こうなったら咲良に俺が男だと思わせたほうが良いと思い咲良に
「分かった。行こう。」
 と言うとおじさんから車の鍵を借りて咲良と店を出た。
 
 車内に入ると咲良は、
『結界を張り給え。マジカルクローバー。』
 と車内が見えないように呪文を唱えると、俺を見て
「さて、火夏、見せて下さい。」
 と言ってきたので早速咲良に男だと思わる作戦を始めることにした。
「・・・お前、俺のことを男だと思っていないだろう。」
 と聞くと咲良は心底訳が分からないという表情をすると
「えっ、どうしたんですか?」
 と聞いてきたので
「なら、お前は俺のことを男だと思っているのか」
 と聞くと咲良は頭の上に?マークを浮かべ
「?火夏はなんでそんなことを聞くんですか?」
 と聞かれたので俺は
「俺はお前に男だと思われていない。男だと思っていたら、俺の左胸を見せてといわないはずだ。」
 と言うと咲良は、
「えっ、そ、それは・・・。」
 と口ごもったので俺は鋭く睨みながら
「咲良、お前にとって俺は何だ?」
 と聞くと咲良は
「た、ただのクラスメイト&居候さんです。」
 と言われて俺はイラッとして彼女に
「咲良、分かった。」
 と一度切ると咲良ホッとため息をついたので言葉を続けた。
「・・・お前が全く俺のことを一人の男だと思っていないことは良く分かった。」
 そしてニヤリと笑うと
「なら、どこまで俺を一人の男として見ないか試してみるか。」
 と言うと彼女は顔を強張らせて
「えっ、ひ、火夏、な、何を言って」
 と聞いてきたが、俺はそれを無視すると彼女の腕を掴んで引き寄せた。
「えっ」
 そして彼女を自分の膝に座らせた。
「えっ、ひ、火夏?」
 と、戸惑う彼女をそのままにして彼女が来ているワンピースの胸元のリボンをほどく。
「ひ、火夏。お願いですから、やめて下さい。」
 と、予測通りの返答が返って来たので俺は一言口にした。
「なら、俺のことを一人の男として見るか?」
 と言うと咲良は真っ赤な顔で
「あ、はい。み、見ます。な、なのでお願いします。やめて下さい。」
 と言われ俺は余りの罪悪感に
「咲良、すまない。・・・。俺はお前に男だと思わせたかったんだ。」
 と謝ると彼女は真っ赤な顔で首を横に振ると
「だ、大丈夫です。私も火夏は他に好きな人がいるからと安心していましたけど、気をつけます。」
 と言われて俺はため息をついて
「咲良、俺が間違っていた。俺は好きな人がいると言ったが、本当は好きな人などいないんだ。すまない。」
 と言うと彼女はキョトンとして聞いて来た。
「えっ、好きな人はいないんですか?・・・じゃあどうして、いると言ったんですか?」
「それは、好きな人がいると言った方がお前と仲良くなれると思って。すまない。」
 と謝ると彼女に
「火夏、ごめんなさい。私のせいで嘘をつかせてしまって。ですが、好きな人が居なくても、私は仲良くしたいですよ。・・・これでも火夏のことは友達として好きですから。」
 と言われて俺は複雑な心境に陥ったが俺は話を変えた。
「咲良、お前に聞きたいことがあるんだ。・・・良いか?」
 と聞くと彼女は
「はい。何ですか?」
 と聞いてくれたので俺はずっと気になっていたことを聞いた。
「どうして、あいつと付き合おうと思ったんだ?」
 すると彼女はキョトンとして
「・・・だって、瑞樹君は小説のヒーローにその時は見えたんです。・・・けど、お試しで付き合ってみたらイメージと違って。」
 と苦笑した。
「そうか。嫌なことを聞いてすまなかった。」
 と謝ると彼女は急にはっとして、口を開いた。
「火夏、もしかして左胸が痛くなったのは私が火夏を男として見ていなかったからですか?」
 と聞かれ俺は内心"違う"と言いたかったが、それを言うと気持ちがばれて避けれてしまうのでそれらしく
「ああ。」 
 と頷いた。
 すると彼女は心底申し訳なさそうに
「火夏、ごめんなさい。私のせいで嫌な気持ちにさせてしまって。」
 と謝って来たので俺は、
「気にしなくてもいい。・・・おばさん達を呼んで来た方が良いのでは?」
 と聞きながら、彼女を膝から下ろすと彼女は、
「はい。そうですね。ちょっと行ってきます。」 
 と慌てて呼びに行こうとした彼女を見て俺は慌てて彼女を呼び止めた。
「咲良、待て、リボンが、ほどいたままだ。」
 と言うと、咲良はこちらを見て
「えっ、・・・そ、そういえば」
 と慌ててリボンを結んだ咲良は、
「今度こそ行ってきます。」
「ああ。」
 と頷くと今度こそ彼女は車から降りておばさん達を呼びに行った。
  
















  
 



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