魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 館内に入った私達は勉強が出来そうな席があったのでそこで勉強することにしました。
「じゃあ、俺は桜咲を見るから、火夏は咲良と勉強しててよ。」
 と言われて私は首を傾げました。
「?なんでですか?」
 と聞くと、花崗君は
「なんとなく」
 と言われて、私は訳が分からなくなったので、少し考えました。
 3秒後、私はあることに気づいてしまいました。
 それは、花崗君が詩乃のことが好きだということです。
 それを知った私は内心大興奮でした。
(キャー。すごいです。・・・花崗君のために一肌脱ぎましょうか。)
「わ、分かりました。そうしましょう。花崗君、頑張って(詩乃を落として)下さい。」
 と、言うと私はさらに頑張ることにしました。
「あっ、すみません。火夏、ちょっと来て下さい。荷物を持って。」
 そう言うと、火夏は「あ、ああ。」と、戸惑っていたので私は、火夏の袖を掴んで花崗君と詩乃に
「では、頑張って下さい。」
 と言って違う席に行きました。
(ちなみに次の席は詩乃と花崗君の様子が見える席です。)
 そしてその席に座ると、私は詩乃達を温かく見守ります。
 すると、ずっと私を見ていたらしく火夏がため息をついて
「咲良、桜咲達を見てないで早く課題をしたほうがいい。分からない所があれば教える。だから、早く終わらせよう。」
 と言われたので私は彼の言う通りにして後で詩乃達を見守ることにしました。


 課題が終わり詩乃達を見守っていると、詩乃達も課題が終わったらしく私と火夏が使っている席に来ました。
 すると、火夏が口を開きました。
「桜咲、話があるからちょっと来てくれないか?」
 と言って火夏が詩乃と一緒にどこかへ行ってしまいました。
 それを見て、何か良く分かりませんが嫌な気持ちと胸がもやもやしました。
 その気持ちに首を傾げていると花崗君が
「咲良、火夏のことをどう思う?」
 と聞かれて私は笑顔で、
「火夏ですか?火夏はいい人ですよ。」
 と答えると花崗君は眉間を押さえて
「いや、そういう意味じゃなくて」
 と言われましたが、私はどういう意味が良く分からなくて
「えーっと、どういう意味ですか?」
 と聞くと花崗君は
「好きか嫌いか」
 と言われたので、私は"極端ですね。"と思いながら花崗君の質問に答えました。
「そりゃあ好きですけど・・・あっ、火夏って詩乃のことが好きなんでしょうか?」
 と聞いて見ると花崗君はまた眉間を押さえると
「何でそうなるの!!」
 と聞いて来たので私は花崗君に解説しました。
「だって、今、火夏と詩乃は居ないですし、それに詩乃を呼んだときに火夏から話があると言ってましたよ。後は、詩乃と花崗君を見守っていたら、邪魔されたんですから。」
 と言っていると火夏と詩乃が帰って来ました。
 なので、私は火夏を少し睨みながら
「火夏、ちょっと話があります。こっち来て下さい。」
 と呼びかけると彼は「あ、ああ。」と頷いて、私の隣に来ました。
「で、どうした。」
 と聞かれ、私は火夏の言葉を華麗にスルーすると、花崗君と詩乃に
「ちょっと用事を思い出したので、お先に失礼します。」
 と言って、火夏を連れて先に図書館から出ました。


 無言で家に帰っていると火夏が、言いにくそうに聞いて来ました。
「咲良、どうした。用事とは何かあったのか」
 と聞かれて私は火夏に
「火夏、実は聞きたいことがあります。」
 と言うと、火夏は、
「何だ。」
 と返して来たので私は火夏に聞きました。
「火夏は、詩乃のことが好きなんですか?」
 と聞くと火夏は、
「なぜ俺が桜咲のことが好きなことになっているんだ?」
 と、苦しそうに聞かれたので、私は慌てて理由を言いました。
「だって、詩乃と2人でどこかへ行ってましたし、花崗君の応援で詩乃達を見守っていたら課題をするように言って来たじゃないですか。」
 すると火夏はため息をつきました。
 そしていきなり下を向いてブツブツと何かを言い出しました。
「ひ、火夏、い、いきなりどうなさったんですか?」
 私は恐る恐る火夏に聞くと火夏は、はっとしたように顔を上げると
「すまない。何でもない。それより花崗と桜咲をくっつけようとしているのか?」
 と聞いて来ました。
 私は頷くと、
「だって、花崗君、詩乃のことが好きみたいですもん。」
 と言うと火夏は、
「そうだったのか。」
 と呟いていたので、火夏も気づいていなかったらしいです。
「とにかく、花崗君と詩乃をくっつけようと思うので火夏も協力お願いします。」
 と言うと火夏は、思案顔で頷いていました。







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