魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 その日の部活の時に私は火夏に謝りたいと思ったので、火夏がいる笙の練習場所に向かいました。
 そして、着くと火夏の所へ行くと火夏に声をかけました。
「火夏、ちょっと良いですか?」
 すると彼はこちらも見ずに
「すまない。話なら帰りに聞くから、お前は舞の練習をして来い。」
 と言われて、私は泣きそうになりながらも
「そ、そうですね。す、すみません。笙の練習を邪魔をしてしまって。」
 と謝って、笙の練習場所から出て行きました。
 そして、舞の練習場所に戻っている途中で、花崗君に話し掛けられました。
「咲良、ちょっと良い?」
「?どうしたんですか?」
 と聞くと、花崗君は笑顔で言いました。
「今日の帰りに図書館で勉強しない?・・・・・・火夏も来るから安心しなよ。」
 と言われて私は、下を向いて口を開きました。
「すみません。実は火夏を怒らせてしまって、だから、私が居ないほうがいいと思うんですが・・・。」
「咲良は火夏が怒った理由は分かるの?」
 と呆れたように聞かれ私は、
「・・・分かってます。だから、さっき謝ろうと思って火夏の所に行って来たんです。でも、火夏は帰りに聞くからって・・・。」
 と答えると花崗君はため息をついて
「とりあえず、咲良が来ないと困るから、絶対行くよ。」
 と言われて私が渋々返事をすると、花崗君は竜笛の練習場所に戻って行きました。


 舞の練習場所に戻ると同じ部活の天野未桜ちゃんが来ていました。
「あら、未桜ちゃん、どうされたんですか?」
 と聞くと未桜ちゃんは、
「咲良ちゃん、今日は大変だったね。」
 と言われました。
「あー。はい。大変でしたね。やっぱり松田君を本気にさせたらダメですね。」
「うん。そうだね。」
「はい。」
 と未桜ちゃんと話ていると詩乃も話に入りました。
「咲良、体育の時はごめんね。」
 と謝られたのですが私は、詩乃に申し訳なくて、
「だ、大丈夫ですよ。私だって、危ないことに巻き込んでごめんなさい。」
 と謝ると、
「どうして咲良が謝るの?私だって断らなかったから私も悪いよ。」
 と詩乃がまた謝ろうとするので私は話の流れを変えるために口を開きました。
「詩乃。この後、花崗君と火夏と一緒に勉強会をするんですが、一緒に来てくれませんか?」
 すると、詩乃は
「?良いけどどうしたの?」
 と聞かれて私はついうっかりと本音を言ってしまいました。
「気まずいです。特に火夏を怒らせてしまったので。」
 するとそれを聞いた詩乃は、
「えっ、高瓦君を怒らせたの?・・・まさか保健室で何かあったの?」
 と聞かれて私は火夏を怒らせてしまったのに、火夏に抱きしめられたことを思い出して真っ赤になってしまいました。
(どうして火夏は好きな人がいるのに私を抱きしめたんでしょうか?まさか私が泣きそうになっていたから俺の胸で泣けよって思ったんでしょうか?・・・あ、ありえないです。火夏が、氷の王子様がそんなことするわけがないです。きっと、疲れて私を木か何かだと思って間違って抱きしめてしまったんですね。)
 と1人納得していると、詩乃が私の名前を呼んで来たので詩乃の顔を見ると、詩乃は笑顔でしたが目は笑っていませんでした。
(ヒ、ヒャー、な、なんで怒ってるんですかぁ!!)
「咲良、何かあったの、"咲良には怒らないから教えて"。」
 と、言霊まで使われてしまいましたが、私はなぜか言いたくなくて舞の練習場所から逃げ出しました。
 そして、その時部活の終わりを告げるチャイムが鳴りました。






 ミーティングが終わり、私は詩乃と花崗君の所へ行こうとすると火夏がこちらに来て口を開きました。
「咲良、話があるから、図書館まで2人で帰ろう。」
 と誘われましたが、返事をする前に詩乃が私の前に立つと
「高瓦君、保健室で何かあったの?」
 と聞いていたので私は逃げるために花崗君の所へ行こうとすると火夏に腕を掴まれました。
「咲良、どこへ行くんだ?」
「えっと、花崗君の所へ・・・。」
 と、正直に答えてしまうと火夏が恐ろしい笑顔で
「咲良、いい加減にしないと痛い目に合わせるが、良いのか?」
 と言われたので、私は真っ青になって
「い、嫌です。・・・分かりました。一緒に帰りましょう。」
 
 そういった訳で一緒に帰っているんですが、空気が重たいです。
 なので、私は火夏に謝ることにしました。
「火夏、体育の時に傷付けてしまってごめんなさい。」
「・・・傷つけて?・・・まぁ、傷ついたのは事実だが、俺が傷つくよりもお前は大丈夫か?」
 と聞かれて私は
「え、えっと、私は大丈夫ですよ。」
 と、一度切ると火夏にお礼を言いました。
「火夏、今日は危ない所を助けて下さってありがとうございます。それなのに、傷つけてしまってごめんなさい。」
「・・・。俺こそ、部活の時はすまない。せっかく話しかけてくれたというのに。」
 と部活の時のことを謝られて私は慌てて
「い、いえ、あの時は部活だったんですもの。あの時に謝ろうとした私が悪いので気にしないで下さい。」
 そう言うと火夏は「だが・・・。」と口ごもったので私は、
「大丈夫ですよ。今度からは話かけても良い時に話かけるので、安心して下さい。」
 と言ったところで、図書館の前に着きました。
 図書館の前では、詩乃と花崗君が待ってくれていたのでお礼を言いました。



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