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魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

 次の日、咲良と俺は同じ時刻に家を出ると、家の中からおばさんと葵さんに見られていないことを確認すると咲良の手を握った。
「火夏、5月中で予定が空いている日ってありますか?」
 と聞いて来た彼女を見ると、彼女は俺と繋いでいた手でシャーペンを握り左手で手帳を持っていた。
 そのことにも謎に思ったが、まず咲良が俺の予定を聞いてくる理由が知りたくて、俺は、彼女に聞いた。
「確かあったと思うが、何かあるのか?」
「あのですねぇ、お母さんが言っていたんですが、火夏が空いている日に温泉に行くらしいです。なのでいつ予定が空いていますか?」
 と聞かれたので、俺は、手帳を取り出すと
「今月なら17日が空いている。」
 と伝えると彼女は
「そうですか。お母さんに伝えておきます。」 
 そう言うと駅のホームに着いた俺と咲良は、ちょうど来た汽車に乗った。                    


 一緒に空いている座席に座ると咲良が急に目を擦って
「すみません。降りる駅の一つ前の駅に着いたら起こして下さい。」
 と言って来たので、俺は戸惑いながら口を開く。
「あ、ああ。分かった。」
 それからすぐに隣から寝息が聞こえた。
(寝るのが早いな。)
 咲良は俺という男が隣にいるのに、安全して眠ってしまった。
 それは信頼してもらっている証拠だと思うが、少しは警戒してほしい。
(咲良は俺のことを男だと思っていないのではないだろうか?)
 彼女の俺に対する無警戒さに不安になりながらも、俺は彼女の寝顔を観察することにした。
 そういえば、小さい時は訳あって女として生きていたが、彼女に
『夏子ちゃん、どうしたら夏子ちゃんみたいになれますか?』
 と輝いた瞳で聞かれたが、俺はあの時なんと答えたんだろうか?
 その時から7年の月日が過ぎているが、いまだ消えることなく彼女を愛しく思う。
 だが、彼女は本当にモテすぎていた。
 なのに彼女はかなりの鈍感で自分がモテていることにも気づいていないらしくのびのびとしている。
 そして1人の男とお試しで付き合ってみたもののその男は最低な奴だった。
 そのせいで咲良はますます恋人をつくろうとしなくなったのだ。
 しばらく考えていると咲良に言われた駅に着いたので咲良を起こすことにした。
 咲良を揺さぶりながら口を開く。
「咲良、起きろ。駅に着いた。」
 その言葉に咲良はむにゃむにゃと、
「駅ってどこの・・・。って、えっ、あ、ありがとうございます。」
「ああ。もう着くはずだ。」
 と言うと、ちょうど良いタイミングで汽車がとまる。
 なので俺は咲良と一緒に汽車から降りると、学校に向かって歩き出した。
 すると後ろから声をかけられた。
「おはよう。咲良、火夏」
 その声で花崗だと分かったので、俺は
「おはよう」
「おはようございます。」
 と挨拶をすると花崗はニヤリと笑って
「あれ~。どうして一緒にいるのかな~。もしかして2人って付き合ってるのかな?」
 と言われて、咲良は真っ赤になって
「花崗君、私と火夏はつ、付き合ってません。」
 と、真っ赤になって否定する彼女に俺は助け船を出した。
「昨日の朝、痴漢に襲われていただろう。それらから守るために一緒に行って帰ることにしたんだ。」
 と、説明をすると花崗は笑って
「へぇー。咲良、ちょっとゴメン、火夏と話があるから先に行といて、」
 と言うと、桜咲が来たので桜咲が、
「咲良、行こう。」
 と言って一緒に行ってしました。
 俺は花崗を睨みつけて
「で、話とはなんだ?」
 と、聞くと花崗は溜息をついて
「火夏、いい加減に告りなよ。」
 と、言われ俺は
「花崗、それは無理だ。咲良は俺のことを男として見ていないかも知れないし、あいつのせいで恋人を作る気もない。」
 と、答えると花崗は
「ああー。あいつのせいでか、あぁあ、あいつがいなければよかったのにね。」
 と言われたが、俺も、
「ああ。そうだな。」
 と頷くと、学校に着いていたので、
「じゃあな。花崗。」
 と言うと靴を履き替えて教室へ、向かった。








 




 





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