魔女の秘密~魔女は、急の事態に戸惑う。

いきなり、学園のアイドルと一緒に住むことになりました(T_T) 咲良目線

私、飛龍咲良は、学園から家に帰宅すると、いつもは学園から帰宅したことを伝えに居間に寄ってから、自分の部屋に戻っていましたが、今日は、居間に寄らずに、自分の部屋に戻ってきました。
 理由は、玄関に見知らぬ男性用の革靴があったからです。
(誰が来ているんでしょうか?)
  と、私は一瞬疑問に思いましたが、すぐに、今までの流れを思い出しました。
 そう、それは、玄関に見知らぬ男性用の革靴があるときは、高確率でお姉ちゃんの彼氏さんが、この家の居間にいます。
 なので、私がうっかりと居間に行ってしまうと、お姉ちゃんとお姉ちゃんの彼氏さんのいちゃつきを見せられてしまいます。
 そんなものを見せられてしまうと、私は、
(リア充爆発して下さい。)
 と、思いつつも、リア充なお姉ちゃんと、非リア充な私の差を感じてしまいます。
 なので、お姉ちゃんの彼氏さんが自分の家に帰るまで、部屋に居ましょう。
 そう、判断して、速やかに自分の部屋に戻りました。
 
 私は、自分の部屋に戻ってくると、鞄を勉強机の上に置いて、学園の制服から部屋着に着替えました。
 そして、制服のプラウスを洗濯ネットの中に入れて、スカート等をハンガーに掛けました。
 そうすると、暇になってしまったので、お姉ちゃんの彼氏さんが自分の家に帰るまで、いえ、夕ご飯まで、昨日、寝る前に読んでいた恋愛小説を読むことにしました。
 確か、昨日寝る前に読んでいた小説は、家を出る前にちゃんと片付けた筈です。
 なので、私は、本棚の前に行くと、朝に片付けた小説を取りました。
 そして、その小説を持って、勉強机の前に移動しました。
 椅子を後ろに引き、腰掛けると、早速、小説を読み始めました。
 
 しばらくすると、急にドアをノックする音が聞こえました。
 なので、私は読んでいたページに素早く栞を挟みながら、
「どうぞ。」
 と、入室の許可を出しました。
 そして、ドアを見ていると、ドアが開いて、お姉ちゃんが入ってきました。
「咲良、お母さんが呼んでるよ。」
 と、呼ばれてしまったので、私は内心
(?お姉ちゃんの彼氏さんは帰たんでしょうか?)
  と思いつつ、首を傾げていたんですが、お姉ちゃんに再度、同じ言葉を言われてしまったので、読書の続きを渋々諦めました。
 そして、椅子から立ち上がり、椅子を仕舞い終えると、お姉ちゃんに
「では、行きましょうか。」
 と言うと、お姉ちゃんの後をついて行きました。
 
 お姉ちゃんに着いて行くと、一階の居間に到着しました。
 お姉ちゃんが先に居間に入室し、そのままドアを開いたまま、私に目で
「早く、入って。」
 と、圧をかけられてしまったので、渋々、居間に入室しました。
 そして、私は、居間に入室し、お姉ちゃんの彼氏さんを探すと、テレビの前のソファーに、お母さんと一緒に座っていました。
 それを見て、私は遠い目をして、明後日の方を見てしまいました。
(やっぱり、お姉ちゃん達のいちゃつきを見ないといけないんですね。)
 と、思っていると、そう思われていることを、知る筈も無いお姉ちゃんが、口を開きました。
「お母さん、火夏君、咲良を呼んできたよ。」
 その言葉に、私はキョトンとしてしまいました。
 お姉ちゃんは、火夏君と呼んでいましたが、確か、お姉ちゃんの彼氏さんの名は、優一郎さんだった筈です。
 そのことに疑問を抱いた私が、思わず、俯いていた顔を上げて、前を見ると、そこには、クラスメイト兼学園のアイドルである高瓦火夏君がこちらを見ていました。
 高瓦火夏君というと、学園のアイドル的ポジションで、一番の男神である呼び名である龍神という称号があります。
 因みに、これは理解出来ませんが、一番の女神である、天照大御神という称号は、一応、私が持っています。
 どうして、学園の人達は、地味な私をアイドル的ポジションに入れてくれたんでしょうか?
 それは、理解出来ませんが、自惚れないように、頑張りつつも、勉強と、部活を頑張っています。
 で、話を戻して、どうしてここに高瓦君がいるんでしょうか?
「えっと、高瓦君?」
「どうした。飛龍。」
 と言われたので、私は、ありえないと思いながらも、とある確認をしました。
「あ、あのぅ、高瓦君は、私のお姉ちゃんの彼氏さんですか?」
 すると、案の定、お姉ちゃんと高瓦君は慌てて否定しました。
「「違う(よ)!!」
 それを聞いて、私はため息を零しながら、やっぱりと思いました。
「ですよね。…でも、お姉ちゃんの彼氏さんではないなら、どうして、ここにいるんですか?」
 と聞くと、高瓦君は、
 「あ、ああ。実は母が家出した。それで今日からこの家にでお世話になることになった。」
 彼の言葉に私は驚いて、お母さんを見ました。
「えっ?お母さん、どういうことですか?」
 すると、お母さんはニッコリと微笑むと説明を始めました。
「咲良、火夏君はね、直子ちゃんの息子さんなの。」
 そう言われて私は微笑み返しました。
「そうだったんですか。高瓦君は直子さんの息子さんだったんですね。で、直子さんが家出を・・・。けど、何でここで預かるんですか?」
 と聞くと、お母さんは当たり前のように
「それはね、直子ちゃんに頼まれたからなの。」    
 と言われたので、私はお母さんを説得することを諦めて、お姉ちゃんにお母さんを止めて貰うようにすがる視線を送りました。
 ですが、お姉ちゃんは、私のすがる視線に気付かなかったのか、
「私は大丈夫だよ。」
 と、答えてしまいました。
 なので、私は手を挙げて恐る恐る本音を口にしました。
「・・・。あのぅ、私は大丈夫じゃないです。だって、間違いがあるかも知れませんし、万が一、このことが学園にバレたら…。」
 かなり、やばいです。
 だから、断ろうとすると、
「誰と誰が間違えるのかな?」
 と、ニヤニヤして私がやばいから止めて欲しいと訴えているのを、華麗にスルーされ、そこではないことをお母さんが聞いて来たので私は真面目な顔で答えました。
「えっ?そ、それは、お姉ちゃんと高瓦君です。・・・それよりも、ここ以外で高瓦君を預かって貰える場所は無いんですか?だって、ここで高瓦君を預かると、私が高瓦君のことが好きな人達に虐められて、相手を退学にするので嫌です。」
 そう言うと高瓦君は、何故かすぐに否定してきました。
「それはない。それに、俺がここに居ても虐められないし、もし、お前が虐められたら、お前を虐めた奴らが悪い。だが、それが嫌だと言うのなら俺がどうにかしてやるから、ここで預かって貰えないか?」
 と言われましたが、私は、本当に虐められて、相手を退学にしないか不安だったので、思わず言い返してしまいました。
「どうして、貴方のことが好きな人達に私が虐めらて、相手を退学されないかが出来るんですか。絶対、退学ですよ。」
 そうですよ、私は、何故、美男美女しか居ない方の学園に入れたのか、どうして、アイドル的ポジションにいるのかが不思議なぐらいな地味な女子なんです。
 なのに、それを虐めて退学って、100%私が悪くなってしまいます。
 と、思って高瓦君を見てみると、何故か高瓦君は、ポカンとして口を開いていました。
「は?ただの生徒が学園のアイドルに、それも、天照大御神様といわれているお前を虐めているんだ。それが当然だろう。だが、お前が後味が悪いだろうから、俺が先生達に交渉してやる。」
 と言われて、私はキョトンとして言いました。
「はい?そんなことが、可能なんですか?」
 と聞くと、高瓦君は、
「あ、ああ。出来る。」
 と言われたので、私は渋々折れてあげることにしました。
「分かりました。そこまで言われたら流石に断れないので、認めます。・・・けど、お姉ちゃんと間違いを起こしたり、私が学園で虐められて、相手を退学させたら、即刻出て行って欲しいです。」
 と言うと、高瓦君は、
「ああ。分かった。・・・だが、俺は葵さんとは間違いを起こす気は一切無いし、お前が虐められない様にするから、出て行かないといけないことにはならない筈だから。」
 と言われて、私は少しムッとして口を開きました。
「分かりました。了解です。・・・ですが、高瓦君。言って置きますが、お姉ちゃんは美人で性格も良いのでとてつもなくモテるんですよ。そんなお姉ちゃんに何の不満があるんですか?」
 すると、高瓦君は、真っ青な顔で、慌てて口を開きました。
「不満はない。だが、俺には、好きな人がいる。だから、葵さんとは間違いを起こさない。」
 と言われて私は、慌てて告げられたことに好奇心が湧いていました。
 学園の人気者に、それも女に興味が無いといわれている人物の想い人がかなり気になります!!
「好きな人って誰ですか?」
 と、思わず聞いてしまうとお母さんに止められてしまいました。
「咲良、これ以上はやめてあげて!!」
 何故か必死に言われたので、私は首を傾げて聞きました。
「どうしてですか?・・・、はっ、ご、ごめんなさい。確かに、あまり仲良くない女に言いたくないですよね。」
 と私は謝りました。
 が、私に謝られた高瓦君は、何故かこちらを睨んできました。
 その仕草を見て、私は内心イラッとしながら、
(だって、本当のことじゃないですか!!)
 と思っていると、
「とにかく、今日からしばらく一緒に住むから、仲良くしてあげてね。」
 と、お母さんに言われて私は渋々頷きました。
「ハァー。・・・分かりました。高瓦君、今晩からよろしくお願いします。」
 と言うと、高瓦君はぎこちなく口を開きました。
「あ、ああ。よろしく。」




 しばらくすると、お父さんが帰って来たので夕食を食べることになりました。
 私は、さっきのことで腹を立てている為、無言で食べ進めていました。
 すると、突然お母さんが、私の名を呼びました。
「咲良、ちょっとこっちに来てくれないかな。」
 と、呼ばれた私が、お母さんを見ると、お母さんは笑顔でしたが、目は笑っていませんでした。
 なので、私は怯えながら
「は、はい。今、行きます。」
 と、返事をするとお母さんは席を立ったので、私はお母さんの後を付いて行きました。






 お母さんの後を付いて行くと、お母さんの部屋に着きました。
 そして、私がお母さんの部屋の中に入ると、お母さんはドアを閉めると、
「咲良、ちょっと頭を冷やして。・・・そんなに火夏君と一緒に暮らすことが嫌なのかな?」
 と聞かれたので、私は少し考えて口を開きました。
「い、嫌とかではなく、ただ、謝ったのに睨まれたことに対して怒っているだけです。それだけなので、落ち着いたら、仲よくします。」
 そう言うと、お母さんは、首を横に振って、
「じゃあ、落ち着いて聞いてね。咲良、咲良は、火夏君に睨まれて怒ってるけど、周りはね、まだ認めてなくて怒ってるかと思うよ。それに火夏君だって、直子ちゃんの家出で、急に家を出ることになったんだから、不満もあるでしょうし、今頃、"自分はここに居ても良いのだろうか?"って不安になってると思うよ。咲良、火夏君にそんな態度で、いつまでもその態度で本当にいいのかな?」
 と、お母さんに言われて、やっと自分が高瓦君にきつく当たっていたことに気づきました。
 それに、高瓦君が私を睨んできたのだって・・・。
 あんなことを言ったら、誰だって睨みたくなります。
「駄目です。・・・分かりました。高瓦君と、仲良くなれるように頑張ります。」
 と、言うと私は、お母さんの部屋から出て行きました。
 
 


 私が居間に戻ると高瓦君はいませんでした。
 なので、お姉ちゃんに高瓦君の居場所を聞くと高瓦君は自分の部屋(私の部屋の隣の部屋らしいです。)に戻っていることが判明しました。
なので、私はすぐに高瓦君の部屋に行きました。
「高瓦君、話があるので入っても良いですか?」
 と、ドア越しに話かけると中から、
「あ、ああ。入ってくれ。」
 と、少し戸惑っていた様子ですが、部屋に入る許可を出してくれたので、私は高瓦君の部屋の中に入りました。
 そして、高瓦君の近くに行くと、話しかけました。
「高瓦君、さっきまで怒って態度が悪くなってしまって、ごめんなさい。あと、高瓦君も大変なのに自分のことしか考えてなくてごめんなさい。」
 と、謝ると火夏は
「お前は悪くない。俺もお前の立場ならそうすると思うから、気にしなくても良い。
・・・俺は出来たらお前と仲良くしたい。・・・駄目か?」
と、あんなに酷いことを散々言ったのに、嬉しいことを言ってくれたので、私はホッとして思わず微笑むと首を横に振って言いました。
「駄目じゃないです。私も高瓦君と仲良くなりたいです。」
「今の言葉は本当か?・・・・・・ありがとう。これからよろしく。」
 と言われたので、私は笑顔で、
「はい。よろしくお願いします。」
 と言うと、彼は小さく微笑むと口を開きました。
「では、居間に戻ろう。」
「はい。戻りましょう。」
 と、言って居間に戻った。




 居間に戻るとお母さんが、
「火夏君に謝ったの?」
 と聞かれたので私は
「はい。謝りましたよ。」
 と頷きました。
 それから、自分の席に座ると食事を再開しました。
 そして、私はふと気になったことがあったので火夏に聞くとにしました。
「高瓦君って家事とかするんですか?」
「ああ。一応、一通り出来る。」
それを聞いて私はニッコリと微笑んだ。
「なら、お手伝いも出来ますよね。」
「ああ。元からそのつもりだ。」
 と、当たり前のように言われて私は、
「頼りにしてますね。」
 と言うと火夏は、
「そういう飛龍はどうなんだ?」
 と、聞かれましたが、お姉ちゃんにも聞いているのかが分からなくて私は、高瓦君を見ました。
 すると、高瓦君は、何かに気づいたらしく、ため息を零すと、
「・・・すみません。妹の方に聞きました。」
 と言われた私は口を開きました。
「えっと、わ、私も一応・・・。」
 と、答えるとずっと傍観していたお姉ちゃんが、
「そうそう、咲良はもう花嫁修行してるもんね。」
 といきなり変なことを言いだしました。
「えっ!」
「は?」
 私は、急に言われた自分も知らないことに「えっ!」と驚いて聞いたと同時に何故か高瓦君も険しい表情で、「は?」と言いました。
 そのリアクションにお姉ちゃんは慌てて言い訳をし出しました。
「だ、だって咲良、料理とか凄く頑張ってるから」
と言われ、私は当たり前のように答ました。
「そりゃあ、頑張りますよ。将来の為に。」
 と言うと、何故か高瓦君は何かを呟くとそのまま黙り込んでしまったので疑問に思い、
「高瓦君、どうされたんですか?顔、怖いですよ。」
 と、聞くと高瓦君は慌てた様子で、
「あ、ああ。すまない。」
 と、口ごもった彼に私は笑顔で話しかけました。
「ところで、笙の楽譜ってどうなっているんですか?」
「ああ。そうだな。・・・また今度見てみるか?」
 と、言ってくれたので、私は頷いた。
「はい。お願いします。」
 さっき私が高瓦君に振った話題は、私と高瓦君が所属している〈雅楽部かがくぶ〉という部活動の話しです。
 因みに高瓦君は笙を担当して私は白拍子を担当しています。
「そういえば、咲良と火夏君は同じ雅楽部だったわね。」
 と、いきなり会話に入って来たお母さんに私は頷きました。
「はい。そうですよ。・・・ね?」
「あ、ああ。そうです。」
 と言いつつも、彼の顔が赤かったので、私は首を傾げて聞きました。
「えっ?ど、どうされたんですか?顔、赤いですよ?」
「別に、どうもしない。」
 と言われ、私はキョトンとしました。
(どうして私だけタメ口何でしょうか?)
 多分、私は知っている人だからタメ口なんでしょう。
 そう結論を下すと、ご飯が無くなるまで食べ続けました。




 長かった夕ごはんが終わってお風呂に入ることになりましたが、お風呂に入る順番を決めていなかった為、私はお姉ちゃんと高瓦君にとある提案をしてみました。
「じゃんけんでお風呂に入る順番を決めませんか?」
「ああ。別に構わない。」
「うん。良いよ。」
 と2人が頷いたので、じゃんけんを始めました。
「「「最初はグー、じゃんけん、ポン!」」」
 そして、じゃんけんをして決まった順番は、1番、お姉ちゃん、2番、私、3番目は高瓦君になりました。




 私は洗面所から出ると高瓦君の部屋に行くとドアをノックしました。
 私が部屋の様子を窺っていると、部屋の中からドアが開いて高瓦君が、顔を覗かせました。
「高瓦君、お風呂上がりました。お次どうぞ。」
「ああ。分かった。今行く。・・・・・・あと、俺のことは火夏で良い。苗字で呼ばれると落ち着かない。」
 と言われた私は、キョトンとして彼に聞きました。
「えっ?落ち着かないんですか?・・・・・・わ、分かりました。それなら、私のことも咲良と、呼んで下さい。飛龍だと、皆も反応しますからね。」
「ああ。そうさせて貰う。・・・・・・あと、俺がここで預かって貰っていることは、桜咲以外には言うな。俺も花崗には言うから。」
 と言われ私は笑顔で、
「はい。分かりました。詩乃には明日言って置きますね。・・・で、では、おやすみなさい。」
 と、一方的に伝えると自分の部屋に戻って読みかけの小説を読み始めました。









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