ある日、超能力に目覚めた件

ファーストなサイコロ

58P

「えっと、くつろいでください。あっ、これを」

 そういって後座みたいなのを野々野足軽にくれる平賀式部。なんか普通の後座ではなくて、模様がちゃんと描かれてるようなおしゃれなゴザだった。てか平賀式部はどうやらソファーとかに座るタイプではなくて直座りするタイプらしい。

 見た目的には座ってそうなんだけどなと野々野足軽は思ってる。でもそうではないらしい。てかさっきから気になってることが野々野足軽にはあった。いや、実際気になる女の子の部屋で気にならない部分なんて皆無ではある。

 そもそもか妹の部屋以外で女子の部屋になんて入ったことがない野々野足軽である。だからもちろん気になるところしかここにはない。でももっと気になることがある。それは見たらすぐにわかる。

 いや今までは一緒にこの家に入ってきたから……と思ってたわけだが、既に夕飯まで済ませてしまったわけだ。要は数時間は既に経ってる。つまりはその機会は何度もあったと思うんだ。

 でも平賀式部はそのままで……だからこそ気になる。

(いや、別にそれを見たいってことじゃないんだけど……これは聞いていいのか? いやでも指摘したら自分がそれを見たいって思われそうだし……)

(何を葛藤してるんですか? 意味がわかりません。それよりもおやつを所望しましょう。ここならきっとお高いお菓子がでてくるはずです)

 野々野足軽たちは頭の中でそんな会話をしてた。悶々としてる野々野足軽に対してアースは食べ物のことしか考えてない。どうやらアースはかなりこの家の食事を気に入ったようだ。だからこそ、おやつだってレベルが高いものが出てくると期待してる。でも流石にさっき夕食を一緒に食べたばかりだ。

 流石に今、おやつは出てこないと思われる。なのでアースの期待は叶わないだろう。

「えっと、ありがとう。そのお邪魔してる身で言うのもなんだけど、平賀さんももっと普通にしてていいと思う。気を遣ってくれてるんだと思うけど……」

「え?」

「その、いつまでも制服のままだから」

 そう、平賀式部はいつまでも制服のままなのだ。流石に数時間経ってもそのままだとなんか気になる野々野足軽だ。制服だと自分の家なのにくつろげて無いのかなって……そしてそれが野々野足軽は自分のせいでは無いのか……って思ってるんだ。

「あ……えっと、野々野君に見せれるような私服がなくて……」

「えええ? そんな俺? え?」

 野々野足軽に見せられるような服がない−−という平賀式部に困惑しかない野々野足軽。なにせ彼女は美人だ。はっきり言って彼女なら何を着ても似合うだろう。それこそパッションな服からガーリー系までいけそうだ。

 いや、そんな拘らなくてもなんなら、Tシャツに下はジャージでもそれはそれで似合うだろう。まあそれをクラスメイトの男子に曝け出すかと言われれば出さないだろうが。

「えっと……見たい……の?」

 そんなことを上目遣いで言ってくる平賀式部。それはずるい……と野々野足軽は思った。それに彼女の私服を見たくないなんていう男子はあの学校にはいないだろう。100%の一致で皆が皆「見たい!!」と叫ぶはずだ。

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