いわゆるTS娘ちゃんの何気ない日常
いわゆるTS娘ちゃんの何気ない日常
とある朝、いつものホームルームの出来事だ。
「はい、今日は皆さんにお話があります。さあ、どうぞ入って」
と、クラス担任の女性教師が、廊下側に声を掛けた。
ドアの磨りガラスに、小さな姿の影が横切る。まだ戸惑っている様子だ。
「あら、どうしたの? 教室にどうぞ」
「あの……みんな、お久しぶり、です」
よそよそしくも教室のドアをくぐって現れたのは、頬を赤らめ遠慮がちの女の子。
絹のように滑らかな肌と細枝のように華奢な肢体。極めつけは愛らしい幼顔。白いリボンを施したツインテールに、清楚可憐な女子制服に身を包む。これはどう見ても紛れもない美少女だった。
けれど俺は、いや俺たちはみんな知っている。それは——
「オレは、いやその、私は同級生の松浦莉央だ……、です」
辿々しく言葉を詰まらせながら、自己紹介を話し始めた。
彼——いや、彼女は元々男の子。男が女の身体へと性転換していたのだ。
これは、後天性性転換感染症——通称・TS症候群だった。
なんでも令和の初頭より、新型ウイルスが蔓延し始めたのが一因だとか。
実は男性でも子宮の痕跡が残っているらしく、そこに新型ウイルスが侵入し、遺伝子を分解、新しい染色体の生成と複製を繰り返すそうで。
やがて全身の細胞が変換されるとかなんとか。これには担任の先生が簡単ながらに説明していたが、原因はまだ解明していないらしい。
とにかく二週間程度で全身の細胞が変化を開始し、約一ヶ月程度で性別が逆転、三ヶ月から半年になると骨格までも変えてしまうという、世界中をも巻き込んだ空前絶後の事態だった。
つい先月まで入院していたリオが晴れて退院し、ここ数日はお休みしていたそうで。今日は初めて女子の制服に袖を通して登校したのだ。
「はい、先生」
「なんですか、望月さん?」
手を挙げたのはリオの親友、望月克己。
いつもの愛称はカツミであり、リオの幼馴染の一人だ。
「リオはおやつに入りますか?」
「入るわけないだろ、このヤロウ!」
そうだった。コイツは生真面目な顔をしたアホだった。
昔からカツミはボケ担当、リオはツッコミ担当だった。
今の会話は省略したい。というか、もう終わりたい。
「うーん、親友として、オレだったら抱けるな」
「だっ、抱けるとか言ってんじゃねーよ、バカッ!!」
そんな悪態をつく声まで、リオはすっかり可愛くなっていた。
恥ずかしがってふるふると頭を振ると、艶やかなツインテールがサラサラと靡く。瞬く間に伸びてしまった髪の手入れは、姉にやって貰ったらしい。
「はいはい、それじゃ席に座って。今朝のホームルームを終わります」
担任の先生が手を叩く。知らぬ間に時計の針が過ぎていたためだ。
こうしていつもの敬礼が終わると、先生は粛々と教室を後にしたのだった。
さて、ホームルーム後。いつもの五分休みである。
「はぁ……しんどい」
リオは深い溜息をついた。
TS娘になってもなお、椅子に胡座をかく癖がまるで抜けない。
「スカートで胡座かくなよ」
「だってこの方が楽じゃん」
「でもさ、パンツ見えるぞ」
「ひうっ⁈」
そう告げると慌てて座り直す。
「み、見てないよな?」
「ああ、チラッとしか」
「見たのかよ⁈」
多分、カツミの嘘だけど。
リオは耳まで真っ赤になってて可愛かった。
どうやらリオの近況が変わりつつある。
例えば、昼休み。
TS娘になって、初めてのお昼ごはんの時間だ。
「女の子と昼飯食うのは初めてだぜ」
「お、女の子とかゆーな!」
「ホットドッグを大口開けて食ってるオマエって……」
「なんだよ」
「なんか……可愛いな」
「ん!?」
「可愛い」
「可愛い」
「エロ可愛い」
「え、えろってゆーな!」
こういう時に限って、リオはいつもの癖が抜けない。
うさぎのようにぴょんと跳ねれば、スカートがふわりと翻る。
「パンツ見えてるぞ」
「ひうっ⁈」
そう告げると、慌ててスカートを手で押さえつけた。
「み、見てないよな?」
「ああ、チラッとしか」
「見たのかよ⁈」
「ホットドッグは美味いよな」
「見てないのかよ⁈」
「ホットドッグのパンをチラッと」
「何の話だ?」
「パンチラだけに」
「だから見たのかって聞いてんだよ!?」
いつも通り、カツミの嘘だけど。
リオは耳まで真っ赤になってて、ますます可愛かった。
はたまた例えば、午後の授業中。
TS娘になって、初めての体育の時間。
「体育倉庫へボール片付けようぜ」
「おう」
リオは女の子になって汗の匂いも変わった。
「そういやオマエさ」
「なんだよ」
「体育倉庫シチュのエロ漫画、好きだったよな」
「ひうっ!?」
突然、リオが反射的に身構えた。
そういや駐車場で拾って見つけたエロ漫画を、サルみたいに読み浸っていたっけ。
だからきっと、昔の記憶が頭ン中にこびりついているのだろう。
「オマエ、こういうの好きだったよな」
「ゆーなって!」
「跳び箱にこう、手をついて」
「うるせぇ!!」
「マット敷こうか?」
「黙ってろよ!!」
いちいち可愛いな、コイツ……
「いや、冗談だって」
「し、信じてるからな?」
「だから何もしねぇよ」
「信じているからな⁈」
「ホントに何もしてねぇって」
チワワのように震えたリオが、真剣な眼差しで訴えた。
「ホントにホントに信じてるからな!?」
「わーってるって」
その後も、ずっとおどおどしてて可愛かった。
ちょっと登校拒否気味に学校サボったTS娘。
ここからは、リオのプライベート。
「女子の身体で学校行くの、しんどい……」
つい溜息を吐いてしまう。
「みんな興味本位で、面白半分にからかわれるし」
「オレだって女子になりたくてなったわけじゃないのに」
「それにみんなして、可愛い可愛いって……」
「そんなに言われたら、恥ずかしいじゃん!」
急にインターホンの音が鳴った。
声で分かる。カツミの声だ。
学校サボったのに、お見舞いしに来てくれたのだ。
「はーい……って、カツミ!?」
「ごめんな、からかったけど悪気ないんだ」
「お、おい……そのカッコ……!」
「これならオマエだって、恥ずかしくないだろ?」
カツミが女装して来てくれた。
同じ制服、同じソックスに同じ靴。
髪の長さも同じくらいのウィッグをつけて。
ずっと見た目を気にしてたけど。
女の子の気持ちに合わせてくれるなんて。
段々と、幼かった頃の面影が蘇る。
そういえば、いつも似た服装にしてくれたよね。
母親に着させられた恥ずかしい服も。
祖母が持ってきた古ぼったい服も。
いつだってカツミがチョイスしてくれたっけ。
そんなの……
そんなの……泣きそうになるだろ……
「みんな逢いたがってるぜ?」
「お、おう……ありがと」
明日は学校に行くよ、と指切りをして約束した。
朝の登校中。
カツミがリオを呼び出して、今は登校への道すがら。
二人とも女子制服のままである。
「昨日はありがとな、カツミ」
「どういたしまして、リオ」
そうして、いつもの日常がまた戻った。
カツミが女装を始めた。TS化した親友の恥ずかしさを軽減するために。
リオが性転換したから、親友として同じ性別に合わせたかった。
だからなんだ。そんなに大したことなんて何もない。
だって——単なる親友であり、大事な仲間だから。
「それよかさ……ユーマ、おまえ全然喋らないよな」
「む、そうか」
つい油断してしまった。俺の名は、ユーマである。
俺はいつも不器用で無口な性格だから、我ながら失念してしまう。
心の中では勝手に呟いているが、いつも声を出し忘れる性格の持ち主だ。
「それにさ、カツミはよく喋ってるけど、声はそのまんまだな」
ちょっとは反撃したかったリオが、何の気無しに揶揄ってみたようだ。
ところがカツミは、どうということもなく、突拍子もなくこう切り返した。
「ああ、そうか。声を変えてみて……ええっと、 これでどうかしら?」
「ぴぃやっ⁈」
「あら、あなたの髪が乱れているわね。手櫛で梳かしてあげましょう」
「あわ、あわあわあわわわわ……」
リオがパニクっている。そりゃそうだろう。
何故って、突然に現れた凛としたカツミの美声。当然のことながら容姿端麗と重なると、まるでお嬢様であり、お姉様のようにしか見えなかったから。
「さ、これでどう? それなりに似合うでしょう?」
「ひゃ、ひゃい……」
顔が真っ赤に染まったリオの、ヘンテコな返事が飛び出した。
いや、それよりも。カツミの声質について問いたい。問い詰めたい。なんでどうしてこうなった。
「それは……秘密です」
ならばそれは仕方ない。しかし、今も謎のままである。
さて——それにしても、だ。
俺たちは、幼い頃から男三人、いつも一緒だった。
だが今は、リオは女の子、カツミは男の娘。当たり前だが、俺は男だ。
そして俺の右側にリオが、左側にカツミがいて、二人の間に挟まれている。
このままだと今後、一体どうなってしまうのだろうか。全くも見当もつかない。
だがカツミは妖艶な流し目をしながら、優しい顔つきでほくそ笑む。
「ふふふっ……楽しい朝になりそうね」
とりあえず、本日の結果発表。
女装してるカツミがクラス全員から人気を博し、男女問わず垂涎の的と化していた。
一方、どんどんと可愛くなっていったTS娘のリオが、何かにつけてジェラシーを感じていたようで、何故か「ぐぬぬ……」って震えている。
やれやれ——困ったものだ。
とはいえ、平凡で何気ない日常を迎えたいものである。
「はい、今日は皆さんにお話があります。さあ、どうぞ入って」
と、クラス担任の女性教師が、廊下側に声を掛けた。
ドアの磨りガラスに、小さな姿の影が横切る。まだ戸惑っている様子だ。
「あら、どうしたの? 教室にどうぞ」
「あの……みんな、お久しぶり、です」
よそよそしくも教室のドアをくぐって現れたのは、頬を赤らめ遠慮がちの女の子。
絹のように滑らかな肌と細枝のように華奢な肢体。極めつけは愛らしい幼顔。白いリボンを施したツインテールに、清楚可憐な女子制服に身を包む。これはどう見ても紛れもない美少女だった。
けれど俺は、いや俺たちはみんな知っている。それは——
「オレは、いやその、私は同級生の松浦莉央だ……、です」
辿々しく言葉を詰まらせながら、自己紹介を話し始めた。
彼——いや、彼女は元々男の子。男が女の身体へと性転換していたのだ。
これは、後天性性転換感染症——通称・TS症候群だった。
なんでも令和の初頭より、新型ウイルスが蔓延し始めたのが一因だとか。
実は男性でも子宮の痕跡が残っているらしく、そこに新型ウイルスが侵入し、遺伝子を分解、新しい染色体の生成と複製を繰り返すそうで。
やがて全身の細胞が変換されるとかなんとか。これには担任の先生が簡単ながらに説明していたが、原因はまだ解明していないらしい。
とにかく二週間程度で全身の細胞が変化を開始し、約一ヶ月程度で性別が逆転、三ヶ月から半年になると骨格までも変えてしまうという、世界中をも巻き込んだ空前絶後の事態だった。
つい先月まで入院していたリオが晴れて退院し、ここ数日はお休みしていたそうで。今日は初めて女子の制服に袖を通して登校したのだ。
「はい、先生」
「なんですか、望月さん?」
手を挙げたのはリオの親友、望月克己。
いつもの愛称はカツミであり、リオの幼馴染の一人だ。
「リオはおやつに入りますか?」
「入るわけないだろ、このヤロウ!」
そうだった。コイツは生真面目な顔をしたアホだった。
昔からカツミはボケ担当、リオはツッコミ担当だった。
今の会話は省略したい。というか、もう終わりたい。
「うーん、親友として、オレだったら抱けるな」
「だっ、抱けるとか言ってんじゃねーよ、バカッ!!」
そんな悪態をつく声まで、リオはすっかり可愛くなっていた。
恥ずかしがってふるふると頭を振ると、艶やかなツインテールがサラサラと靡く。瞬く間に伸びてしまった髪の手入れは、姉にやって貰ったらしい。
「はいはい、それじゃ席に座って。今朝のホームルームを終わります」
担任の先生が手を叩く。知らぬ間に時計の針が過ぎていたためだ。
こうしていつもの敬礼が終わると、先生は粛々と教室を後にしたのだった。
さて、ホームルーム後。いつもの五分休みである。
「はぁ……しんどい」
リオは深い溜息をついた。
TS娘になってもなお、椅子に胡座をかく癖がまるで抜けない。
「スカートで胡座かくなよ」
「だってこの方が楽じゃん」
「でもさ、パンツ見えるぞ」
「ひうっ⁈」
そう告げると慌てて座り直す。
「み、見てないよな?」
「ああ、チラッとしか」
「見たのかよ⁈」
多分、カツミの嘘だけど。
リオは耳まで真っ赤になってて可愛かった。
どうやらリオの近況が変わりつつある。
例えば、昼休み。
TS娘になって、初めてのお昼ごはんの時間だ。
「女の子と昼飯食うのは初めてだぜ」
「お、女の子とかゆーな!」
「ホットドッグを大口開けて食ってるオマエって……」
「なんだよ」
「なんか……可愛いな」
「ん!?」
「可愛い」
「可愛い」
「エロ可愛い」
「え、えろってゆーな!」
こういう時に限って、リオはいつもの癖が抜けない。
うさぎのようにぴょんと跳ねれば、スカートがふわりと翻る。
「パンツ見えてるぞ」
「ひうっ⁈」
そう告げると、慌ててスカートを手で押さえつけた。
「み、見てないよな?」
「ああ、チラッとしか」
「見たのかよ⁈」
「ホットドッグは美味いよな」
「見てないのかよ⁈」
「ホットドッグのパンをチラッと」
「何の話だ?」
「パンチラだけに」
「だから見たのかって聞いてんだよ!?」
いつも通り、カツミの嘘だけど。
リオは耳まで真っ赤になってて、ますます可愛かった。
はたまた例えば、午後の授業中。
TS娘になって、初めての体育の時間。
「体育倉庫へボール片付けようぜ」
「おう」
リオは女の子になって汗の匂いも変わった。
「そういやオマエさ」
「なんだよ」
「体育倉庫シチュのエロ漫画、好きだったよな」
「ひうっ!?」
突然、リオが反射的に身構えた。
そういや駐車場で拾って見つけたエロ漫画を、サルみたいに読み浸っていたっけ。
だからきっと、昔の記憶が頭ン中にこびりついているのだろう。
「オマエ、こういうの好きだったよな」
「ゆーなって!」
「跳び箱にこう、手をついて」
「うるせぇ!!」
「マット敷こうか?」
「黙ってろよ!!」
いちいち可愛いな、コイツ……
「いや、冗談だって」
「し、信じてるからな?」
「だから何もしねぇよ」
「信じているからな⁈」
「ホントに何もしてねぇって」
チワワのように震えたリオが、真剣な眼差しで訴えた。
「ホントにホントに信じてるからな!?」
「わーってるって」
その後も、ずっとおどおどしてて可愛かった。
ちょっと登校拒否気味に学校サボったTS娘。
ここからは、リオのプライベート。
「女子の身体で学校行くの、しんどい……」
つい溜息を吐いてしまう。
「みんな興味本位で、面白半分にからかわれるし」
「オレだって女子になりたくてなったわけじゃないのに」
「それにみんなして、可愛い可愛いって……」
「そんなに言われたら、恥ずかしいじゃん!」
急にインターホンの音が鳴った。
声で分かる。カツミの声だ。
学校サボったのに、お見舞いしに来てくれたのだ。
「はーい……って、カツミ!?」
「ごめんな、からかったけど悪気ないんだ」
「お、おい……そのカッコ……!」
「これならオマエだって、恥ずかしくないだろ?」
カツミが女装して来てくれた。
同じ制服、同じソックスに同じ靴。
髪の長さも同じくらいのウィッグをつけて。
ずっと見た目を気にしてたけど。
女の子の気持ちに合わせてくれるなんて。
段々と、幼かった頃の面影が蘇る。
そういえば、いつも似た服装にしてくれたよね。
母親に着させられた恥ずかしい服も。
祖母が持ってきた古ぼったい服も。
いつだってカツミがチョイスしてくれたっけ。
そんなの……
そんなの……泣きそうになるだろ……
「みんな逢いたがってるぜ?」
「お、おう……ありがと」
明日は学校に行くよ、と指切りをして約束した。
朝の登校中。
カツミがリオを呼び出して、今は登校への道すがら。
二人とも女子制服のままである。
「昨日はありがとな、カツミ」
「どういたしまして、リオ」
そうして、いつもの日常がまた戻った。
カツミが女装を始めた。TS化した親友の恥ずかしさを軽減するために。
リオが性転換したから、親友として同じ性別に合わせたかった。
だからなんだ。そんなに大したことなんて何もない。
だって——単なる親友であり、大事な仲間だから。
「それよかさ……ユーマ、おまえ全然喋らないよな」
「む、そうか」
つい油断してしまった。俺の名は、ユーマである。
俺はいつも不器用で無口な性格だから、我ながら失念してしまう。
心の中では勝手に呟いているが、いつも声を出し忘れる性格の持ち主だ。
「それにさ、カツミはよく喋ってるけど、声はそのまんまだな」
ちょっとは反撃したかったリオが、何の気無しに揶揄ってみたようだ。
ところがカツミは、どうということもなく、突拍子もなくこう切り返した。
「ああ、そうか。声を変えてみて……ええっと、 これでどうかしら?」
「ぴぃやっ⁈」
「あら、あなたの髪が乱れているわね。手櫛で梳かしてあげましょう」
「あわ、あわあわあわわわわ……」
リオがパニクっている。そりゃそうだろう。
何故って、突然に現れた凛としたカツミの美声。当然のことながら容姿端麗と重なると、まるでお嬢様であり、お姉様のようにしか見えなかったから。
「さ、これでどう? それなりに似合うでしょう?」
「ひゃ、ひゃい……」
顔が真っ赤に染まったリオの、ヘンテコな返事が飛び出した。
いや、それよりも。カツミの声質について問いたい。問い詰めたい。なんでどうしてこうなった。
「それは……秘密です」
ならばそれは仕方ない。しかし、今も謎のままである。
さて——それにしても、だ。
俺たちは、幼い頃から男三人、いつも一緒だった。
だが今は、リオは女の子、カツミは男の娘。当たり前だが、俺は男だ。
そして俺の右側にリオが、左側にカツミがいて、二人の間に挟まれている。
このままだと今後、一体どうなってしまうのだろうか。全くも見当もつかない。
だがカツミは妖艶な流し目をしながら、優しい顔つきでほくそ笑む。
「ふふふっ……楽しい朝になりそうね」
とりあえず、本日の結果発表。
女装してるカツミがクラス全員から人気を博し、男女問わず垂涎の的と化していた。
一方、どんどんと可愛くなっていったTS娘のリオが、何かにつけてジェラシーを感じていたようで、何故か「ぐぬぬ……」って震えている。
やれやれ——困ったものだ。
とはいえ、平凡で何気ない日常を迎えたいものである。
コメント
ward8
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