俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

御曹司とコスプレの女神【4】

「でも?」

「こちらでは、日本に行かないと会えない成宮さんが、フランスに現れたんです。何もなければ勘違いと誤魔化せます。ですが明日の新城堂のソフト発売もそれに合わせた仮装パーティーのイベントも、かなり注目されているようです」

「…私が来たらご迷惑だったんですね」 

「違う!」「違います!」

「えっ?」

「新城堂にとっては、かなりのプラス要素だ。話題の芹奈が仮装パーティーに参加するんだ。ただ…」

「ただ?」

「ふらふらと歩き回るのは危険だ。空港の様子からすると、すぐに気づかれてしまう…」

「可能性は高いですね」

「あの〜」

「ん?」

「じゃあ、オフィスでの格好をしたらバレない?」

「「…確かに」」

「あっ、でも暁くんがバレるか」

「いや、俺は有名でもなんでもない」

「そうですね。日本ならまだしもフランスだったら大丈夫でしょう。長身なので目立ちはするでしょうが…」 

「明日も気をつけないとな」

「はい。打ち合わせで確認してきます」

 高級老舗ホテルのスイートルームにチェックインした暁と芹。駿は、一階下に部屋を取っている。

「それでは、一度部屋で休憩しましょう」

「ああ」「はい」

「もしお出かけになるなら、くれぐれもお気をつけ下さいね。打ち合わせが終わりましたら連絡します」

「わかった。芹行こう」

 芹の腰を抱き、エレベーターに向かう。やはりここでも視線を感じる…

 部屋に入りやっと一息つけた。日本ではマスコミに見張られ窮屈に感じたが、やっと自由に行動が出来ると思っていたフランスの方が更に窮屈だった。

 しかも、注目されているのは芹だ。フランスの地で危険な目に合わないか心配でしかたない。

「芹、少し眠らないか?」

「うん…」

 返事の声も眠そうだ。飛行機で寝たと言っても疲れは残る。寝室に入り、目を閉じた瞬間二人はあっという間に眠りについた。

 駿が、打ち合わせ前に寄ったが、全く気づかず出てくることはなかった…

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