俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

御曹司とコスプレの女神【1】

 フランスの発売イベントの出発に向け、忙しい日々が続く。

 芹は、いつもと変わらず定時までに仕事を完璧に熟し退社するが、帰宅してから衣装の製作が大詰めだ。

 自分の衣装は、暁に着て見せたものにする予定だ。そして、その衣装に合わせた暁の衣装も完成している。

 先日、試着してもらった。

「サイズはどう?」

「ああ、ぴったりだ」

「か、かっこいい…」

 寝室から着替えて出てきた暁に見惚れてしまう。普段からスーツをオーダーしているお店に芹が行き、暁のサイズでタキシードを細かくオーダーしたのだ。

「なんか照れくさいな」

「すっごく似合ってる!かっこいい!」

 芹に褒められると嬉しくなる。

「小道具も付けていい?」

「ああ」

 タキシードの上から、芹が作ったマントを羽織り、更には目元に仮面をつける。

「暁くん…かっこよすぎて…」

 自分が用意した衣装だが、実際に着てもらうと想像以上のイケメンに、胸が高鳴る。

「芹は今は着ないのか?」

「うん。当日二人で並ぶの楽しみだね。写真いっぱい撮ろうね」

 呑気な芹だが、当日は大変な事態になってしまう…

「あっ、稗田さんの衣装ももう少しで仕上がるから、仕上がったら試着をお願いしたいんだけど」

「ああ。言っておく」

 数日後、無事に駿の試着も終わった。暁は、似合いすぎていて爆笑していたが、駿は意外にもかなり気に入ったようだ。普段からこの格好にしようかと言い出している。

 衣装は万全で後は、出発を待つばかり。

 帰国後は、マスコミも新城堂の噂も落ち着くだろうと思っていた三人だった。

 出発は、フランスでの発売日の二日前の金曜の夜。仕事が終わりそのまま空港に向かう。土曜に到着、日曜がイベントの仮装パーティー当日だ。パーティーの夜にフランスを出て月曜が祝日で帰国予定になっている。名取社長からは、火曜に有給を取ればいいと言われたが、芹は出勤するつもりだ。

 金曜、仕事を終えた芹は、一度マンションに戻りシャワーを浴びた。

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