俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

新城堂の噂の女神【7】

「暁の家族は反対しないだろうが、連絡はしておけよ?」

「わかってる」

 暁の結婚が発表されたら、世間は大騒ぎになるだろう。

 しかも、今まで断れなくて参加したパーティーは、全て駿と二人で出席し、パートナーは同伴したことがない。

 パーティー会場でも、長身イケメンの暁は、他の若い招待客の男性と比べても、群を抜いて目立っているのだ。

 そんな暁が、恋人ではなく婚約者を連れて出席するとなると、大騒ぎされるのが目に見えている。

 駿は今から対策を考えねばと思う。その横では暁が真剣な顔で何かを考えている。

「まずはプロポーズだな…」呟く声が聞こえた。

「あっ、あと衣装はどうする?」

「それは芹に相談する。駿の分もお願いしておくか?」

「スーツじゃなく、コスプレとなると未知の世界だ。頼むよ」

「ああ」

 先ずは、衣装のことを相談して、さり気なく芹の好きな場所を聞き出そうと計画を立てる。

 プロポーズの場所は、人気テーマパークがいいのか、ホテルのスイートルームがいいのか…

 今から楽しみだ。

 この日帰宅した暁は、夕食の席につき話すタイミングを考えていた。

「この煮物美味しいな」
 
「そう?良かった。おかわりあるからね」

「ああ。芹?」

「ん?」視線を料理から暁に移す。

「この前のゲームソフトなんだけど」

「うん」

「来月にフランスでも発売になるんだ」

「当初の予定通りに販売出来て良かったね」

「ああ。フランスの日本のゲームやアニメ人気は凄いからな」

「みたいだね。いつもイベントでも、外国からのお客さんも多いわよ」

「声掛けられたり、誘われたりしてないか?」

「何言ってるの、外国の方はそれが挨拶みたいなもんでしょう!」

 自信満々に言う芹だが、きっと本気での誘いも気づかず流していそうだ。敢えて触れず勘違いしたままがいいと判断した。

「フランスでは発売に合わせて、コスプレパーティーが開催されるんだ」

「えっ!?楽しそう!いいなぁ」

「俺も招待されてるんだが、芹も一緒に行かないか?」

「私も行っていいの?」

 あまりの食いつきに暁が戸惑うほどだ。

「ああ。それで、相談なんだが…」

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