俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

甘々同棲生活【10】

「そうそう。芹さんが璃々好きなケーキ持って来てくれたから、お茶にしましょう」 

「わぁ〜芹ちゃんありがとう」

 芹の両隣には、暁と璃々が座りお互い牽制しあっている。

 メロンケーキと紅茶が出され、芹は初めて食べるメロンケーキにワクワクする。一ピースで小さめのホールケーキが買えそうなお値段だった。

 一口食べた瞬間、『ンッ』と思わず鼻にかかる声が出てしまう。美味しすぎてにまにましてしまうのだ。

「「か、可愛い…」」

 兄妹揃って、芹を観察してはメロメロだ。

「芹ちゃんどう?美味しいでしょう?」

「美味しすぎる〜」満面の笑みだ。

「「か、可愛い〜」」

 両親は、もう見てみぬふりをしている。

「そういえば、今日は芹さんを紹介に来てくれたのか?他にも何かあるのか?」父親が冷静に聞く。

「ああ。芹と交際しているのと、事情があって一緒に住み始めたから」

「えっ!?芹ちゃんと住んでるの?ずるい」

「そうか。俺達は反対しないが、芹さんのご両親にはお話したんだろうな?」

「いや。明日に伺う予定だ。ストーカー騒動で急に芹が自分のマンションに住めなくなったんだ」

「まあ、大変だったわね。大丈夫なの?」

「ああ、解決はした。でも、芹のマンションの場所は複数に知られている」

「そうか。芹さんをしっかり守るんだぞ。ご両親にしっかりご挨拶してこい。いつかお会いできるのを楽しみにしている」

「俺は真剣だから。遠くない」

 わが子ながら、いつからか愛想がなくなりクールと言われている。仕事も出来るが経営者としては足りないものがあった。

 人の上に立つものとして、人の気持ちに寄り添いえることも大事なのだ。カリスマ性だけでは、いつか下のものは離れていくかも知れない。

 今、暁の足りなかったものが補われようとしている。

 芹との出会いが、今後の新城堂をも左右する運命の相手…
 

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