俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

甘々同棲生活【9】

「よくわからんが、丸く収まったようだな」

「そうね。璃々が反対して揉めるかと思っていたのに、暁と芹さんの取り合いをするんだから…」

「じゃあ、待たせているから寿司をいただこう」

「芹さんたくさん食べてね」

「芹お姉様の隣に座る!」

 年齢こそ芹の方が上だが、間違いなく璃々の方がお姉さんに見える。芹の兄妹は、兄だけだ。同じ妹という立場だが、お姉さんと懐かれて嬉しくなった。しかも、芹の趣味も理解してくれている。一緒に楽しめそうだ。

 新城家に挨拶に来るまでの緊張感が嘘のようにリラックスした時間が流れる。

 璃々からは、呼び捨てで呼んでと言われたが、璃々ちゃんにしてもらった。

「璃々ちゃんと会場で顔を合わせた事あった?こんな美人さん忘れないはずなんだけど…」

「び、美人〜芹ちゃんに褒められた〜」

 芹も、様やお姉様は勘弁してほしいとちゃん付けで読んでもらう。

「いつも、こっそり見てたの。もう、恐れ多くて近寄れない!」

「「「…」」」

 普段の璃々からは考えられない謙虚さに、驚く両親と暁だった…

 目の前で板前さんが握ってくれるお寿司は最高だ。芹もついつい食べすぎてしまう。

「はぁ〜お腹いっぱい。芹ちゃんと一緒に食べるの楽しくて食べすぎた〜」

「私も、楽しいし美味しくて食べすぎました」

「満足してもらえて良かったわ」

「家族揃っての食事が久しぶりだな」

「それは、兄さんが帰って来ないからじゃない。芹ちゃん、これからは兄さんなしでいいから遊びに来てね」

「ホントね。芹さんいつでも来てちょうだい」

「はあ?俺抜きで芹が来るはずないだろ?」

「芹ちゃん、連絡先交換して。遊びに行こうよ〜」

 暁の存在は無視して話を続ける楽しそうな璃々。ブラコンで暁が女性と喋っているのを見掛けるだけで、文句を言っていた。

 璃々自身も、暁と歳が離れて出来た女の子だったので、両親が甘やかし過ぎたのかわがままに育ってしまい、仲の良い友達は少ない。

 芹のおかげで、楽しそうな天真爛漫な璃々が見れたと両親は感謝する。

 まさか、暁の妹と上手く付き合えるなんて予想もしていなかった芹だった。

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