俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

秘密の関係【6】

「もうそんな話になってるのか?」

 名取もプライベートな話に、話し方も完全プライベートモードだ。

「ああ。何か問題でも?」

「いや…俺様社長は、仕事が早いと思って…」

 思わず嫌味の一つも言ってしまう。成宮さんを捕まえると言っていたのに、気づけばどうやら付き合ってるらしいのだ。

「俺もそこまで話が進んでるとは聞いてないぞ」駿からも抗議の声が上がる。

「まさかの、ひとりで突っ走ってるだけじゃないだろうな?成宮さんの合意は得てるのか?」

「当たり前だろう」

「「…」」

 自信満々の暁だが、二人は半信半疑だ。一筋縄ではいかない成宮さんが、こんなに早く落ちるとは…

 特に駿は、週末までを知っている。暁の完全な片想いだと思っていた。一気に進展したようだ。

「で、本題だ」

「そうだな。わざわざここまで来るほどのことがあるんだろう?」

「ああ、ひとつめは芹のストーカーの話なんだが」

 マンションに押しかけて来たストーカーの話から、一緒に住む話までを名取に説明した。芹の趣味をバラさないように、話をするのは難しい。ただ、名取も何か察してくれたのかそこは深く聞かれない。

「警察に話がいってるなら、後は解決を待つしかないよな?で、まだ何かあるんだな?」

「ああ。今朝、マンションを出て車に乗り込む時に、嫌な視線を感じた」

「それは、成宮さんのストーカーとは違うのか?」

「ああ。芹がうちにいること事態知られていないのもあるが、明らかに女性の視線に感じた」

「心当たりは?」

「あるような、ないような…」名取の質問に駿が答える。

「それは…」

 新城堂の社長なのだ。クールで俺様で直接声を掛けられる存在ではないが、密かに憧れている女性は多いはずだ。

「とにかく、社内で何かあれば報告してくれ」

「わかりました」

 今までの暁では考えられない行動の数々に本気を感じる。素直に協力したいと思う。


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