俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

せいとも

急展開【5】

「お前、ここで何している」

「お前こそ、俺の芹奈ちゃんとどういう関係だ?」

「俺は芹の彼氏だ」

「「はあ?」」男と芹の声が被る。

「芹奈ちゃんも驚いてるじゃないか。嘘つくな」

「お前こそ、芹の家をどうやって知った?」

「それは…」

「芹、取りあえず警察に電話しろ」

「えっ、は、はい」

 動揺でスマホを持つ手も震えている芹をすぐにでも抱きしめたいが、男を離すわけにもいかず押さえている。

 連絡から数分で警察官がやってきた。

 男は、何をしても離してもらえず、既に力尽きて大人しくなっていた。暁が警察に引き渡す。

「連絡をくださった成宮さんは、あなたですか?」

「はい」

「どういう状況でしょうか?」

「帰ってきてマンションに入ろうと思ったら、こちらの男性に声を掛けられたんです」

「お知り合いですか?」

「知り合いというか、イベントで何度か顔を合わせてるので知ってはいますが、顔見知り程度でなぜマンションを知ってるのか…」

「君は、どうしてここへ?」

「今日、芹奈ちゃんに会いに行ったのに、この男が来て連れ去るからだろ?写真さえ撮れなかった」

「どうしてマンションを知っているんだ?」

「そ、それは…」

「はっきりと言え!」

「仲間からの情報だ」

「えっ?」

「情報ってことは、他にも知ってる者がいるのか?」

「芹奈ちゃんファンは多いから、ファンサークルでは広まっていると…」

「芹!お前、このマンションはヤバイだろう!?また、こいつみたいなのが来るかもしれないんだぞ」

「…」芹も思った以上の状況に、一気に不安になる。

「一度、署に来ていただき、詳しい話を聞かせていただけますか?この男からも事情聴取します」

「わかりました。署には私の車で向かってもいいですか?できれば、数日の荷物の用意をしてから出たいのですが」

「そうですね。女性の一人暮らしの部屋が不特定多数に知られているのは怖いですね。お待ちしてますので、後から来て下さい」

「わかりました」



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