貧乏令嬢は公爵様に溺愛される
第7話 恋愛とか①
そしてしばらくして、アルノ―家にコラリー様の結婚相手のセザール様から、家を訪ねたいという話があった。
「どうしましょう、アンジェ。セザール様がいらっしゃるなんて。」
「落ち着きましょう、コラリー様。」
そうは言ったものの、私も興奮している。
だって、コラリー様の結婚相手は、公爵様。
私だって貧乏じゃなければ、会えたかもしれない人だもん。
ああ、どんな人なんだろう。
「日程は……明日ですって。」
「きっと思い立ったら、素早い人なんですよ。」
明日か。
「そうだわ、アンジェ。紅茶のスペシャルブレンド。思いついた?」
「はい!今から早速、お淹れしましょうか?」
「うんうん。楽しみだわ。」
まるで姉妹のように、私とコラリー様は、キャピキャピ言っていた。
「こらこら、アンジェリク嬢。いつも言っているでしょう。コラリー様の前では、お控えなさいと。」
どこからか、エリクが現れる。
エリクはオラース様の従事なのに、何でコラリー様の元まで来るのかしら。
おかげで私はいつも、お叱りを受けてばっかり。
もうエリクは、意地悪なんだから。
「コラリー様も、結婚相手がいらっしゃるのであれば、ダンスの練習をしませんと。」
「ダンス!セザール様と踊るの?」
「そうですよ。恥をかかないように、今から練習ですね。」
シュンとなるコラリー様を見て、私は知ってしまった。
「コラリー様、もしや……ダンスがお得意ではない?」
「そのもしやよ。いつも男性の足を踏んでしまうの。」
「まあ。」
ダンスあるあるね。
まだ相手のダンスに、付いていけてないんだわ。
「そうだわ。私が、お教えしましょうか。」
「アンジェが?もしかして得意なの?」
「はい。先生にも褒められました。」
「さすがね、アンジェ。」
コラリー様にお褒め頂くと、嬉しくなる。
紅茶の件はついていけなかったけれど、せめてダンスはリードしなくっちゃ。
早速、エリクがダンスの先生を、部屋に連れて来た。
「はい、アン、ドゥ、トロワ!アン、ドゥ、トロワ!」
先生は基本的なステップばかりを教える。
「先生。私、明日踊らないといけないのに、これで間に合いますか?」
たまりかねたコラリー様が、先生に尋ねる。
「基本もできていないのに、できる訳がない。はい、アン、ドゥ、トロワ!」
そしてため息をつくコラリー様。
私は口パクで、”頑張ってください!”と叫ぶ。
「そうだわ。アンジェ、見てるだけではつまらないでしょ。一緒に練習しましょうよ。」
「えっ……」
急に腕を引かれ、私はコラリー様の横に立たされた。
「では、アンジェリクさん。あなたも一緒に、アン、ドゥ、トロワ!アン、ドゥ、トロワ!」
私は見様見真似で踊ったが、基本的な事は実家で身に着けてきた。
一緒に踊ると、コラリー様の踊りが変な事に気づく。
「アンジェリクさんと一緒に踊ると、お嬢様の踊りが無様に見えますね。」
「ぶ、無様って……アンジェ、何とかしてよ。」
「何とかしてと仰られても……そうですね、もっと芯を真っすぐにされた方が……」
「できるんだったら、最初からやってるわ。」
機嫌を損なわれたのか、コラリー様はツンとしている。
「そう不機嫌にならずに、もう一度踊ってみましょう。」
「分かったわよ。」
そしてコラリー様が身体を真っすぐにしながら踊るのだけど、今度は足がもつれる。
足に意識すると、上半身が崩れる。
それの繰り返しだった。
ああ。これじゃあ、明日セザール様がいらっしゃっても、上手く踊れるかどうか。
その時、ドアの奥からクスクスと笑い声が聞こえた。
「そんな場所で、笑ってるんじゃないわよ。オラース。」
「ごめん、ごめん。あまりにも姉さんがダンス下手だから。」
そしてオラース様は、ドアを開けて部屋の中に入って来た。
いつ見ても、綺麗な金髪だ。
「それに比べて、アンジェは踊りが上手だね。」
見られていたと思うと、私の顔は赤くなった。
「大体ね、こういうのは相手がいると、上達するものだよ。」
そう言ってオラース様は、コラリー様の手を取ると、急に踊りだした。
「ほら、胸を張って。その方が綺麗だよ。」
「こ、こう?」
すっかり踊らされているコラリー様も、満更ではない。
いつの間にかコラリー様は、綺麗なスタイルで踊れるようになっていた。
「ほら、できるようになったでしょ。」
「すごいわ、オラース!」
あの不機嫌だったコラリー様も、絶賛だ。
「あーあ。セザール様も、オラースのようにリードが上手い人だといいなぁ。」
「まあ、女性を綺麗に踊らせるのが、男性の役目って言えば役目だけどね。」
オラース様が言うと、クラッとくる。
男性は皆、こういうものなの?
それとも、オラース様が特別なの?
分からないわ。
「そうだ。アンジェ、一緒に踊ってみる?」
「えっ……」
「アンジェリク嬢、私と一緒に踊って下さい。」
あのオラース様が、私に片膝を着いている。
「あの……」
「なに?」
私みたいな貧乏令嬢、オラース様と踊っていいの?
「どうしましょう、アンジェ。セザール様がいらっしゃるなんて。」
「落ち着きましょう、コラリー様。」
そうは言ったものの、私も興奮している。
だって、コラリー様の結婚相手は、公爵様。
私だって貧乏じゃなければ、会えたかもしれない人だもん。
ああ、どんな人なんだろう。
「日程は……明日ですって。」
「きっと思い立ったら、素早い人なんですよ。」
明日か。
「そうだわ、アンジェ。紅茶のスペシャルブレンド。思いついた?」
「はい!今から早速、お淹れしましょうか?」
「うんうん。楽しみだわ。」
まるで姉妹のように、私とコラリー様は、キャピキャピ言っていた。
「こらこら、アンジェリク嬢。いつも言っているでしょう。コラリー様の前では、お控えなさいと。」
どこからか、エリクが現れる。
エリクはオラース様の従事なのに、何でコラリー様の元まで来るのかしら。
おかげで私はいつも、お叱りを受けてばっかり。
もうエリクは、意地悪なんだから。
「コラリー様も、結婚相手がいらっしゃるのであれば、ダンスの練習をしませんと。」
「ダンス!セザール様と踊るの?」
「そうですよ。恥をかかないように、今から練習ですね。」
シュンとなるコラリー様を見て、私は知ってしまった。
「コラリー様、もしや……ダンスがお得意ではない?」
「そのもしやよ。いつも男性の足を踏んでしまうの。」
「まあ。」
ダンスあるあるね。
まだ相手のダンスに、付いていけてないんだわ。
「そうだわ。私が、お教えしましょうか。」
「アンジェが?もしかして得意なの?」
「はい。先生にも褒められました。」
「さすがね、アンジェ。」
コラリー様にお褒め頂くと、嬉しくなる。
紅茶の件はついていけなかったけれど、せめてダンスはリードしなくっちゃ。
早速、エリクがダンスの先生を、部屋に連れて来た。
「はい、アン、ドゥ、トロワ!アン、ドゥ、トロワ!」
先生は基本的なステップばかりを教える。
「先生。私、明日踊らないといけないのに、これで間に合いますか?」
たまりかねたコラリー様が、先生に尋ねる。
「基本もできていないのに、できる訳がない。はい、アン、ドゥ、トロワ!」
そしてため息をつくコラリー様。
私は口パクで、”頑張ってください!”と叫ぶ。
「そうだわ。アンジェ、見てるだけではつまらないでしょ。一緒に練習しましょうよ。」
「えっ……」
急に腕を引かれ、私はコラリー様の横に立たされた。
「では、アンジェリクさん。あなたも一緒に、アン、ドゥ、トロワ!アン、ドゥ、トロワ!」
私は見様見真似で踊ったが、基本的な事は実家で身に着けてきた。
一緒に踊ると、コラリー様の踊りが変な事に気づく。
「アンジェリクさんと一緒に踊ると、お嬢様の踊りが無様に見えますね。」
「ぶ、無様って……アンジェ、何とかしてよ。」
「何とかしてと仰られても……そうですね、もっと芯を真っすぐにされた方が……」
「できるんだったら、最初からやってるわ。」
機嫌を損なわれたのか、コラリー様はツンとしている。
「そう不機嫌にならずに、もう一度踊ってみましょう。」
「分かったわよ。」
そしてコラリー様が身体を真っすぐにしながら踊るのだけど、今度は足がもつれる。
足に意識すると、上半身が崩れる。
それの繰り返しだった。
ああ。これじゃあ、明日セザール様がいらっしゃっても、上手く踊れるかどうか。
その時、ドアの奥からクスクスと笑い声が聞こえた。
「そんな場所で、笑ってるんじゃないわよ。オラース。」
「ごめん、ごめん。あまりにも姉さんがダンス下手だから。」
そしてオラース様は、ドアを開けて部屋の中に入って来た。
いつ見ても、綺麗な金髪だ。
「それに比べて、アンジェは踊りが上手だね。」
見られていたと思うと、私の顔は赤くなった。
「大体ね、こういうのは相手がいると、上達するものだよ。」
そう言ってオラース様は、コラリー様の手を取ると、急に踊りだした。
「ほら、胸を張って。その方が綺麗だよ。」
「こ、こう?」
すっかり踊らされているコラリー様も、満更ではない。
いつの間にかコラリー様は、綺麗なスタイルで踊れるようになっていた。
「ほら、できるようになったでしょ。」
「すごいわ、オラース!」
あの不機嫌だったコラリー様も、絶賛だ。
「あーあ。セザール様も、オラースのようにリードが上手い人だといいなぁ。」
「まあ、女性を綺麗に踊らせるのが、男性の役目って言えば役目だけどね。」
オラース様が言うと、クラッとくる。
男性は皆、こういうものなの?
それとも、オラース様が特別なの?
分からないわ。
「そうだ。アンジェ、一緒に踊ってみる?」
「えっ……」
「アンジェリク嬢、私と一緒に踊って下さい。」
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