TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、新学期早々面倒事を託される

朝に響く起床コール。
まだ怠惰に浸る紫雨音は布団という沼にずっぽりハマり抜ける様子は見えなかった。
「遅刻しますよ?紫雨音」
高見から見下す姿勢の女神、紫雨音は話を聞かずに寝がえりを打つ
「んー、まだ夏休みだろ……」
「起きないとまた、紫雨音には制限を課しますよ?」
しびれを切らした女神が、どこから出したか手に杖を握りながら構える。薄眼で見ていた紫雨音は焦って布団を跳ねのけた
「はい!起きた、起きたから」
「惜しかったです。こういうのは先に行って示すべきでした」
「宣言せずにやりゃいいのに。抑止力の啓示ならなぁ~、だってお前ら宣言なしに勝手に災害とか起こすだろ」
「心外ですね。みなの信仰が薄いからチャンネルが合わないだけですよ?それと私は構いませんが、紫雨音もしかして表面上では批判的ですが気に入ってましたか?」
かぁーっと赤面する紫雨音。
「なわけねぇーだろ!とりあえずとった支度するから出てけ!!」
枕を投げとばす紫雨音、しかし枕は紫雨音の頭に落ちてくる。
「いでぇ!」
着替えてランドセルを下ろしてきた紫雨音は席に着いた
「ん、いただきます」
「はい、感謝ですよ?」
食事を終えバタバタと家を出ていく紫雨音。
「しっかり前を見ないとこけますよ?って遅かったですね」
紫雨音がゴロゴロと転がる
「先言えよ!!いってくる」
集合場所にはみんな揃っていた。
「おぅ、ちょうどみんな揃ったな!行くか」
ちろっとみると四宮が見てきた。
「わかってるて。男同士の約束だろ」
親指を立てると向こうも恥ずかしながら向けてきた。
「お、万年先輩と四宮先輩はいつの間に深い中に?」
「な、なわけないだろ。ちょっと相談があっただけだ」
「だな。ってかしゅりは言わずとも知ってるだろ」
「あ、あぁ上野目は無駄に聡いからな……」
しゅりに対する印象は同じようだ。
「我にかかればプライバシーなぞ無いからな」
絶妙に気になる話題も相まって気づけば学校に着いていた
「しゅりとは後で話し合う必要があるな」
「そんな、先輩の秘密もばらしちゃいましゅゆ…」
「「噛むなよ」」
下駄箱まで進むと見慣れない先生が居た。
「着任式やってなかったしわかんねぇーわな」
きょろきょろして肩を落とす新任らしい人をほかって教室に向かった。
教室は相変わらずワイワイしていた。
「あー紫雨音ちゃんおはよー」
「おっす姫」
「昨日楽しかったね」
三人で昨日について談話していると先生と新任らしい人が来た。
「おーいちょっと早いが席ついてくれー」
先生の声でみんな席に着き始める
「勘のいいみんなならわかるが転校生だ!!!」
バーンと言い放つ先生にみんな黙り込む
なにより転校生と言われた本人が固まっていた
「たっく、お前ら反応薄いな。英語のアシスタントラングエッジ?ティーチャーってやつだ」
「ランゲージだろあほだなあの先生」
「万年あとで職員室な」
「えーさっき言った通り外国語指導助手という、英語の先生だ。っても保健室と兼任らしい。どんな異例だよって突っ込み入れたくなるのはわかるが。あ?わからない?私も知らねぇよ。まぁうちのクラスの副担任とでも思え。あの岩窟ジジィが言ってんだ、下っ端は従うばかりさ」
長々と後半、愚痴をこぼした先生はすっきりして、新任元いい副担任に話を振った
「では先生どうぞ。まぁこいつら小学生なんで日本語でいいですよ」
「はい、ではご紹介に預かりました?では改めまして癒野いやしの ・イグドッテル・エイル。日本ですと名前がエイルですね?たしかこうだったような?」
『工T1レ』と黒板に書かれた。周りはざわめく
「おっと、エイル先生。こうしてこうして、それでこう書けばいいんですよ」
「ありがとうございました。では皆さんよろしくお願いします」
なんとも愚だ愚だした始まりにみんなは困惑を隠せない。
「まぁ質問でもしとけ。わたしは出席簿忘れたから取ってくる」
担任が消えオロオロしだすエイル先生
「ここはひとつ。せんせー彼女いますか?」
誰もが聞く質問、だが盛大にミスった
「彼女?もしかして恋人ですか?いませんよ」
ミスったが先生の間抜けぶりに助けられた。
「先生って何歳ですか!」
紫雨音を皮切りにみんなが質問を始めた
「そうですね2お────────あれ?2お────あ!確か28歳です?思い出しました」
「なんだこいつ」
「先生ってどこに住んでますか!!」
「仮設テントの医療施設に居ました。あ、でも子供が沢山いたので私は教育も学びましたよ」
「先生の国ってどんなところですか?」
「そうですね。父が偉大な存在であり、また優しいものであった。そんな良さが出ているところでしたよ?一回滅びましたが」
まるで人生を語るように肩を落とすエイル先生にみんな唖然としていた
「●連邦のとこか?それとも●●系の共和国か???」
「えっと、先生は好きな食べ物とかありますか?」
「そうですね、私たちは常に木の実を食べてましたね」
「先生ってどうして先生になろうと思ったんですか?」
「私は沢山の姉妹に知恵を与えていました。その為、癖ですか?教えることが楽しくなっていたのです」
ガラガラと扉があき先生が戻ってきた.
「おっ、エイル先生もクラスに馴染んできたみたいだな」
「えぇ、優しい子ばかりです。私はまだなれていませんが」
「お、ならいいわ。んで、今日はお前らメンドクサイじゃない。重要な課題をやってもらう」
エイル先生と半々にしたプリントを配りだした
「エイル先生はそっちの席のほうを頼みますね」
「はい、わかりました。えっと1、2」
プリントが回され手元に来たみんなは本日最高の困惑を浮かべた
「ネットにおける意識改革?また高学年の社会だろ」
「万年、あきらめろ。それは全学年だぞ……まぁいうなら学年ごとに柔らかくしてやるからなぁ」
「まぁならいいと思うが、それでもなぁ。やりたくねぇ」
「ぶつぶつ言うなー、先生もこういうの嫌いだが!やりのけたぞ」
先生が黒板に「たくさんの人がいても同じ人は一人しかいない」と書き始めた。
「まぁプリントにもあるが昨今増え続ける自分たちと違う人種への無意識的差別、解釈違いや、ってわかんねぇわな。わかりやすくいうと、みんな同じ人間だ!だから仲よくしよう!だ」
どれだけ説明しても釈然としないみんなに先生はエイル先生に投げた
「あ、ちょうどいい。エイル先生から見た日本人ってどんな感じですか?」
「そうですね。熱血に入りやすくて、一途で、優しく、謙虚で、そして種族意識が高いと思います」
「と、ヨーロッパの方は思っている。これも一例にすぎんがな」
ながながと語った後、急に紫雨音に振る先生。新学期早々から平常運転のようだ
「ってことで万年!あとはたのんだ」
「俺かよ!まぁなんだ。まずは先入観かもな。俺なら一見は同じ人だが外国人と言われるだけで言い知れない興味が湧く。たとえば何で寒い地域にずっと住んでるんだろう?なんでこんなもん食べるんだとかな?」
「まぁ今のは一例だな。他は何を思う?」
「あとは地域によるが、治安悪かったりとか紛争してたり。そもそも国の体制が違ったりもするからな」
「じゃぁ例えば今、そんな地域の人が居たらどう思う?突然教室に来たら」
「そりゃビビる。ってか怖いな」
「なんでだ?子供だぞ、なんなら女の子で万年、お前が押したら倒れて泣いてしまうかもしれない。それでも怖いか?」
「そりゃ違うぞ?ってか軍人のイメージだったんだが」
「はいきたー!それだよ。お前ら最近なんかあるたび『●●人だぁー』とかいったりするだろ?子供に教えにくいから崩すの面倒で遠回りしたが、その意識だ。日常でも許されない発言だが、SNSをはじめ、その国でそういうことがあったから等の関連付けで。気軽に『●●人』という」
黒板に書いた「たくさんの人がいても同じ人は一人しかいない」の下に「悪いのは行ったものであり、その行為に民族的要因は見られない」と書いた
「まぁ難しいだろうな。だが知ってほしい。最近みんなが扱うSNSにはそれがちりばめられている。もちろん記者が読者を増やすために敢えて過激的や着色、脱色して伝える事だってある」
「紫雨音ちゃん、よくわかる?」
「いや分からん。先生の目を見たらわかるが……先生も迷走しているな」
「あ、そうだ。日常生活、そうだよ!!日常生活に置き換えるんだ」
ポンと手を叩く先生
「悪口言われると嫌だろ?それに言われる原因が日本人だからなってもっと嫌だろ。だが普段はみんな言わない、思っても出ない。なぜかというと顔が見えているから、自分もそう思われると思うから」
「ならっ!ネットはなぜ嫌なことが蔓延るか分かるか?それは顔が見えないからだ。なぜ●●人と決めつける?容姿、言語、しゃべり方がわからない。だから決めつけて、そうなんだと思い込む」
「そうだな、まぁ年齢的にSNSなんて使っている奴いないだろうが、小学生だろうが何か問題があれば事件になる。みんなが被る被害は少ないが……いや、普通に住所とかバレたりするから危険か。基本は法定代理人だから保護者が背負うことになるな」
「もうそういった発言をネットでしてしまった人は削除しろ。普通に使っている奴も保護者の目が届く範囲で、そうだな人に見せて恥ずかしくない発言をしろ!!」
「なんで俺を見るんだよ。俺はブログとか掲示板とかしか触ってねぇぞ」
「んじゃ、いいな。まぁーみんな気をつけろって話だ。加害者にはなるな!んじゃ今回言った事で理解したことと気を付けるべき点をプリントに書いてけー。わからん点があったら私とエイル先生に聞けよ」
紫雨音はプリントに適当なことを書き落書きをして遊んでいた
「紫雨音ちゃんしっかり書いた?姫はおばあちゃんがいんたねーっと分からないから難しいっていわれるし、悪口言わないから白紙で出す!」
「ん?書いたよ。ってか白紙はまずいだろ。なんか書かないとあそこの鬼に食われるぞ」
「う、うん書くよ。でもなんてかくの?」
「そうだな理解したことは、匿名だからといい気軽に発言するのはよくないと感じた。と気を付けることは、今後始めるときは常に見られているという意識を忘れずに行いたいと思いますじゃね?」
「じゃーそれにしよ。ちょっともう一回言って」
「おうよ」
姫と紫雨音が奮闘しているのを美乃は楽しそうに見ていた
「やった!終わったよ」
「ようやくだなぁ……」
終了と同時にチャイムがなり、授業の終わりが見えた
「最悪空白でもいいぞ。次は国語の好きなもの紹介の内容決めだ。なんか考えとけよ」


「次の授業めんどくさそうだなー、俺はゲームとかかな」
「なら私は紫雨音ちゃんにしようかな!」
姫が抱き着いてくる
「お、おいやめろって。美乃もなんか言えよー」
「私も姫ちゃんにならって姫ちゃんと紫雨音ちゃんの事でも書こうかな」
「おまえらー、物だから物体だぞー」
「そしたら、私はなんだろ」
「確かに好きなものと言われますと困りますね」
「だーかーらー!俺を見るなよ!書かせねぇーぞ」
「3人はオトモダチですか?沢山話していましたが」
「お、エイル先生じゃん。まぁー二人は友達だな」
「ふーん、珍しいですね。神の子が、いえ。あなたたちはなにか困っているようですが先生に手伝えますか」
「あー!なら好きなものって話をするってプレゼントテーション?に」
「姫ちゃんまとめれてないよ?つまりですね、好きなものに何を挙げるのかで迷っているのです」
「そうですね、好きなもの。先生なら姉妹のことやビョーキのない世界を選択します」
「ほら、人でもいいんじゃないの?」
「いや、まぁなんつーかハズイじゃんか」
「恥ずべきことは無くならないですよ。だから頑張ってくださいね」
よくわからない謎励ましを送ってくるエイル先生。遂に紫雨音も折れた
「わかったよ、書けばいいよ。ひぇー、クラス内での発表でもだいぶなぁ」
そのあとしばらくエイル先生を含め雑談をしていた。
「でー、そんとき姫が~でな~って」
「紫雨音ちゃんはね~で、~で」
「私も昔、3人ににた姉妹が居たのでわかりますよ」
「そういや、エイル先生って姉妹何人いたんだ?」
「私が戦場に出るときには30人を超えていました」
「たくさんいたんだね!へぇー私一人っ子だから想像つかないよ」
「30ってまじかよ。なんか闇がふかそうだから聞かないでおくよ」
「そうですよね、今より遠い昔ですから」
「あんたアニメ見て日本来ただろ」
「あにめ?そうですね、ゴーレムとかのルーンですよね?詳しくないですが今もあるのですか?」
「いや、御伽噺。ってわかるか?イマジナリーストーリー?ゴッドストーリー?の話だ」
「伝わりますよ。言語理解は嗜みですので」
「アニメとか伝わらないのは造語みたなもんだからか?」
「エイル先生は、その恋愛とかしたことはあるんですか?」
「なんだ、美乃はそういうの気になるのかー?意外と乙女チックだな」
「恋愛相談は良く貰ってました!でも恋はないですね。愛ならありますよ?私は生命を愛しています、例えそれが親の仇でも」
「医療ドラマの見過ぎなのか?」
紫雨音の冷静な突っ込みは華麗にスルーされ話が進んでいく
「あ!ならどんな相談があったのか聞きたい!」
「そうですね、私も気になります」
「日本にも階級ってありますよね?階級違いの恋愛をしようとして涙を流した話や、夫を殺して自害してしまった話。沢山聞いてきたり実際に解決もしてきましたよ」
「昼どらの世界かな???????」
「生々しいですね、でも気になります。大人の恋愛を知れば私も一歩」
「女の子同士もあるの?」
「えぇ、それはもう沢山ありましたよ」
「俺は少し席外すわ。エイル先生、俺の席に座っていいですよ」
先生に席を明け渡し、廊下に出た。日陰の廊下は涼む人が多いせいか微妙に生ぬるかった
「夏だってのに熱くなるような話はするなよ」
襟首をもって服の間に風を取り込んでると見かけない上級生にぶつかった
「いってぇぇぇ、なんだ?」
「あら、大丈夫でして?」
ゴスロリ、ろりがしているからそうは言わないか?と真剣に悩んでいる紫雨音に手が伸びる
「おっと、すまない」
いかにも令嬢といった女の手を借り立ち上がった
「あー!欠星様に庶民が触れてる!赤沼様、こちらハンカチです」
後ろから手下3名が現れる。スクールカーストであろうか
「いいえ、大丈夫です。私からぶつかってしまいましたの。ほら、北上きたうえ 謝りなさい」
「それは失礼しました。さっきはごめんなさい」
「あ、いやその?まぁいいけど」
「まぁ、ありがとうございます!この子毎回勘違いで揉めちゃうのよ。よろしければお名前を」
「万年紫雨音、2年生です」
「私は欠星かけほし 兎乃とのり よ。6年だからあまり会わないでしょうけどお見知りおきを」
そのまま行ってしまった。
渡り廊下から人のいない中庭を眺めていると、上野目しゅりが現れた
「先輩?こんなところでボッチと見受けた、あ、あれ?おかしいですね」
「ん?何がだ」
「いえ、いつもより輝いて見えるので」
「汗だろ、ってかこんなとこで何してんだー」
「あ、はい。職員室に呼ばれてましてね。我を召喚した教員のマナは凄まじかったです」
「なにしたんだ、まったく」
「それがですね!音楽室に出ると噂の弁当・Benさんを捕獲するべく勝手に鍵を持ち出したんですよ」
アノぐりぐりはもうやだと頭を押さえながら説明するしゅり
「そりゃお前が悪いだろ。それとベートーベンな?どこの弁当好きな外国人だよ」
「そうですか、それと先輩」
ちょいちょいと耳を貸せの仕草を取るしゅり
「なんだ?急に叫んだら俺、ひっくり返るぞ」
「いいニュースと悪いニュース。どっちがいいですか?」
「んだよ唐突に、んじゃ悪い方から聞こうか」
待ってました!と言わんばかり中庭の時計を指さすしゅり
「実はですね、もう授業始まってます!」
今世紀最大の冷や汗と無理やり作った笑顔。
「そんな顔してる場合か!!しゅり!急いで教室に戻るぞ」
「いいニュースは聞かなくていいんですか?このさい怒られるのには代わり在りませんよ」
「ぐっそんな可愛い顔で詰められたって怯まんぞ」
「いいニュースは、先輩と一緒に怒られるので怖さ半減です」
「いまなんてった?」
「えぇですから先輩は我の眷属ですから」
「なんか話が見えてきたぞ、しゅりぃ!一緒に計画した人を連れてくるって言って抜けたきりだろ」
「名推理ですよ、先輩!それともう一つ、私にとってのいいニュースですが怒られるのは先輩一人で済みそうですね」
にっこり笑うと疾風のごとく去っていった
「結局何がしたかったんだ?」
そのまま校舎のほうへ引き返すと担任が鬼の形相で走り去っていった
「アブねぇ、これがしゅりのいってたやつか。まぁ俺にかかればこれくらいの……」
その担任を追うように後ろからエイル先生が来た
「はぁ、はぁ、待ってくださいよ~ってあれ?確かあなたは」
「頼む、エイル先生!体調崩して保健室で寝てたって話を通してくれないか?」
「なぜですか?授業に遅れたのであれば素直に申し開きをすれば先生も許してくれますよ」
「いや、そのなんというか。ちょっとやっかいで」
「わかりました。ではもう一度言ってください。そうしたらうまく運びますよ」
「あれだ!保健室で寝てたってことにしてくれ」
「えらいです。ではその偽りにあった罰を受けてもらいますよ!」
にっこり笑っているエイル先生の後ろからどす黒いオーラが出始める
「エイル先生、ナイスだ。よーし万年、たっぷり絞ってやるからな」
正確には後ろの鬼から発せられたものだった
「そんな~」
職員室に連行される紫雨音を他所にエイル先生は階段の方へ向かっていった
「酒肴先生、好きなものをはっぴょうする国語の授業を手伝えばいいですよね」
「そうですね、各自にプリントは配ったんで。行き詰ってる子が居たら教えてあげてください」
業務連絡をぱっと済ませると職員室に放り込まれた。中は微かにコーヒーの香りが漂っていて、人が少なかった。
「で、下級生を誑かしてヴェートーエンか?を除霊させようとしたのは万年か?一年の鵲落かささぎおとし 先生が泣いてたぞ」
「いや、おおかた状況把握済んでるのに俺を態々呼び出すってか連れてくる意味があるのか?」
「いや、ない。わけでもない。上野目知ってるだろ?最近行動が激化してきて手に負えんって報告ってかあれにあがってきててな、その中にやたらお前の名前も出てくるんだよ」
「はぁー、しゅりさんや。なぜ俺を」
「まぁなんだ実行犯とは別に計画犯がいてとかヤヤコシクなってきてるし、事実おまえだってこまるだろ?」
「楽しけりゃ別にいいとは思うけど、思いますけど」
「そういうところだけ子供らしさを出すな。まったくリスク管理しろよな、おまえが言い出さなければズット、それこそ他の変わり身ができるまで罪逃れの材料にされるぞ」
「そんな簡単な話で済むなら先生が注意をすれば終わるだろ」
「ふてくされるなよ、先生だってなんかいか相談に乗ったりしたが。あの子には”私たちの言葉を信用する気がない”」
「つまり、当の本人が拒否らない限り諦めないってか。でもよ、仮に俺がそれを突っぱねたとする。そしたら誰かほかの人がそれを被ることにならないの……ならないんですか?」
「それは、自分一人の犠牲ですむなら現状維持を望むってことか?」
「いや、そういうわけじゃないですけど。ただしゅりは、周りへのアプローチの仕方を間違えて迷走しているだけかもしれないんですよ。そこで拒絶したらどうなるかってのも」
「なんだ、わかってるじゃないか。遠回りな道しか引けないんでな。まぁそういうことだ、友人間や上下間に下手に大人が踏み入っても意味がないからな」
「やれる範囲はがんばるよ。小難しい事しか並べられない大人が単純で明快を好む子供を納得させるのは無理があると思うしな」
「ほんとすまないなー、ほんとは授業終わりとか残して話したかったが。授業をさぼってるような悪い奴が残るとも限らないし」
「んだよー、今回の事を請け負うからチャラってなんねぇーのかよ」
「無駄に聡い万年に一つ教えてやろう。敬語を使って自身より格のあるものを敬え。だれが嬉しくて子供にため口で話されないといけないんだぁぁ!!」
「酒肴先生!職員室ではお静かに。怒鳴るのも禁止ですよ」
先生の咆哮に教頭先生が叱責をいれた
「あ、すいません」
「先生どんまい!ほら、教室に戻りましょうか。怒られた先生」
「こういう時はタメで慰めてくれても良かったんだぞ……よくモンペの電話に怒鳴り返したりしているせいで教頭が冷たいんだ……うぅ」
「親と口論するってあんたの方がよっぽど子供だぞ」
なんかまた先生の策略に嵌められたのでは?と疑問を抱きつつ教室へ戻っていった。











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