TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、夏を楽しむ7

朝、鳥の声で目が覚めた。
「ひゃー、やっぱ水泳の後のサッパリ感と来たら。でも体はダルいな……」
脳だけフル回転してるまま下に降りた。
「ん、おはよー」
「おはようございます!」
「朝からやけに元気だな」
「今日は特売です!セールですよ?」
「お、おう……でよ、どこに行くんだ?」
「大型の家電量販店分かるでしょ?」
「あー、前買った」
「そうです、そこの隣にもう1つ大きなお店があるんですよ」
「近所のスーパーよりも安くなるかもなのですよ!」
「そこはまぁあれだが。ついて行くぞ」
「今夜は何がいいですか?」
「お前の作る料理ならなんでも美味いからな、迷う」
「それは喜ばらしい」
「んー、迷うぞ……何がいいかな。あっ!生姜焼き!」
「いいですね。では、まだお店が空くまで時間があるのでご飯でも食べて居てください」
朝飯を食べ終わり少しくつろいでいた
「んー、微妙な時間……」
ダラダラとニュースを見ていた。
『───未明───県───で────の───』
「ひぇー、殺人事件か怖いな。近所やん」
『犯人はいまだ逃走中との事です』
「うわー、これ絶対に巻き込まれるわ。フラグたてとこ」
なんだかんだダラダラしてると時間が来たようだ。
見るからに雰囲気の変わってる女神。
「何故革ジャン?」
「気合いを入れないと行けないのですよ?」
「ですよ?じゃねぇーよ」
「ほら、この格好なら皆さん跪きますよ」
「あぁ、別の意味でな。いつのスケバンだオラァ!!!」
「ほら、紫雨音!遊んでる時間は無いですよ!行かないと」
「あ、あぁ」
女神に手を引かれたまま家を出た。
「ほら、車乗って」
助手席に乗り込みシートベルトをしたと同士に走り出した。
「お、おーい!」
警察に捕まるぎりぎり、いや捕まるだろという速度で
「お!ま!え!は!あほか!!!」
「アホではありせんよ?」
無論警察が見逃すはずはない。ただ女神がなにかしたのか怒られて終わった。
「お前……何したんだ」
「いえ、セールの需要性を伝えました。それと車ではないと、馬車だと言いましたよ?馬車を取仕切る法律がないからとりあえず安全にと怒られました」
「当たり前だろアホが。ってか馬車で納得したの?警察が」
「えぇ、認識をズラすなんて序の口ですよ」
「お、おう……」
「まぁ見ててください。安全運転しますので」


「ハァハァ……死ぬかと思った」
「どうしてですか?」
「馬鹿野郎!煽られたからってアレはやりすぎだろ!」
「はぁ……ではどうすればいいのでしょうか?車を真っ二つにするのがダメなら三枚おろしですか?」
「煽られたら証拠を撮って警察に行け!!」
「はぁ……もっと早く言うべきです」
「常識を知れ!」
「はいはい、紫雨音の言うことは耳に刺さります。もう少し自粛を」
「だぁ!」
「さて、着きましたよ」
ゲートをくぐって立体駐車場の中へと進入していく。
あろう事か頭から駐車場に突っ込んだ女神。
「おい、頭向きからの駐車は基本ダメだろ!」
「急ぎの用事ですよ?ほら!」
手を引かれ店内へ連れ込まれた。
「1階です、ほら早く」
「ん、あぁ……」
朝9時過ぎとは思えない程の客で賑わっていた。
「ありました!これですよ!」
g円の物が100円以上200円未満100円という前代未聞の特売をしていた。
女神が沢山の群れに入り込むと少し隙間が出来ていた。
みんな寄りたくないよな……サングラスも追加されてるし
「紫雨音!皆さんが譲ってくれましたよ?やはりこの服で正解なのでは」
「あーうんすごいすごい」
「次はあれですよ」
また連れ回された。
「さて、お会計に行きますよ」
「あぁ……どう考えても2人分じゃねぇだろ……」
カートの上と下に乗ったカゴはパンパンだった。
「並んでますね」
「セルフ行くか」
「?」
セルフの列に並んだ。レジの代数的にセルフの方が回転がいいからだ。
「紫雨音、あれはなんですか?」
「自分でレジをするんだ」
「なるほどです、ピッ!ってヤツを自分でやるんですか!」
「はしゃぐなこっちが恥ずいわ」
大人がコスプレをしてぴょんぴょんしてる、それと女神の美貌あってかただえさえ人目に付くのに今やスマホを取り出す人が居る始末
「はぁ……ダメだこりゃ」
順番が来たようだ。係員が空いているレジに誘導をする。
「こちらです」
女神はさっきの事で恥をかいたからか少し大人しかったがまだ好奇心を抑えられないようだ。
「えっとまず、エコバックあるか?」
「ありますよ?」
スっとエコバックを渡してきた
「いいか?まずここにセットして。あと悪いけど持ち上げてくれ。タッチパネルに届かない」
「あ、そうですね。ヨイショ」
ピッとタッチパネルを触れてスキャンモードへと持っていく。
「そこの透明のパネル部分にバーコードを当てて」
女神が恐る恐る牛乳をスキャンする
『ピッ157円』
「おぉ!さすが現代技術です!」
「なんだったら一応レジ用のスキャナーもあるぞ」
「ほんとですか?ではそっちを使わせてもらいます」
『商品をお入れ下さい』
「紫雨音、機械がおかしいですよ?」
「機械は悪かねえよ。スキャンした商品は袋に入れるかここの台に置かないと進まない仕様なんだよ」
「そうなんですか?」
「まぁお前はスキャンに集中してろ。俺が荷物入れてくで」
牛乳を設置した袋に入れるとスっと消えた。
「では、行きますよ」
スキャナーを使ってやろうとするが反応が悪いようだ。苦戦をしていた
「これなかなかピッってなりませんよ?」
「あームズいだろ?なんか知らんがそっちの反応はよろしくない」
「少し残念ですが、普通にやるしかないようですね」
少し名残惜しそうにスキャナーを戻しパネルでスキャンをしだした。
『ピッ259円』
「はい、紫雨音」
スキャンした物を受け取って入れてを幾度と無く繰り返しようやく終わった。
「終わりました」
「ん、会計するからまた持ち上げて」
タッチパネルを操作して支払いまで進めた。
「カードか現金、どっち使う?」
「カードで」
「ん、了解」
支払いを終えレジを出た。
「そろそろ11時ですね。お昼は食べて行きますか」
「ん、おけ。どこ行く?」
「そうですね、前に食べたオムライス?も良いのですが。仲良くなった買い物仲間のおばぁさんに美味しいお店を沢山聞いたので色々行きたいって気持ちも高いですね」
「自分で色々作れるのにそこら辺気にするのか?」
「えぇ、料理とは店と私の勝負です。私のモノより美味しいなら、それを越す。それこそが料理というものなのですよ?」
「謎の自論を展開するな」
「紫雨音は何か案はありますか?」
「んー、迷うな。食べ物屋が一つだけなら困らないが……そうだな、うどんにしよう」
「お、うどんですか?出汁から作る私としては是非ともお店の味を知りたいものです」
「フードコート行くか。確か2階にあったはず」
2階のフードコートに行った。11時過ぎとあってか1人、また1人と人が増えていく。
「早めに買わないと席が無くなりそうだな」
「席でしたら大丈夫ですよ?」
「前もなんか似たようなこと聞いた気がするが……一体全体どうしたらそんなこと分かるんだよ……」
「女神だからですかね?」
「今はどちらかと言うと日本文化を誤った形で受け入れた外国人って感じだけどな……」
うどんを頼んで席に着いた。さっきまで居たはずのカップルが忽然と姿を消していた。そのお陰か注文口のすぐ近くの席にありつけた。
「な、なぁ女神ここにいた人達って」
「いえ、私の方をジロジロと見ながら言われのない事を言っていたので少しお灸を据えただけですよ?」
見られるのはお前のせいだろとは言えずにただ呆れるしか無かった。
「まぁしばらく待機だな。この番号札がなったら取りに行く感じだ」
「この板が鳴るのですか?もしかしてこれもスマホとやら?!」
「ちげぇよ番号札って言ったのが聞こえなかったか?」
「そ、そうでしたね」
「さて、暇潰しでもするかな」
SNSを開きTLに流れる情報をダラダラと眺めていた。対面に座った女神はその様子をニコニコと、見ていた。
『ブーブー』
カタカタと番号札が揺れた。
「紫雨音!これなんか動きました!」
「ん?出来たようだ」
「では、行ってきます。紫雨音は待っててください、来ても届かないでしょ?」
「やり方分かるのか?」
「番号札?を店員に渡して注文した料理を受け取るのでしょ?」
「お、おぉ」
「違いましたか?」
「いや、正解した事に驚いてる」
女神が料理の乗ったプレートを軽々と運んできた。
「はい、こっちが紫雨音の」
「よーし食べるか。いただきます」
「いただきます」
食事の間は無言で過ぎていった。
「いやー、久々に食べたが美味いな」
「そうですね、家で再現するのは難しそうです」
「これが俗に言う店の味って奴だな」
「でも、うどんも変わりましたね。私の知ってるうどんは麺とツユそれとミョウガでしたね」
「いつの庶民だよ」
「前任の時たまたま降りた街の人がくれたのです」
「優しい人達だったんだな」
食器を下げ口まで運びフードコートを出た。
そこで妙な縁なのか雲雀風揺と遭遇した。その横には担任も居た。
「お、紫雨音ちゃんヤホー」
「万年、よっ」
「チャラ男と担任、何してんだよ」
「あら、雲雀さんと酒肴先生じゃないですか。こんにちは」
どうやら2人はデートの様だ
「ほら、行くぞ挨拶は済んだし」
「ですね、初々しいお2人に良い幸あれ」
2人が真っ赤になるのを後目に女神と店を出た
「妙な組み合わせを見たな。ありゃ国宝級だわ」
「ひとなつのあばんちゅーるとやらですね」
「いや!勝手終わらすなよ」
「さっきは幸あれと言いましたが、あの二人妙に線が薄いので」
「せん?」
「恋愛とは線と線が結び合わされてなる物です。あの二人は今にも切れそうな線が無理矢理絡まってるような感じですね」
「あ、うんなんとなくわかった」
「ちなみに紫雨音、あなたのはかなり太くて相手から絡まないと一生くっつかないでしょうね」
「そんなもんなのか?」
「えぇ、でも面白そうですね」
「何がだよ」
「色々ありますよ。でもあなたなら乗り越えれます」
「はっはは、よくわかんないけどまぁそんなもんだろ」
「ですね、さて。そろそろ帰りますか?それともどこか見ま──」
キャーという悲鳴に女神の声はかき消された。
声の方から包丁を持った男が走ってきてた。
ちょうど館内放送で『包丁を持った不審者がいるようです!大変危険ですが慌てず避難をしてください!警察もまもなく到着するので!!』と、マニアル完全無視の勢いで避難指示がだされた。
女神はキョトンとしていた。
「お、おいお前何止まってんだよ」
「いえ、不審者なんてどこにも」
眼前とは言わないがすぐ近くまで迫っていた。
「もう5人も刺したんだ!あと2人増えても構わないよな!」
と、狂った男が包丁を持って突っ込んできた。
「センシティブですよ?」
女神がその場で男の手を取り前へと引っ張りながら肘の内側に手を当てた。そのまま進行方向へ男が一回転した。少し大きめの音を立て男は座り姿勢のまま硬直している。
周りから歓声が上がった。
「でも紫雨音では無く私に向かってきた事は褒めましょう」
女神は包丁を拾うと歯の部分をべキッとへし折った。
そのあと警察が到着し事情聴取に連れてかれた。
証拠品の包丁に触りしかもへし折ったとあって女神は少し怒られたようだ。
「何もしてないのに怒られるなんて酷いですね」
「当たり前だろ、ってか包丁へし折るなんて」
「あれは簡単ですよ?テコの原理で」
「いや、いいよ知っても使う機会ないし」
説明できなかった事が不服か帰り道は終始無言だった。
いや、その程度で拗ねるなよ

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