TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、夏を楽しむ1

「うぉぉぉ!!!!!うっしゃ!夏休みっ!」
「わざとらしいくらいはしゃぎますね」
「なんだよ、嬉しすぎんか?だって夏休みって定義の休みだぞ?」
「え、えぇそれは良かったですね」
「何引いてんだよ。とりあえず焼肉パーティーってかBBQでよくね?」
「ばーべきゅ?」
「外でみんな集まってコンロで肉焼いてわちゃわちゃする感じだな」
「はて?」
「キャンプでもありだな」
「あの、紫雨音?」
「えっと、説明が面倒いから略すけど。みんなで山に集まって火起こししてその火で料理して、川で遊んだりした後、テントで一夜を過ごすってわけさ」
「テント?」
「テント知らねぇのかよ!テントはな、簡単に言うと簡易住居だ」
「凄いですね」
「ああ、だろ?」
「えぇ、少し興味が湧きました」
「夏休みの終わりがけに計画入れるのアリだろ?」
「では、その件は追追しましょう」
「早速だが、今日はもう朝10時過ぎだしどっか行くには遅いから明日から本格的に夏休みしよーぜ!」
「夏休みを本格的にとは?」
「金あるだろ!海行ったり専門店行ったり」
「は、はぁ……なにか最後の方おかしいですが。海ですか、ありですね」
「だろ?他にも夏休みと言ったら虫取りとかもあるし」
「では計画は紫雨音に任せます。私は常に休みなので保護監督可能ですよ」
「あぁ、よーし!」
初日、特に何も無く一日が終わった。
2日目!
「よーし!女神!海行くぞ!」
「唐突ですね」
「あぁ、いいだろ?」
「まぁ大丈夫ですよ?」
海水浴場到着
「よーし!遊ぶぞー!」
女神の出した謎の空間を通ったらすぐ着いた。
普通にビーチだ。人で賑わい、ザザ波が砂浜を攫う。
「へぇー、テレビでよく見ましたが素晴らしい景色ですね」
「あぁ、泳ぐの楽しいぞ」
「では、存分に楽しんで帰りましょう」
女神は何故か競泳用の水着を着ていたから何となく察していたが、凄い勢いで泳ぎ始めた。
「はっは、すげぇな。よーし!俺も」
女神程では無いが泳ぎ始めた。
ある意味初の試みであった。
「んー、この上に付けるやつ邪魔だな……取ったら怒られるけど……」
そう、海パン感覚で下だけ履いて出ようとしたら女神からドヤされたのだ。
「けど、やっぱなぁー」
泳いでいるとやはりフリル付きの胸当てが邪魔というかなんというか。
「はぁー、泳ぐの辞めるか」
「まぁ何も、海って泳ぐだけじゃねぇからな」
更衣室に戻って浮き輪を持ってきた。
「ふぁー、幸せだなっ」
ギラギラと輝く真夏の太陽に塩水を浴びた肌が照らされる。
「お、ワカメか?これ頭に被れば!はっはは!」
頭に浮いていた海草を付けて遊んでいると少し年頃の男が数人やってきた。
「よぉー、可愛いね君」
「いいねぇ、何年生?」
「ってか小学生くらいの女子ナンパって俺らちょーぱりぴ?」
「あぁん?なんだお前ら」
「日本男児だよー!分かるか?元気な高校生」
「おぅーへい!」
「まぁいいじゃん?親と来てんの?」
「は?親とは来てねぇよアホか」
「いいね、ならお兄さん達と─────」
引っかかるって事はそっち系かっ!
即座に逃げた。気付いたら進まない。
浅瀬に到達したようだ
「はぁー、人生初だぞこんなの」
「あ、そういやさ女神は」
ふと、居ない保護監督官の存在に気付いた。
「ん?あっちが騒がしいな」
ワイワイと人で賑わっていた。
昼時で丁度人が少なかったのかレースをしていた様子。
「続いての挑戦者!IT系に勤める容姿、性格、収入という3要素兼ね備えた北瀬さん!23歳です!この勝負に負けたら私が貰おっかなジュル」
少し引き気味の男性とマイクを突き付け話す先生……
「そして対するは!その風貌まるで女神!そしてなんともバツイチで、私が担任を務めるクラスの子の母親!万年さん永遠の18歳!同じ女としては全て負けた気がします……」
「女神、何してんだよ……」
近くの人に聞いたらあの男で六人目らしい。
何でもナンパに来た人に競泳で勝ったらお茶してあげると言ったらしい。
「では、位置について、よーいドン!!」
砂浜から走って向行き禁止用のネットにタッチして戻ってくると言う単純ルールらしい。
走るまでは北瀬とやらがリードしていたが、泳ぎになった途端に女神が追い越した。
「うぉーーー!!!」
唐突に周りから上がる歓声に耳を痛めつつ行方を追っていた。
「えー、またしても万年さんの勝利という事で。にしても6回ですよ?平然と泳ぎ切るスタミナは一体どこにあるのでしょうか!豊富に実ったその─────」
「誰かあの先生を引きずり下ろせ……」
「えー、他に挑戦者が居なければ次のプログラムに進みます!」
どうやら先生は何かの実行委員として呼ばれていたようだ。副業とか大丈夫かよ
「続いては!向こうにある砂浜で一番すごいものを作った人が私との婚約権を!!」
ブーブー!と批判が飛び交いジョークと促す先生。
どこまでも可哀想な奴よ
「冗談はさておき、泊まるならココと言われて30年!あのホテルの上層階!和室のみで構成され、1泊300はくだらないと言われるあの部屋。この一週間、誰も予約出来なかったと言われる幻の一室!天の間のペア宿泊チケットです!今日から明日までの1泊2日ですが極上の部屋をご堪能下さい!」
よく分からないが凄いって感じでうぉー!と盛り上がった。
「やりたいやつはいるかー!!」
「「「「「おぉー!!」」」」」
40人くらいワイワイと前に出てきた。
「では、制限時間は1時間。完成したら呼んでください!熱中症には気を付けて!よーいドン!」
謎の審査員席も作られていたが席が空いていたので座ってみた。
端から、おっさん、おっさん、おっさん、そしてひとつ飛ばしておっさん。それと俺、ビキニの眩しいお姉さん。
おっさんAが早速実況の真似事をする。
「えー、3ブロの男性、凄い勢いで作っていきますね。これは期待値が高いです」
「ですね、私としては5ブロのあの少年に期待ですかね」おっさんCが乗る。
「私的には~うーん、あの人かな」お姉さんが女神を指さす。
そんなこんなで盛り上がりを見せた砂造形。
「えー、盛り上がりを見せた所で最初の完成品!これはー、某アニメキャラですね」
砂浜にいつの間にか用意されてたモニターに作品が映された
絵描き歌なんで作られるほどの人気キャラだ。
クオリティも高め。
審査席に置かれていた札を選んだ。
「では、審査員の皆さん評価をどうぞ!」
おっさんAが7、Bが8、Cが6、お姉さんが9、Dが5、俺が8
「総評!43点!最高点60点には至らずとも良い点数だ!では審査員に聞いてみましょう」
黒子がマイクを持って俺の前に来た。
この真夏にその格好死ぬぞ?というツッコミを入れるか迷ったがやめた。
「まぁそうだな、人気キャラでみんな知ってるから点は入れやすい。それ故にみんな粗を探したりするからなぁ、あと最初は様子見点とかで低いこともあるから。初発出すならもっとどデカいもん出さないとな」
「審査員最年少から厳しい言葉が!どうでしょうか、6ブロックの佐藤さん」
「ちょっといいですか?」
「はい、なんでしょうか」
「もっと言ってくれませんか!」
へ?こいつなんだよ
「では、審査員の方!どうぞ」
「あぁ、キモイから砂に埋まってこい」
興奮したまま砂浜に潜っていった。
その後、どんどん完成者が出てきた。
城を作った人や生物、有名人ぽいのを作る人もいた。
それでも尚最高点は49点。
盛り上がりを見せ続けるイベントも遂に残り10分
「おっ、遂に来たか」
「先程のレース1位、気になるですね」
女神の完成品がモニターに表示された。
「こ、これは?!」
「なんと!」
審査員たちが息を飲む。
「へー、あいつピラミッド作ったのか」
「では!審査員!評価をどうぞ!」
A~Dが10点を出した。
お姉さんは9点、俺は相変わらず8点
合計57点
「な、なんと!57点が出ました!今最高記録です!残り3人、こせるのか?!審査員に聞いてみましょう」
おっさんCに黒子が向かう。
「そうですね、10点なのは完璧美を追求したこの三角形!あえて崩す事で現代風を表すのはもう、興奮が止まりません」
「どうですか?23ブロックの万年さん」
「えぇ、うちの子が審査員にいて私に対して最高点を与えなかったという公平性に素晴らしさを感じ得ました」
なんだかんだ進んでいき最後女神と間篠と言う男性の2人が同点で残ったので、ギャラリー投票になった。
みんなが良いと思った方の名前を書いて箱に入れてゆく。
ここで少し遅れてお昼ご飯。
海の家で買った焼きそばを二人で食べていた。
その間集計が行われているようだ。
「お前よく頑張ったな。本物そっくりだわ」
「えぇ、本物を作るの手伝ったことありますので」
「あ、はいそですか」
「えぇ、あれは今のような暑い」
「思い返さなくていいから!」
「少し残念です。上級な職人と我々の様な神と神事を執り行うもの達で作ったというのに」
「あーはいはい。で、楽しめたのか?」
「はい!みんなで泳いだり砂で遊んだり。周りもそうですね、大人達が子供のようにはしゃいでます」
「みんなこうやって日々の疲れを癒すんだよ」
「なるほど」
「その証拠にさっきから砂造形で負けた人達も楽しそうだったろ?」
「えぇ、悔しそうでしたが終わった後はギャラリーとして白熱してました」
「さーて、飯も終わったし集計発表ももうすぐするらしいから、行くぞー」
会場に戻ると台がセットされていた。
モニターに93、94と表示されていく。
「えぇー、まずは間篠さんから。94票!」
「「うぉぉぉ!!!!!」」と会場が震撼する
「続いては!万年さん!!」
90、91と続いていく。
94を越した時点で歓声が上がる。
そして151票で止まった。
「勝者!万年さん!!!圧倒的差を見せた!!」
「では、惜しくも2位の間篠さんにはビュッフェディナーのペアチケットを贈呈します」
先に間篠さんがあげられた。
「えぇ、自分でも負けると踏んでいましたが、同点でこれは!と少し期待しましたね。まぁ負けましたが悔いの無い負け方です」
「ちなみにこのチケットは誰と行くつもりで」
ちょいちょいと先生が脇腹を肘で突っついていた
「そ、それは。ではここで言います!薬里先輩!!!!今夜僕とディナーしましょー!!!」
マイクを離して大声で叫んだ。
審査員のお姉さんが少し動揺しつつも「いいですよー!!!」と返していた。あの二人そういう仲なの。
「お前はやりきったぞー!」「よっ!色男」
と同僚ぽい人達から絡まれていた。
「くっ……私では無いのですね」
先生は恨めしそうに台から降りて照れ合ってる2人を睨んでいた……
「続いて1位の万年さんには天の間!ペアチケットです!」
その後すぐに笑顔に戻って、司会を続けた。
「ありがとうございます」
周りからは主に男性陣が「俺とペアー!!」と叫んだりしていた。
「そうですね、娘と泊まります」
「ホッ……素晴らしい!母娘仲良く良き日を!!」
ホッってなんだよ。
一通りはしゃぎ終えてホテルに向かった。
海水浴場のすぐ近くにある高級ホテルらしい。
部屋に入ると畳のほのかな香りが広がっていた。
「う、うおぉぉ」
「凄いですね、まるで利休さんとお茶を飲んだ時のようです」
「まずはお風呂ですね」
「だな」
日焼け地獄を女神と乗り切り畳の上に伸びていた
「日焼け怖いですね……何百年ぶりでしょうか」
「あぁ、俺も舐めてた」
日焼けプラス海水のダブルパンチは中々応えたよう。
「夜ご飯は17時から21時までのようですが、どうしますか?」
「今は16じはんか、ちょっくら冒険してくる!」
女神の許可を貰いホテル内を探索して遊んでいた。
最上階のこの部屋は11階を丸々使った高級部屋だが、それ故に何も無い。
「よーし、庶民の部屋を」
調子に乗って1階のロビーに降りた。
案の定。イベントが終わってからロビーのソファーで燃え尽きている庶民が居るのだ。
「おっす、センセー」
「や、やぁ万年」
「死にかけてますね」
「聞いてくれ……彼氏できない」
「知らねぇよ」
「あと7日やらないといけない」
「それはお気の毒に。そういやさ、先生なんでこんなことしてんだ?」
「ここのホテル親の所持品だから。んで爺ちゃんがもとこの地域の復興委員的なのやってたらしく。駆り出された」
「で、レースと砂造形か」
「バレー、レース、砂造形でバレーとレースは集客用。造形の所は景品で人を釣ると言ったコンセプトさ。まぁガキにゃ分からないか」
「俺が大人でも理解できないと思うが……で?先生まさか部屋無しとか?」
「な訳あるか、こうして倒れてる女の子が居たら男の1人や2人来るだろ」
「カップルやファミリー層の多いホテルで?」
「だぁぁ!!言うな!言うな!」
「まぁ苦労してるんですね」
庶民の部屋を見るのは諦めるかと思い帰ろうとしたら肩を掴まれた。
「まてよ、まぁセンセー残してどこ行くつもりだい?」
「お、おい落ち着け」
「今は誰かに話さないとセンセーダークサイドに落ちそうだよ」
「わ、わかった。聞くってば……だから手をはなそ??」
「ふふ、まぁ聞くといい」
途中ロビーの人を捕まえて身代わりにして部屋に戻った。
すまんなロビーの人。
「紫雨音、探索はどうでした?」
「ラスボスに敗北して今こうしてセーブ地にいる」
「なるほど」
「あぁ、やばかったあれは」
「で、紫雨音どうしますか?夜ご飯は和洋選べるそうですが」
「和だな」
「分かりました」
どうやら部屋で食べれるらしい。
レストランに降りるとラスボスに遭遇するからな……



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