TSロリとセンシティブノーで知識が時代遅れな女神の日常

下の蠍

俺、──────

風呂に浸かりながら色々思考をめぐらしていた
「にしても、散々な1日だったぜ」
「言葉遣いがおかしくなるわ、面倒事が転がってくるわ……」
「もー!ほんと紫雨音ちゃん怒ったからね!」
誰も突っ込まない空間で1人ボケ通していた。
「別に何かを望んだ訳でもねぇが。なんかこー、足りない何かがなぁ」
「だァァァ!はい!こんなくらいの終わり!楽しい事考えるか」
「第1回!紫雨音ちゃんエムワングランプリ!」
「えぇーいよいよ始まりましたね」
「はい、期待の新星なんかも見られそうですね」
ツッコミの居ない空間で1人……
「では審査員の方に~」
「おっほん。わたくしは女神でしてよ?たいそう楽しませてくれるのでして?」
女神への恨みか、はたまた……
「えぇ今日は僕の弟子の西山東山超えて南の北山さんが参加するとのことで~」
それとなく進行をしていた。
その時扉が1回開いてまた閉じた
「お、お邪魔でしたね」
女神が笑いを堪えながら立ち去って行く。
「んにゃろぉぉ!!!」


「ほんと、ふふ、いえ。女神たるもの笑っては……ふふ」
「てめぇシメ─────」
「せ、センシティブですよ?」
「わっつつ、センシティブ!!」
飯の合間も笑い続ける女神
「はぁ……何がそんなに面白いのかねぇ……」
「いえ、なんでも」
「ほんとわけわかんねぇ」
「まぁまぁ、ほら今日のおかずはハンバーグですよ」
「わーい!私大好物なの!ってなるかぁ!好きだけど?食事で釣られねぇぞ!」
また笑う女神
「お前、ほんとにっ!!」
「最近テレビ?でやってたんですよ?些細な事でも面白く感じる事で健康にいいって」
「お前はアホか!ってか女神だろ?」
「美杉町太郎生さんの悪口は許しませんよ!」
「誰だよ」
「知らないんですか?進行者ですよ」
「はいはい。すごいすごい」
「でも不思議です。美杉町太郎生さんが近くに居るのに触れないんですよ」
「てめぇか!テレビに指紋ベタベタつけやがって」
「え?だっていっつも「はーい、僕とハイタッチ。どうも美杉町太郎生です」と」
「どこのガキだ?え?テレビは触れません!」
「でも最近の技術ではサンデーとかって」
「3Dか?3Dって言いたいのか?」
「はい、多分それです」
「なるかボケ!今の現状を見ろってんだ」
「大きな板ですね」
「ちゃうわい!いいか?テレビってのはな」
検索をして仕組みを見せた
「なるほど、つまり違え場所にいるのに見えると言うのですか?!」
「あぁ、前にも教えたはずなんだがな」
「では今度やるエルアイエブイって言う奴もですか?」
「おうおう、ナレーション聞いてたか?ライブな?」
「デットオワ?」
「生か死じゃねぇよ!リアルタイム放送だ!」
「リアルタイム放送?」
「今ここで「あ!」って言うだろ?そうしたらブラジルでも「あ!」って聞こえるんだ、すぐに」
「つまりブラジルとここは繋がってる?」
「ブラジルは例えだ!え?お前理解力ある??」
「ありますが?女神大学首席卒ですので」
「どこかは知らんが終わってんなオイ!」
「女神大学知らないんですか?」
「どこにあるのか教えてもらおうか?」
「大分県の山奥です」
「いや!天界とかじゃなくて日本なんだね?しかも九州なんだね?」
「えぇ、知っているものとばかり」
「知らねぇよ……」
「ちなみに入る条件は女神である事ですね」
「お前の時に何人いて今何人いるのか気になるなぁ」
「私の時の同期が20人で、今は100程ですかね」
「少なっ!少なすぎ!」
「えぇ、女神自体そんなにいませんので」
「なんのためにあるんだよ……」
「こうして私のように何かあっても現代に溶け込めるようにと」
「溶け込んでねぇけどな」
「まぁジョークなんですけどね」
「嘘なのかい!信じたぞ?今信じたぞ?嘘ついていいのか??」
「嘘は正当な権利ですよ?」
「お前が言うとホントぽいからやめようか?」
「はい、分かりました」
「たっく。これからはしっかりしてくれよなぁ~仮にも親ってテイだろ?」
「はい、ですがこれではまるで貴方が亭主みたいですね」
「たりめぇだ。見た目こそこんなんだが中身はおっさんだぞ」
「また呪いかけますよ?」
「はーい、私紫雨音!小学二年生の優しい女の子!今日も一日楽しんできたよキャピ」
「えらいえらい、よくできてましたよ?」
「うん!紫雨音偉い!怒らない!だから呪いやめよ」
「えぇ、私としてはあの喋り方の方が好きなのですが?」
「お前の意見を通すな!!」
「やれやれです、今はいいですが今後は少しづつ治してもらいますよ。改善が見られなければ……」
「ひぃっ、わかったわかった。それとなく振る舞うように心がける」
「はい、それでいいのですよ?」
「手始めにクール王子様系女子の漫画でも読み漁ってくるか」
「??」
「なんだよ」
「くるくるオージとは?」
「はぁ?クール王子な?」
「それはなんでしょうか」
「クール!冷たい!王子!王様の子供版!」
「なるほど、死ぬんですか?」
「冷たいイコールで物理的に繋げるなっ!」
「では冷たいとは空気の問題ですか?それとも……」
「いいか?今から実践するから見とけよ」
「はい、楽しみです」
「お前とりあえず俺に「先輩!おはようございます!今日もかっこいいですね!」って言ってみろ」
「先輩、おはようございます。毎日変わらずかっこいいですね」
「あぁ、おはよう」
「なんですか。それはただの会話できない人じゃないですか?」
「うん、思ったわ……思ったよりムズいかもな」
「やはり紫雨音、あなたはラブ米になるしかないですよ!米を愛する!日本人らしいと思いませんか?」
「お前ラブコメってのは愛の物語みたいなもんだぞ?それにラブコメになるじゃなくてヒロインになるの方がしっくり来ると思う」
「よく分かりませんがそういうことにしときましょうか」
「だな、っておい!!」
「引っかかりましたね?ヒロインになる気になったみたいですね」
「ヒロインって分かるか?」
「禁止されている元医療用薬でしたね」
「アホか?ヒロインってのは作中では主人公の彼女とかでな、現実世界で言うとパンをくわえて走る系だな」
「よくわかりませんが、なぜパンをくわえて走る必要があるのですか?」
「そこまで説明すんのは面倒い!いいか?本読め!少しは自力で覚えなさい!」
「読んでますよ。特に今日本の歴史について、実際との解釈違いを探しててですね」
「おうおう、なら何時代から見てんだ?奈良とか言わんよな?」
「古事記からですね」
「こーじき?そんな元号あったか?」
「いえ、書物ですよ」
「こーじき、古事記……古事記……お前日本最古の書記なんて読んでる暇あったら戦後の日本でも調べてこいやァァァ!!!」
「そこまで怒らないでも……私だって必死なんですよ?」
「かける熱意のベクトルを少しは変えたらどうだ?どーして毎度そんな違う方向に進めるのか教えて欲しいわい!」
「強いて言えば直感ですね」
「直感ですねキリッじゃねぇ!あぁーん!!お前の直感は的外れだろ!」
「いえ、当たりますよ」
「そうかそうか……なら実例を」
「例えばです。明日雨が降る」
「お前なら自力でやりそうだが?それに進行形出してどうするよ」
「では、雨が降ってる時避けるとかですかね?」
「ガキか?」
「いえ、女神ですよ?」
「んにゃろぉぉ!!!やってることのレベルが低いって言ってんだ!つまりあれか?ガキイコール女神ってか??お?」
「いつになく勢いが強いですね。そんなんですと周りの女子から一緒に居るだけでハラ───────」
「何言っとんじゃい!自分でセンシティブ禁止と言っときながら言うやつが居るか!」
「まさか、これがダメなんて」
「いや、分かるだろ!」
「まぁそういう日もあります」
「何カッコつけてんだ。これがテレビだったらピーだぞ……」


朝、憎い程に輝く太陽に晒さられても起きない女神を見下ろしてた。
「こいつ死んでんのか?」
縁側で瓶4本と戯れていた形跡が残っている。
「おーい、めーがみさーん。朝ですよ」
「ふみゅ~~もうしゅこし……」
「ぐっ、不覚にも可愛いと思った自分を殺したい。とりあえずおっきろぉぉぉ!!」
ケツを蹴りあげた
「ひぐっ?!な、なんですの?!嫁入り前の無垢な…………ってあれ?」
「お前、もう朝6時半だぞ」
「へ?」
「現実を受け入れろ。朝だ」
「そんなぁぁ……」
「今日大丈夫か?お前……」
「いえ、調べ物をしてたらヤケ酒に走ってしまいました」
「どんなだよ。ほら、飯は作ったから」
「食べれるものですよね?」
「一人暮らしなめんなよ」
その後、味は褒められたが台所の汚さに集合時間ギリギリまで怒られた。
そんな事を下駄箱で捕まえた姫に延々と話していた
「って事があってさぁ~」
「そーなの?紫雨音ちゃんのお母さんって意外と怖い人?」
「ある意味怖いな」
「ひえー」
「でもみんなのこと話したら1度会ってみたいって言ってたぞ。なんなら今日来るか?」
「え?!」
「あぁ、別に問題は無いぞ」
「ど、どーしようかな」
「何話してるのっ?」
肩をトンっと叩かれた
「うおっ美乃」
「あっ!おはよーみのー」
「あぁ、家に遊びに来るか?って。美乃も来るか?」
「是非!と言いたいところですが……本日叔父様が来るそうで」
「まじか、ならまた空いてる日を教えてくれ」
「うん、私としては紫雨音ちゃんの部屋を一望しないと行けない使命があるわ」
「どんなだよ!」
「うーん、よし!行く!」
美乃と話してるうちに結論が出たそうだ。
「おっと、お前ら青春してる時に悪いが。先生を通してくれないか」
相変わらず扉前トークだったので先生の邪魔をしていたようだ。
「せんせーおはよー」
「先生おはようございます」
「うんうん、2人ともおはよう」
ニコニコ挨拶をしながらこちらを凄い形相で見てくる先生。それに押し負けたのか自然と言葉が出る。
「お、おはようございます」
「よーし、万年も偉いぞ。ほれよしよし」
「なんだよ。そんなに生徒に挨拶されないのが癪か?」
「あぁ、癪だ。それとお前らはまだ児童だ。わかったな?生徒名乗りたきゃあと数年は我慢しろ」
「違いとかねぇだろ……」
「そうだよ!せんせー、自由じゃないの?」
「はぁ~いいか?学校教育法では児童は小学生、生徒は中学生。学生は高校からって決まってるんだ」
「児童手当は?中学生でも貰えるぞ」
「おぉ、いいとこつくな。だが前提を見ようか。学校教育法ではって事だ」
「姫にはわかんない」
「つまり教育の場では俺らは児童、中学生は生徒みたいな感じってことか」
「そう、正解」
「だから児童館って高校生までは行けるのね」
「そうだよ、あそこは市や区が担当している場所だけど教育とは無縁だからね」
「珍しく先生が先生してる」
「万年、後で職員室な」
「嘘ですごめんなさい」
妙に賢さを見せた先生だが出席簿を忘れたと職員室に消えていった。
「さーて、俺らもチャイムなるし席着くか」
「だねー!」
「そうしましょうか」
ガラガラ!席についてまたダベッてると先生が駆け込んできた。
「はぁはぁ間に合った」
先生のセリフとどうタイミングでチャイムがなる
「キリツレイは省略。よーし出席とるぞ〜~よーしみんないるな、今日は渡す物が多いからね」
プリントを配り始める先生
「あとここに三者面談の予定の紙もあるから来週までに出せよー」
2枚、3枚と机の上に増えていく。
「こら、矢野!プリントで折り紙すんな」
実に6枚も配られた。
「うげ、多いな」
「提出しないといけないのが3枚あるから。絶対に親に見せろよ。芦野と峠道は親に連絡入れとくからな~」
「ふーん、三者面談と課外授業ねぇ……」
「はい、じゃぁ朝の会終わり。キリツレイ省略なー」
「なんつーか投げやりだなぁ……」
「しょうがないよ紫雨音ちゃん。ココ最近蒸し暑いし先生も休みたいのよ」
「んだよー、美乃……この気遣い人間めコノコノ」
「紫雨音ちゃん!美乃ちゃん!ふじゅんゆうせいこー?はダメだよ!」
「してねぇよ!」
「そうですよ、これはスキンシップです」
「なな、2人ともいつの間にその域に」
「ほら、姫も来いよ」
「しょうがありません!」
「何がだよオラ!」
「ひゃっ」
「なんというか姉妹って感じですね」
「なら俺が姉か」
「いや、私です!」
「よーし、姉の座をかけて勝負と行こうじゃないか!」
「望むとこ!最初はグー!」
「いや、ジャンケンで決めるのか!」
「え?違った?」
「ここはコイントスだろ」
「えぇー、おっさんくさい」
「ですね、それにコインなんて紫雨音ちゃん持ってるの?」
「あぁ、ほら」
「しょうがないですね!なら私は表!」
「必然的に俺は裏だな」
「では、どこかの悪者が悪さ出来ないように私がトスしましょう」
「あぁ、頼んだ」
「紫雨音ちゃんに姫姉って呼ばせるんだから」
「なんだよその何時でも出来る願いは」
チリンっとコインが宙を舞う
「はい、貰っと。学校に不要物を持ち込むな、帰りに返すぞー」
宙に浮いていたコインを先生が後ろからヒョイッと抜き取った
「んだよ、先生」
「ガキが金なんか持ってると帰り道狙われんぞ」
「せんせー!せっかくの勝負を」
「あ?うーん。そうだな。しりとりでもして決めりゃいいだろ、どーせ1時間目は自習の予定だからな」
「授業はしないのですか?」
「したいんだが、範囲進めすぎてな。分からない範囲がある奴を前の方に、自習出来るやつらを後ろに分けてやろうと思ってな。効率いいだろ」
「確かに、先生にしては効率いいな」
「おう、一言余分だ」
頭にチョップを落とされる
「いってぇー!これは教育委員会だぞ!」
「ざんねーん!私は過去に6回くらい保護者の苦情を喰らってます!」
「いや、良くねぇだろ」
「まっ、って事で遊ぶなら遊んどけ。ただ後ろの方で迷惑かけない程度にな」
「「「はーい」」」
元々後ろだったから移動する必要は無かった。
できない組が前に座って先生の指導を受けてる中、姉の権利をかけたしりとりが始まった。
「じゃぁ!姫から先制攻撃!リス!」
「王道だな、スリランカ」
「スリランカ??そんなのあるの?」
「えっと、国名よ?」
「わかった、カンガルー」
「ウクライナ!」
「な、な……ナメコ!」
「コスタリカ共和国」
「くろうさぎ!」
「ギリシア」
「あ……うーん……あり!」
「リベリア」
「またあ!あんこ!」
「コロンビア!」
「脅威のあ攻めね……これは」
美乃の顔が曇る。
「あ、あ……アンプ?」
「プロフィール」
「ルール!」
「る返しか。まぁこの程度なら!ルーマニア!!」
「きゃぁぁ!またあ!」
「お前らうるさいぞー」
「怒られたな、声量下げるか」
「あ、アルファベット」
「トルコ」
「コロンブス」
「スシ」
「四季」
「きん────」
わっつ?!センシティブ?!
「?」
「キンモクセイ」
「イラガ」
「学校!」
「うかぁ……うし」
「シュメール人!」
「あ、ン付いたよ!」
「紫雨音ちゃんの負けだね」
「な、なんだと?!」
「ほらほら、負けたから大人しく姫姉様とお呼び」
「くっ、姫姉ちゃん……くそ恥ずいなこれ……」
「やい、照れてる照れてる」
「この2人でご飯行けそうね」
「でも紫雨音ちゃん難しい言葉沢山知ってるんだね」
「まぁな、暇な時本とか読むだろ?」
「読まないよー」
「私は読むよ」
「姫が読まないだけじゃないのか~」
「ぎくっ」
「本を読めば得れる知識が増える。そうすれば賢い会話ができると」
「おおー、さすが紫雨音ちゃん」
「で、紫雨音ちゃんは何を読むの?」
「江戸川乱歩とか、あとエッダの詩くらいかな」
「渋いわね、ほんとに小学生?」
「えどがわらんぽ?えった?」
「ちょっと思考のズレた面白い話と民族の歴史の本って言った方がわかりやすいかな」
「よく分からないけど分かったわ!」
「わからんのか……」
「でもこれだけはわかったよ!紫雨音ちゃんは天才だね!」
「ま、まぁな」
実際、今学力テストを受けたら高校1年くらいまでなら行けそうちゃっ、行けそうなんだよな
「流石ー!」
「さて、そろそろ授業も終わるし。よーし!ボール鬼する奴らこの指とーまれ!」
「あの、紫雨音ちゃん?」
心配そうな美乃の指差す先を見ると鬼がいた
「万年。授業中ってのが理解できなかったようだな。ボール鬼?私が鬼をしてやろうじゃないか」
「ぎょぇぇお助けをぉぉぉ」

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