子供に懐かれたら家政婦になりました。あれ?雇用主の様子がおかしいようです

ナナシ

106.デートも終わり

ルーカスとリナは初めてのデートを終えて、ふわふわと夢見心地で屋敷に戻ってきた。


「ただいま戻りました」


案内されて屋敷の中に二人で行くと…直前まで繋いでいた手を離した。


「リナー!!」


部屋を覗くとアリスちゃんが顔を見るなり笑顔でかけてきた!


「アリスちゃん、ただいま!」


私はアリスちゃんをしっかりと受け止めるとギュッと抱きしめた。


「おかえりなさい、もっと…おそいかとおもった…」


「アリスちゃんの顔が早く見たくて戻ってきちゃった。今度はアリスちゃんも一緒に行こうね」


「いいの?アリスも…」


「当たり前だろ」


ルーカスさんが笑ってアリスちゃんの頭を撫でる。


「ルーカスもすき!」


アリスちゃんがルーカスさんに抱きつくと嬉しそうにアリスちゃんを抱き上げた。


その様子をみて微笑むと…フレア様とエーデル様が笑いながら寄ってくる。


「リナさん、おかえりなさい。もう少し遅くなるかと思ってたけど早かったですね」


「まぁルーカスさんもよくわかってらっしゃるようで良かったわ」


二人がニコニコと笑っている。


「アリスちゃんをありがとうございました。やっぱり気になって落ち着かなかったです…大丈夫でしたか?」


私はアリスちゃんに聞こえないようにこっそりと聞くと、二人は少し顔をしかめた。


「少し…寂しがっていたわ」


「そうね、親を亡くしたばかりだからしょうがないと思うけど…」


「そうですか…やっぱりアリスちゃん私達に気を使ってるのかな…」


ルーカスさんと楽しそうに何か話してるアリスちゃんを心配になり見つめた……








「アリス、みんなと何してたんだ?」


ルーカスはニコニコと笑顔のアリスに質問する。


「んんとねーおかしたべてジュースのんでおしゃべりしてた!」


「それは楽しそうだな!今度は俺とリナとやらないか?」


「え!?アリスとリナとルーカスで?」


「ああ、そうだ。今日リナと素敵な湖に行ったんだ、アリスにもそこを見せたいなぁ…」


「みたい!」


「よし、じゃあ次の休みに三人で行こうな」


「うん!あっ…でもアリスまたおるすばんでもいいよ…」


「えっ!アリスちゃん行かないの!?」


ちょうど話をしてた二人の会話に混ざると寂しそうにアリスちゃんを見つめた。


「リナとルーカスでまたでかけていいよ、アリスちゃんとまてるし」


アリスちゃんがにっこりと笑う…その顔は寂しい気持ちを上手く隠していた。


「そっか…アリスちゃんが行かないなら私もいいかな…」


「えっ?」


私の言葉にアリスちゃんが驚いた顔をする。


「アリスちゃんが行くなら私も行きたいな~」


「いいの?アリス…いても…」


「いいに決まってるでしょ。だってアリスちゃん私と二人でお出かけするのとルーカスさんと三人でお出かけするのどっちが楽しい?」


「ん…みんなで…」


「だよね!私も同じだよルーカスさんと二人も楽しいけど大好きなアリスちゃんもいたらもっと楽しくなるよ」


「そうだな!それは絶対楽しそうだ!」


「楽しいよ~ルーカスさんと追いかけっこしたり美味しいご飯を外で食べたり、草の上で三人でお昼寝したり…」


アリスちゃんの顔がみるみると輝いていく。


自分が遊ぶのを想像しているようだ…


「いく!」


「よし!約束だ!」


アリスちゃんは嬉しいとルーカスさんに抱きついていた。






アリスが抱きついて来ると、少し顔を離して心配そうに見つめて来た。


「ルーカス、ごめんね。がまん…しない?」


「馬鹿だなぁ…アリスはもう我慢しなくていいんだ。何も心配することなんてない」


我慢なら俺がする。


愛しい我が子を安心させるように抱きしめた。







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