子供に懐かれたら家政婦になりました。あれ?雇用主の様子がおかしいようです
72.新キャラ
「イアン!ハリー!」
アリスちゃんの声に二人は驚きに固まったがアリスちゃんの表情を見てホッとしたような顔をした。
「アリス様…」
「本当にお声が…ルーカス様、ありがとうございます。アリス様を預かっていただき感謝致します」
イアンと呼ばれた白髪の男性が頭を下げた。
「いや、イアンさんこちらこそアリスを預からせて貰えて感謝する。それで今日はどうして?」
「アリス様がバーンズ侯爵…いえ、もう侯爵ではありませんね、あの男の元にアリス様の親権が渡ったと聞いて急いで王都に戻って参りました…その事でルーカス様と…そちらのリナ様にお話が…」
「そうか…しかしこれから騎士団にも顔を出さなくてはいけなくて」
「はい、連絡はブライアン団長様にしております。こちらの要件を済ませてから来ればよいと言伝を預かっています。それとこちらを…」
イアンさんが紙をルーカスさんに手渡した。
ルーカスさんはそれを確認すると…
「確かに団長の文字と印が付いてあります」
「では一度アリス様の屋敷に来ていただいてよろしいでしょうか?」
ルーカスさんが頷くと
「リナとアリスもいいかな?」
「はい」
「はい!」
私達はこくりと頷いた。
豪華な馬車に乗せられて、アリスちゃんのご両親が住んでいた屋敷へと向かった。
郊外の大きな屋敷の前に来ると、隣に座っていたアリスちゃんの元気が少しなくなった気がした。
体を固くしてじっと一点を見つめている…私はアリスちゃんの手を握りしめた。
アリスちゃんはハッとして私の方を見つめた。
「アリスちゃん、大きな屋敷に緊張してきちゃった…手を握っててもいい?」
「うん…」
アリスちゃんは頷くとしっかりとその手を握り返してくる。
そして屋敷に着くとイアンさんに案内されて中へと入った。
中は人が住んで居なかったとは思えないほど綺麗になっていた。
その視線に気がついたのかイアンさんが笑いながら説明してくれる。
「アリス様をルーカス様に預けた後もいつでも帰って来られるようにと屋敷は常に管理しておりました…」
「帰って…」
その言葉にアリスちゃんの手を握りしめる。
「そんなに固くならなくともお二人にとっては悪い話ではございませんから…」
イアンさんは広間に案内すると私達をソファーへと案内した。
「それでは早速本題ですが…今ラッセル家の当主はアリス様となっております。そこでルーカス様にはアリス様の代わりにこのラッセル家の当主になって頂きたいのです」
「それは…」
ルーカスさんは顔を顰める。
「俺はアリスを養子にしたいと考えています…けどそれは侯爵になりたいわけでは…」
「わかっております。しかしバーンズの事もありました…家族を守るならそれなりの地位と力を持っていても悪い事では無いと思います」
「でも…なぁ」
ルーカスさんは困った顔でアリスちゃんを見つめた。
「ここはアリスの物だし…思い出も多い、俺達が足を踏み入れていいものか…」
「そうですか…ではもうひとつ。リナ様は今度ブライアン団長様の養子になるとお聞きしましたが…お間違えないでしょうか?」
「は、はい…ありがたいことにそうしていただけると…」
私が頷くと
「ルーカス様の今の爵位は確か男爵かと?それだとリナ様は今度は侯爵家の令嬢となります。相思相愛で問題無いように思われますが…もし伯爵以上の方がリナ様を見初めてしまわれたらどうするおつもりですか?」
「え?で、でも私は庶民の出ですから…」
「それでも肩書きは侯爵令嬢です」
イアンさんの言葉にルーカスさんは頭を抱える。
「そんなの絶対に認めない…」
「はい、ですからルーカス様も侯爵になれば問題はなくなります。お互いに肩書きになんの落ち度もございませんから…」
にっこりと笑いかけられる。
「わかりました…でもアリスが大人になるまでです…もし…もし誰か相応しい相手が出来たらその時は爵位を譲りたいと思っております」
ルーカスさんはじっとイアンさんを見つめた。
イアンさんも負けじと見つめ返していたがふっと笑うと…
「わかりました…ではそのように書類を作成致します。ルーカス様…本当に感謝致します」
イアンさんが頭を深く下げた。
「いえ、こちらこそこれからよろしくお願いします…すみませんがきっと力不足でしょうし…」
「はい、それはこれからおいおい覚えて頂きますのでお気になさらずに…」
イアンさんはにっこりと笑いかけた。
アリスちゃんの声に二人は驚きに固まったがアリスちゃんの表情を見てホッとしたような顔をした。
「アリス様…」
「本当にお声が…ルーカス様、ありがとうございます。アリス様を預かっていただき感謝致します」
イアンと呼ばれた白髪の男性が頭を下げた。
「いや、イアンさんこちらこそアリスを預からせて貰えて感謝する。それで今日はどうして?」
「アリス様がバーンズ侯爵…いえ、もう侯爵ではありませんね、あの男の元にアリス様の親権が渡ったと聞いて急いで王都に戻って参りました…その事でルーカス様と…そちらのリナ様にお話が…」
「そうか…しかしこれから騎士団にも顔を出さなくてはいけなくて」
「はい、連絡はブライアン団長様にしております。こちらの要件を済ませてから来ればよいと言伝を預かっています。それとこちらを…」
イアンさんが紙をルーカスさんに手渡した。
ルーカスさんはそれを確認すると…
「確かに団長の文字と印が付いてあります」
「では一度アリス様の屋敷に来ていただいてよろしいでしょうか?」
ルーカスさんが頷くと
「リナとアリスもいいかな?」
「はい」
「はい!」
私達はこくりと頷いた。
豪華な馬車に乗せられて、アリスちゃんのご両親が住んでいた屋敷へと向かった。
郊外の大きな屋敷の前に来ると、隣に座っていたアリスちゃんの元気が少しなくなった気がした。
体を固くしてじっと一点を見つめている…私はアリスちゃんの手を握りしめた。
アリスちゃんはハッとして私の方を見つめた。
「アリスちゃん、大きな屋敷に緊張してきちゃった…手を握っててもいい?」
「うん…」
アリスちゃんは頷くとしっかりとその手を握り返してくる。
そして屋敷に着くとイアンさんに案内されて中へと入った。
中は人が住んで居なかったとは思えないほど綺麗になっていた。
その視線に気がついたのかイアンさんが笑いながら説明してくれる。
「アリス様をルーカス様に預けた後もいつでも帰って来られるようにと屋敷は常に管理しておりました…」
「帰って…」
その言葉にアリスちゃんの手を握りしめる。
「そんなに固くならなくともお二人にとっては悪い話ではございませんから…」
イアンさんは広間に案内すると私達をソファーへと案内した。
「それでは早速本題ですが…今ラッセル家の当主はアリス様となっております。そこでルーカス様にはアリス様の代わりにこのラッセル家の当主になって頂きたいのです」
「それは…」
ルーカスさんは顔を顰める。
「俺はアリスを養子にしたいと考えています…けどそれは侯爵になりたいわけでは…」
「わかっております。しかしバーンズの事もありました…家族を守るならそれなりの地位と力を持っていても悪い事では無いと思います」
「でも…なぁ」
ルーカスさんは困った顔でアリスちゃんを見つめた。
「ここはアリスの物だし…思い出も多い、俺達が足を踏み入れていいものか…」
「そうですか…ではもうひとつ。リナ様は今度ブライアン団長様の養子になるとお聞きしましたが…お間違えないでしょうか?」
「は、はい…ありがたいことにそうしていただけると…」
私が頷くと
「ルーカス様の今の爵位は確か男爵かと?それだとリナ様は今度は侯爵家の令嬢となります。相思相愛で問題無いように思われますが…もし伯爵以上の方がリナ様を見初めてしまわれたらどうするおつもりですか?」
「え?で、でも私は庶民の出ですから…」
「それでも肩書きは侯爵令嬢です」
イアンさんの言葉にルーカスさんは頭を抱える。
「そんなの絶対に認めない…」
「はい、ですからルーカス様も侯爵になれば問題はなくなります。お互いに肩書きになんの落ち度もございませんから…」
にっこりと笑いかけられる。
「わかりました…でもアリスが大人になるまでです…もし…もし誰か相応しい相手が出来たらその時は爵位を譲りたいと思っております」
ルーカスさんはじっとイアンさんを見つめた。
イアンさんも負けじと見つめ返していたがふっと笑うと…
「わかりました…ではそのように書類を作成致します。ルーカス様…本当に感謝致します」
イアンさんが頭を深く下げた。
「いえ、こちらこそこれからよろしくお願いします…すみませんがきっと力不足でしょうし…」
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