ここって天国?BLの世界に転生しました!

ナナシ

47.家族

「おとうしゃま?おかあしゃま?」


私達は隣の部屋に行くと抱き合っている両親を見つけてしまった…


二人は私の声に気がつくと肩を跳ねてこちらを見つめた。


しまった…邪魔しちゃった!


しかし今更見てないふりはできない…


どうしようかと戸惑っていると


「どうしたの?おいで」


お母様が優しく微笑んで両手を差し出してくれた。


後ろで戸惑うお兄様とシリルにも微笑みを浮かべる。


「三人ともおいで」


お母様に手を置いていたお父様も優しく笑って声をかけた。


私が一歩歩き出すと続くようにテオドールお兄様とシリルがついてくる。


「お母様…大丈夫ですか?」


お兄様が目が赤いお母様を心配するように覗き込むと


「ええ、大丈夫よ。みんなは食事は終わったの?」


「はい、なのでこれからマリーとシリルに本を読んであげようと思って…でも勉強の時間があるので少し時間を変えられないかと相談に…」


テオドールが気まずそうにそう話すと語尾を弱めた…


伺うようにお父様をちらっと見つめると


「おとうしゃま!わたしたちおにいちゃまにごほんよんでほしいの…」


お兄様でなく私のわがままなんだと言ってみたが…やはりダメだろうか…


だが私はどうしてもお兄様がシリルに本を読む所を見たいのだ!


お父様たちのラブラブタイムを邪魔しちゃったしな…難しいか…


眉を下げて伺うようにお父様を見つめた。


三人でお父様の言葉をじっと待っていると…


「もちろんいいよ、テオドール、妹と弟のお世話を頼むぞ」


ジェラートお父様が笑ってお兄様の頭に手をポンッと置くとサラサラの髪を撫でている。


お父様に撫でられて嬉しそうなお兄様の顔!!


頬をほんのり赤らめて…いつもかっこいいお兄様が可愛く見える。


お兄様は攻めかと思っていたが…逆もありか?


私がじっとお兄様の嬉しそうな顔を見つめていると…


「なに?マリー…」


あまりに見つめすぎてお兄様が目を逸らしてしまった…


「おにいちゃまかわいくてみすぎちゃった…ごめんなさい」


ペコッと頭を下げて謝っておく。


「可愛い…?」


お兄様は私が可愛いと言ったことにちょっとショックそうな顔を見せた!


「ねーシリル、おにいちゃまかわいいよね」


私はシリルにも同意を求めると


「うん…」


シリルも伺うようにしながらも笑顔で頷いた。


うんうん!やっぱりお兄様の事が好きなんだね!


「もう、二人とも…そんな事言うとご本読んであげないよ!」


お兄様がプクッと頬を膨らませて怒るとお母様とお父様が後ろで吹き出した。


驚いて三人で後ろを振り返ると笑顔で涙を流し抱き合う二人がいた。


そんなに面白い事言ったかな?


私達は首を傾げて見つめ合った。

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