ここって天国?BLの世界に転生しました!

ナナシ

出会い

マリーは何やら騒がしい様子に目を覚ました…


目を擦りベッドから起き上がると、いつもなら誰かしらいるのに今日は誰も居ない…


おかしいなと思ってベッドから降りるとそっと外の様子を伺う…


するといつもなら静かな廊下を従者やメイド達が慌ただしくかけていた。


「なんかあったか?」


マリーはこっそりとメイド達のあとをつけた…


気づかれないように後をつけると、いつもなら行くことの出来ない廊下の道が開いている!


「あっ!鍵が開いてる!」


どうやらその先で何かあったのか慌ただしく人が出入りしていた…


カーテンの裏に隠れて様子を伺っていると人の行き来がピタッと止まった!


チャンスとばかりにマリーはその先へと足を踏み入れた…


薄暗い廊下を進んで行くと…前から人が来る足音が聞こえる!


せっかくここまで来たのに見つかったら絶対戻される!


マリーはとりあえず入れそうな部屋に飛び込むと身を潜めた…


足音が通り過ぎると…ほっと息を吐く。


ふふ…なんかリアルかくれんぼみたいじゃない?


マリーはいつもとは違う刺激的な感じにワクワクしてきた。


「ここは何処だろ…」


そうっと部屋の中を確認していると…ガチャ!


飛び込んだ部屋の扉が閉まった…


「えっ?」


見るとどうやら開いていたので誰かが外から閉めてしまったようだ…


こりゃやっちまったか?


マリーはうーんと考えると、


まずは大声で助けを呼ぶ…これは実質リタイア、最後はみんなに怒られて終わりだね。


そしてもう一つはどうにかしてここを抜け出し、何事もなかったように部屋へと帰る!


すれば怒られないし、私の勝ち!


「よし!とりあえじゅへあのかくにんだにゃ」


私は何か他の扉がないか探してみた…すると壁の恥に小さな穴がある!


服が汚れてしまうかもしれないが今の大きさならどうにか通れそうだ。


マリーは迷うこと無くその穴に入っていった…


ハイハイをしながら中を進んで行くと…モゾッ…


奥で何かが動く音がする!


「はっれ?なんかいる?」


マリーは小さい声で呟くが反応がない…


ん?気のせいか?それかネズミとか動物かな?


あっそういや異世界の動物事情ってどうなってるんだろ…


そんな事を考えながら先に進むと…ムギュ!


何かにぶつかりマリーは顔をぶつけた。


「いちゃい!」


思わず声が出ると


ビクッ!


何かが驚いて反応している…


「や、やっぱり…だれかいりゅの?」


マリーは声を出しながら手を伸ばすと…何か温かい物が手に触れた…


「ん?これは…」


ぺたぺたと触るとそれは怯えるように震え出した!


「あっ!ご、ごめんなしゃい!」


マリーはすぐにその手を離すとゴンッと頭を下げた!


その頭は地面にぶつかり蹲る…


「うぅぅ…いちゃい…」


マリーが頭を抑えて悶えていると…


「い、いたい…」


声が返ってきた。


あっ子供だったのか…かくれんぼして帰れなくなったのかな?


マリーは頭を押さえながら起き上がると…


「はは、あたまぶちゅけちゃった」


少し腫れたおでこを見せるが真っ暗の中それを確認する事は出来ない…


しかしその子は暗闇に慣れているのかマリーの怪我をそっと触った…


「いたい…」


「うん?だいじょぶよこのくらい、なめちゃらなおるわ」


マリーが笑うと


「なめる…なおる…」


ボソボソと呟く。


「あなちゃどうしたの?かえれないの?」


迷子かなとマリーが聞くが返事はない…でもここから動く気はないようだ…まるで怒られた子供がこっそりと隠れているように感じた。


マリーは少し考えると


「ねぇいっちょにでない?」


見えてるかわかないがにっこりと笑いかけた。





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