嘘と微熱〜甘美な一夜から始まる溺愛御曹司の愛執〜
一章 はじまりはひとつの嘘/三、嘘で壊れた境界線【3】
少しだけ怖いのに、胸の奥からは喜びが込み上げてくる。
ずっと妹のようにしか見てくれていなかった好きな人。
それなのに、今だけは女性として見てもらえている。
オミくんが私を恋愛対象にしてくれないことはわかっていたからこそ、身体だけでも女性として求めてくれていることが嬉しかった。
「茉莉花もそんな顔ができるんだな」
「……そんな顔って?」
「俺が欲しい、って目をしてる」
瞳に熱を孕んでいたのは、どうやら私も同じだったみたい。
指摘されて羞恥を抱いたけれど、視線を伏せながらも小さく頷いた。
「うん……。今夜だけは私にオミくんをちょうだい」
最初で最後、たった一度きりのこと。
そう思うと、不思議なほど大胆になれた。
「そういうセリフ、いったいどこで覚えてくるんだ」
箱入り娘のくせに、と彼が笑う。その表情は、どこか雄臭さを纏っている。
次に開こうとした唇は、キスで制されてしまった。
最初から舌を搦め取られたくちづけはすぐに深くなり、私の唾液や呼吸すら奪っていく。
そのさなか、スカートに入れていたパステルブルーのブラウスの裾が捲られ、ついでとばかりにキャミソールまでたくし上げられる。
抵抗する間もなく、骨ばった手が直接肌に触れた。
くすぐったいような感覚に、身体が小さく跳ねる。
臍周りをゆったりと撫でる手つきは優しいのに、まるで私の身体の形を確かめるようでもあって。キスに翻弄されながらも、羞恥が徐々に膨らんでいく。
キスを堪能していた唇が首筋に下りていくと、戸惑いはあるのに甘苦しさが和らいだせいで、少しばかり余裕ができてしまって余計に恥ずかしくなった。
「この程度で恥ずかしがってどうするんだ。これから全部脱がせて、身体の隅々まで触れて舐めて……そうやって俺に自由にされたあと、俺を受け入れるんだよ?」
クスッと笑うオミくんは、どこか楽しそうに見える。
悪戯に瞳をたわませる顔つきが、なんとも色っぽい。知らない表情を見せる彼に、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。
「あっ……!?」
不意に鎖骨を舐められ、少しずつ上に向かっていた手が双丘に触れた。
弾力のある膨らみを下着越しにやんわりと揉まれて、勝手に吐息が零れてしまう。
「茉莉花って、華奢だけど胸は大きいよね。すごくそそられる」
喜悦交じりの声が鼓膜をくすぐる。
「ここ、誰かに触らせたことはある?」
そんなこと、あるわけがない。
キスもその先も、すべてが初めてだというのに。
咄嗟に首をブンブンと振れば、オミくんが満悦の笑みを浮かべた。
「そう。じゃあ、本当になにもかも初めてなのか」
いつの間にか、彼は両手で胸を揉みしだき始めていた。
布ごと撫でられていると肌がこすれ、鋭利な感覚が生まれて。小さな蕾が過敏に反応し、ピリピリと痺れた。
知らない感覚ばかり与えられ続けている身体は、すでに受け入れるためのキャパシティーを超えている。
それなのに、容赦のない責めはとどまることはなかった。
「……やっ!」
右の膨らみを弄んでいた左手が下着を押し上げ、そのまま突起を摘まんだ。
じんっ……と電流のような刺激が広がり、思わず腰が引けそうになる。
けれど、オミくんはそれを見透かすように膝で私の両脚を押し開き、右手で内ももを撫でた。
上半身と下半身を襲う手に追い詰められていく。
多少の知識は持っているつもりだったけれど、現実に味わう感覚は想像を絶するほどの刺激で、私の身体に甘やかな痺れをもたらした。
「言っておくけど、セックスってこんなものじゃないからね」
彼の口から聞くなんて考えたこともなかった言葉が耳元で落とされ、頭がおかしくなりそうだった。
反して、オミくんはどこか余裕そうな微笑を纏っている。
それでいて、彼の手技は未経験の私ですら抜かりがないとわかるほど鮮やかで。ブラウスもキャミソールも剥がれ、ついには下着まで外されてしまう。
ストッキングはどこに行ったのかもわからず、サイドのファスナーを下ろされていたスカートはもうほとんど役割を果たしていない。
ずっと妹のようにしか見てくれていなかった好きな人。
それなのに、今だけは女性として見てもらえている。
オミくんが私を恋愛対象にしてくれないことはわかっていたからこそ、身体だけでも女性として求めてくれていることが嬉しかった。
「茉莉花もそんな顔ができるんだな」
「……そんな顔って?」
「俺が欲しい、って目をしてる」
瞳に熱を孕んでいたのは、どうやら私も同じだったみたい。
指摘されて羞恥を抱いたけれど、視線を伏せながらも小さく頷いた。
「うん……。今夜だけは私にオミくんをちょうだい」
最初で最後、たった一度きりのこと。
そう思うと、不思議なほど大胆になれた。
「そういうセリフ、いったいどこで覚えてくるんだ」
箱入り娘のくせに、と彼が笑う。その表情は、どこか雄臭さを纏っている。
次に開こうとした唇は、キスで制されてしまった。
最初から舌を搦め取られたくちづけはすぐに深くなり、私の唾液や呼吸すら奪っていく。
そのさなか、スカートに入れていたパステルブルーのブラウスの裾が捲られ、ついでとばかりにキャミソールまでたくし上げられる。
抵抗する間もなく、骨ばった手が直接肌に触れた。
くすぐったいような感覚に、身体が小さく跳ねる。
臍周りをゆったりと撫でる手つきは優しいのに、まるで私の身体の形を確かめるようでもあって。キスに翻弄されながらも、羞恥が徐々に膨らんでいく。
キスを堪能していた唇が首筋に下りていくと、戸惑いはあるのに甘苦しさが和らいだせいで、少しばかり余裕ができてしまって余計に恥ずかしくなった。
「この程度で恥ずかしがってどうするんだ。これから全部脱がせて、身体の隅々まで触れて舐めて……そうやって俺に自由にされたあと、俺を受け入れるんだよ?」
クスッと笑うオミくんは、どこか楽しそうに見える。
悪戯に瞳をたわませる顔つきが、なんとも色っぽい。知らない表情を見せる彼に、胸の奥がきゅうっと締めつけられた。
「あっ……!?」
不意に鎖骨を舐められ、少しずつ上に向かっていた手が双丘に触れた。
弾力のある膨らみを下着越しにやんわりと揉まれて、勝手に吐息が零れてしまう。
「茉莉花って、華奢だけど胸は大きいよね。すごくそそられる」
喜悦交じりの声が鼓膜をくすぐる。
「ここ、誰かに触らせたことはある?」
そんなこと、あるわけがない。
キスもその先も、すべてが初めてだというのに。
咄嗟に首をブンブンと振れば、オミくんが満悦の笑みを浮かべた。
「そう。じゃあ、本当になにもかも初めてなのか」
いつの間にか、彼は両手で胸を揉みしだき始めていた。
布ごと撫でられていると肌がこすれ、鋭利な感覚が生まれて。小さな蕾が過敏に反応し、ピリピリと痺れた。
知らない感覚ばかり与えられ続けている身体は、すでに受け入れるためのキャパシティーを超えている。
それなのに、容赦のない責めはとどまることはなかった。
「……やっ!」
右の膨らみを弄んでいた左手が下着を押し上げ、そのまま突起を摘まんだ。
じんっ……と電流のような刺激が広がり、思わず腰が引けそうになる。
けれど、オミくんはそれを見透かすように膝で私の両脚を押し開き、右手で内ももを撫でた。
上半身と下半身を襲う手に追い詰められていく。
多少の知識は持っているつもりだったけれど、現実に味わう感覚は想像を絶するほどの刺激で、私の身体に甘やかな痺れをもたらした。
「言っておくけど、セックスってこんなものじゃないからね」
彼の口から聞くなんて考えたこともなかった言葉が耳元で落とされ、頭がおかしくなりそうだった。
反して、オミくんはどこか余裕そうな微笑を纏っている。
それでいて、彼の手技は未経験の私ですら抜かりがないとわかるほど鮮やかで。ブラウスもキャミソールも剥がれ、ついには下着まで外されてしまう。
ストッキングはどこに行ったのかもわからず、サイドのファスナーを下ろされていたスカートはもうほとんど役割を果たしていない。
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