【コミカライズ原作】君とは二度、恋に落ちる〜初めましての彼に溺愛される理由〜
愛して止まない(1)
ベンチから歩いて十分ほどで、奏が泊まるホテルへ到着した。彼は普通のホテルと言っていたけれど、外観から高級感が溢れていて、つい恐縮してしまう。ホテルはルームチャージで取っているらしく、フロントで軽く手続きを済ませた後で部屋に通してもらった。
案内された部屋は思ったより普通だったけれど、窓から見える東京の夜景は、それだけで華美な空間を演出していて、特別な場所に来てしまったのではないかと錯覚した。
「ここで仕事してるんだね……」
「うん、ごめんね。ちょっと散らかってて」
「いやいや、全然綺麗だよ! 結構広いし」
「滞在が長いから、狭いと疲れちゃうしね」
地元で一緒に泊まったホテルとはまた違う雰囲気で、変に緊張してしまう。
ずっと喉が渇いていたことを思い出して、奏からもらった水をひと口飲み、気持ちを落ち着かせる。
おそらく、今から奏とそういうことをする。その為に場所を移動したんだから。わかっているのに、久しぶりだからかソワソワしてしまう。
「あ、あのさ……」
緊張を誤魔化すように口を開いたとたん、奏の腕に閉じ込められていた。
「……ずっと会いたかった」
「ふふ、ずっとっていつから?」
「……分かんない。だって、いつも会いたいから」
そう言って、抱きしめる腕をさらに強める。
少し苦しかったけれど、それほどまでに奏に想われているのだと思ったら、嬉しくてたまらなかった。私からも抱きしめ返すと、奏が「ねえ」と口を開く。
「さっきの言葉、もう一回言って?」
「さっきって、どれ……?」
おそらく、ベンチで話したことだと思うが、まったくどの話か予想がつかない。奏は耳元に唇を寄せると、わざと息を吹き込むかのように囁いた。
「俺のこと、どう思ってる?」
「ひゃっ……どうって……」
「さっき言ってくれた言葉、花梨の口からもう一回聞きたい」
「う……」
奏が求めてる言葉はもちろん分かってる。彼に直接伝えたのは、今日が初めてだから。
改まって口にするには少々恥ずかしさがあったけれど、これ以上奏を不安にさせたくなくて、同時に自分の気持ちを伝えたいと思い、小さく息を吸う。
「……好きだよ」
「誰を?」
「奏のことが、好き……」
言い切ると、そのまま耳元に口づけが落とされる。
「うん……もう一回言って?」
「ええ?」
「お願い」
「……好き」
「もう一回」
「っ……す、好き……」
甘えるように「もう一回」と言われる度に、気持ちを伝えていく。その度に、頬や、こめかみや、瞼に……至る所にキスを落としていくものだから、その気持ちよさが癖になって、何度も気持ちを伝えた。
「うん……俺も好き。大好き」
やっと満足したのか、奏からも気持ちを伝えてくれる。そして、散々キスの雨を降らせたあとで、奪うように唇が重なった。
小さく音を立てながら、角度を変えて何度も何度も唇が合わさる。掬うような口づけは、だんだんと深くなり、キスを交わしながらすぐそばのベッドの上にもつれ込んだ。
「……ふっ」
互いの気持ちを確かめるようなキスは、次第に性急なものに変わる。
すぐに唇を割って入ってきた舌先は、歯列をなぞりながら、奥で混ざりあう。すべてを飲み込んでしまいそうな深い口づけに、溺れてしまいそうだ。
口づけながら、しなやかな彼の指先が、器用に私のブラウスのボタンを外し始める。そして、もう一方の手が太腿を伝ってスカートの中に侵入したとき、ピクリと体が反応した。
「っ……奏、待って……」
「なに……?」
なんとか彼の腕を抑えるけれど、奏もどこか苦しそうな様子だ。
「お風呂、入ってないから……」
「いいよ」
「で、でも……」
「ごめん、今日は我慢できない」
言いながら、下半身に硬くなった彼の熱を感じる。奏はいつも、私の気持ちを一番に汲んでくれる。初めての時だって、途中でやめてシャワーを浴びさせてくれたくらいだ。
それでも、今日の彼にはそんな余裕はなくて、貪るように私を搔き抱いた。
「ん、ぁっ……」
肌に触れて、口づけて、時に噛みつくように……敏感なところに触れられるたびに、淫靡な声が漏れて、咄嗟に口を塞ぐ。奏は私の手を抑えつけると、あらわになった肌に唇を寄せ、懇願するように呟いた。
「声我慢しないで……全部聞かせて」
奏の唇から漏れる声が、吐息が、熱が……肌に触れるだけで、体は敏感に反応してしまう。
「花梨、愛してるよ」
どこか切なげな、熱をもった彼の声が耳に響くと、体の奥がどうしようもなく疼いた。
頭の先から足の指先まで、全身にくまなく奏からの愛が降り注がれていく。
狂おしいほどの愛撫に、頭の中が真っ白になり、心行くまで彼に抱かれたのだった。
案内された部屋は思ったより普通だったけれど、窓から見える東京の夜景は、それだけで華美な空間を演出していて、特別な場所に来てしまったのではないかと錯覚した。
「ここで仕事してるんだね……」
「うん、ごめんね。ちょっと散らかってて」
「いやいや、全然綺麗だよ! 結構広いし」
「滞在が長いから、狭いと疲れちゃうしね」
地元で一緒に泊まったホテルとはまた違う雰囲気で、変に緊張してしまう。
ずっと喉が渇いていたことを思い出して、奏からもらった水をひと口飲み、気持ちを落ち着かせる。
おそらく、今から奏とそういうことをする。その為に場所を移動したんだから。わかっているのに、久しぶりだからかソワソワしてしまう。
「あ、あのさ……」
緊張を誤魔化すように口を開いたとたん、奏の腕に閉じ込められていた。
「……ずっと会いたかった」
「ふふ、ずっとっていつから?」
「……分かんない。だって、いつも会いたいから」
そう言って、抱きしめる腕をさらに強める。
少し苦しかったけれど、それほどまでに奏に想われているのだと思ったら、嬉しくてたまらなかった。私からも抱きしめ返すと、奏が「ねえ」と口を開く。
「さっきの言葉、もう一回言って?」
「さっきって、どれ……?」
おそらく、ベンチで話したことだと思うが、まったくどの話か予想がつかない。奏は耳元に唇を寄せると、わざと息を吹き込むかのように囁いた。
「俺のこと、どう思ってる?」
「ひゃっ……どうって……」
「さっき言ってくれた言葉、花梨の口からもう一回聞きたい」
「う……」
奏が求めてる言葉はもちろん分かってる。彼に直接伝えたのは、今日が初めてだから。
改まって口にするには少々恥ずかしさがあったけれど、これ以上奏を不安にさせたくなくて、同時に自分の気持ちを伝えたいと思い、小さく息を吸う。
「……好きだよ」
「誰を?」
「奏のことが、好き……」
言い切ると、そのまま耳元に口づけが落とされる。
「うん……もう一回言って?」
「ええ?」
「お願い」
「……好き」
「もう一回」
「っ……す、好き……」
甘えるように「もう一回」と言われる度に、気持ちを伝えていく。その度に、頬や、こめかみや、瞼に……至る所にキスを落としていくものだから、その気持ちよさが癖になって、何度も気持ちを伝えた。
「うん……俺も好き。大好き」
やっと満足したのか、奏からも気持ちを伝えてくれる。そして、散々キスの雨を降らせたあとで、奪うように唇が重なった。
小さく音を立てながら、角度を変えて何度も何度も唇が合わさる。掬うような口づけは、だんだんと深くなり、キスを交わしながらすぐそばのベッドの上にもつれ込んだ。
「……ふっ」
互いの気持ちを確かめるようなキスは、次第に性急なものに変わる。
すぐに唇を割って入ってきた舌先は、歯列をなぞりながら、奥で混ざりあう。すべてを飲み込んでしまいそうな深い口づけに、溺れてしまいそうだ。
口づけながら、しなやかな彼の指先が、器用に私のブラウスのボタンを外し始める。そして、もう一方の手が太腿を伝ってスカートの中に侵入したとき、ピクリと体が反応した。
「っ……奏、待って……」
「なに……?」
なんとか彼の腕を抑えるけれど、奏もどこか苦しそうな様子だ。
「お風呂、入ってないから……」
「いいよ」
「で、でも……」
「ごめん、今日は我慢できない」
言いながら、下半身に硬くなった彼の熱を感じる。奏はいつも、私の気持ちを一番に汲んでくれる。初めての時だって、途中でやめてシャワーを浴びさせてくれたくらいだ。
それでも、今日の彼にはそんな余裕はなくて、貪るように私を搔き抱いた。
「ん、ぁっ……」
肌に触れて、口づけて、時に噛みつくように……敏感なところに触れられるたびに、淫靡な声が漏れて、咄嗟に口を塞ぐ。奏は私の手を抑えつけると、あらわになった肌に唇を寄せ、懇願するように呟いた。
「声我慢しないで……全部聞かせて」
奏の唇から漏れる声が、吐息が、熱が……肌に触れるだけで、体は敏感に反応してしまう。
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