閉じる

現代人のいろいろなお話

わたべ ゆう

SNSのトラブル*

私は真花。普通の中学生。
最近、SNSというものを始めた。

「あーツイッターが気になって勉強できない!」
私は携帯のほうを何度もチラチラ見てしまって集中できない。

「なんか忙しそうだね。」真奈が言った。

「うん、フォローしてくれたらフォローし返さないといけないし、コメントに返信しないといけないし、毎日人間の嫌な部分を凝縮したようなニュースを確認しなきゃいけないしね。」

「それ知る必要あるん?」
真奈ったら辛辣ぅー。

「まぁ、ないけど…。」
正直、知る必要ないと私も思う。

「トュルン!」と携帯の通知が鳴る。

「はっ!コメントきたぁ!フォロワーも増えてる!!なんて返信しようかなぁ。」
通知が来た瞬間に携帯をすぐに取り内容を確認した。
 
それを見て真奈がこう言った。
「たかがSNSの希薄な人間関係なんだからもっと気楽にやったら?」
「全てに対応して八方美人を続けてたら疲れるよ??」

「そうだけどさぁ…。」
確かに真奈の言うとおりかもしれない…。

「それに何かリアクションしてもらわないと続かない関係とかどのみち長くは続かないと思うよ。」

「コメントもフォローもみんな自分の都合でやってるんだからお姉ちゃんだって自分の都合でやりたいようにすればいいんだよ。」
真奈がどんどん詰めてくる。

「た、確かにそうかも…。」
悩みになやんだ私はついにそう言った。



いちいち返信してフォロー返ししなきゃと思い込む



「あーイライラするぅぅ!」
私はSNSの画像を見てそう言った。

「どした?」

「コレ見て!!」
そうSNSの画像を見せた。

「ん?ただのリア充じゃん、これがどうしたん?」

「自慢でしょ? こんな平日に高身長のイケメンと遊園地デートなんて羨ましいよ!!」
まずリア充の時点で羨ましすぎる。

「まぁ人それぞれだからなー。」そう真奈は返した。

「コレも見てよ!!!」
続いて他の画像も見せた。

「これもどうしたの?」真奈は何が何なのかよく分かっていない。

「いやこの女の子同級生なのに自分よりもはるかに凄いから嫉妬しちゃうの。」
ぐぬぬぬ…。

「お姉ちゃんは人の幸せの全てを恨んでのかよ…。」と真奈は言った。

「うーん、違うけど…。」
そういう訳ではない?といいたい。

「まぁ気持ちはわかるよ。」
「SNSで華々しい生活や輝かしい成功をアップしている人を見ると嫉妬したくもなるよね。」
「だけどSNSで見えてる部分なんて氷山の一角なんよ。それも一番輝いてる綺麗な部分から見えてない。」

また難しいことを言われた。
「一番綺麗な部分?」

「そう、私もゲームで1位になった時だけSNSに写真をアップしたりしてる。」
「でもその影で負けたり、泣いたり、血の滲むような地味な努力をしていることが多いじゃん。」

「確かにそうか。」
裏ではいろいろな努力をしているからこそ、SNSの画像のようなことができるのかもしれないな。

「それに見たくなければ見なければいい話だよ。」

嫉妬心に振り回されてしまうのであれば、凄く簡単な話で、見なければいいだけだ。
「そうだね!なんか心が軽くなったよ!」



SNSで人に嫉妬してしまう




「ん?うわ…また この人かぁ。」
私が投稿したSNSの画像のコメントにアンチコメントをするひとがいるのだ。

「なに?」と真奈は言った。
 
「いや、最近嫌なコメントばっかりしてくる人がいてさぁ。」

「そうなんか。」

「うん、 コレ見てよ!私"自然豊かな所で暮らしたい!"ツイートしただけなのに"田舎なめんな!マジ自然の驚異みくびりすぎ"ってきたの。」
酷い。なぜこんなことを言うのだろうか。

「酷くない?揚げ足取りじゃん!」

「誰でもいいから攻撃したい、ストレスが溜まってる人って何人かいるからね。」
「そういう人もいるか!って受け流すのが一番だよ。そういう人は無視しておけば、いつの間にか去っていくから気にするだけ無駄なんよ。」

それでも言われるとなんか嫌だ。
「でもイライラするよ!」

「大丈夫、多分そいつら今ごろ会社の上司に怒られてるから。」と真奈はジョークを言いながら最後にニコッと笑った。

「あはは、 そうかも!」
少し心が晴れたかもしれない。



アンチに悩まされる



「やばい!どうしよう!フォロワーが3人も減ってる!」
私はすごくガッカリした。

「しかも友達だと思ってた"なし子"からもブロックされてる…。やっぱコメントに返信しなかったのがダメだったんだ。」
と原因は大体掴めている。でも悔しい。

「今すぐ映える写真アップしてフォロワー増やさないと…。」

「わかりやすくSNSに振り回されてるね。」とゲームをしていた真奈がひっそりと言ってきた。

「うわぁぁぁ」と私はそれに驚いた。
「だって嫌われたくないよぉ。」
 
「フォローを外す理由なんてたくさんあるじゃん。"乗っ取られた" "趣味が変わった" "アカウントを消した"とSNSなんて簡単に繋がれる裏に簡単に離れることもできるからいちいち気にしすぎだよ。」

「そうだけど…。」

「お姉ちゃんのフォローをやめたやつは今なんも考えずに友達とゲームしてるよ。」
「もしくは美味しいステーキでも食べてるかもね。」

「え?」
私は思わず応えてしまった。

「つまり相手は何も考えてないってこと。自分の頭の中であれこれ想像すればするほど生きづらくなっちゃうよ。」

「わ、わかった!」
そうか、相手は何も考えたりしていないのか。やっぱり気にしすぎだったのか。



いきなりフォローを外されると不安になる



「あーやばい…苦手な友達からフォローされた!!どうしよう…。」
ついに苦手な子に絡まれてしまった。

「苦手なら無視すればいいんじゃない?」

「いや今日学校でその子に"フォローしたからフォロー返してね"って言われてさー。」
こう言われたらもう関わりざるを得ないよな。

「ほぉ。」

「うーん、 フォローするしかないのかなぁ…。さっきちょっと覗いたら意味わからんポエム呟いてたし…。」
「あぁ視界に入れたくない!でも人間関係ギクシャクしたくないしなー。」

「どぉしたらいぃんだぁぁぁ!!!」
私はもうどうしたらいいのか分からなくなり叫んでしまった。

「落ち着いて…いい方法がある!」

「なに?」

「"自分の好きなゲームしてる人限定"とか"地域の友達限定"とかの理由で断るんだよ。これなら相手を傷つけずにすんなりと断れるよ。」

「お姉ちゃんだったら"大食いの人限定"とかでもいいんじゃない?」

「なるほど!!それいいね!!」
ってん?


 
苦手な人からの友達申請が断れない





ご拝読いただきありがとうございます!
次作は「ブスにしか分からない感情」です!

to be continued…

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く