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現代人のいろいろなお話

わたべ ゆう

子供の頃に勘違いしてたこと*

私は真花。普通の中学生。 
知らないことがたっくさんある。

「スイカ美味しいね。」
私はスイカをガツガツと食べる。

「うん。」
という真奈の返事と同時に、スイカのたねを「ぺっぺっ」と吐き出した。

「真奈、スイカのたね食べないんだ。」

「いや食べないだろ!」
私が質問したらすぐに答えが返ってきた。

意外だなー。
「え、私めんどくさいからたねも飲み込むよ?」

「知らんのか?スイカのたねを食べるとお腹でスイカが育つんだよ。」

「ええええええ!!お腹にスイカができるの!?」
私は今日一番驚いた。そんなことがあるのか?

「よく考えてみて。お腹は程よい湿度や温度で保たれてる。スイカが育つにはめっちゃいい環境じゃん?」

真奈が続けて脅してした。

「で、で、で、どうなるの!?」
私は驚いた表情でとても震えた。
だけどちょっとだけ好奇心があり、続きを聞いてみた。

「最後には圧迫死する。」

「圧迫死ぃぃ!?」
怖い怖い怖い怖い…

「ほんとに男性がスイカを食べた次の日に死んだんだ。」

うわああああああ!!!

「お姉ちゃん…うそだよ。」
真奈は笑いながらそう言った。

は?

え、妹に騙された?



スイカのたねは飲み込むとお腹にスイカができる



「真奈!変なうそはやめてよ…信じたじゃん!」
はぁ、ほっとした…。

「お姉ちゃんは何でも信じるね。じゃあ、サンタさんはいると思う?」

妹よ、何を言っているんだ。いるに決まっている。
「え?サンタはいるでしょ。」

「いや、親だよ?」
また笑いながらそう言った。

ええええええええ!

「うそだぁぁ!」 
親?そんなはず…あるわけない!

「クリスマスに薄目で見たんだよ。深夜にサンタの格好したおっさんを…よくみたらお父さんだった。」

おっさん…。

「ええええええ!!サンタは親…なの…。」

「うん。」
真奈ははっきりと返事した。

夢が…こわれた…。

いや、まて!なぜそんな嘘をつくのか?これも騙されているのでは??
「目的はなんなの!?何で嘘つかれてたの!?なんかしたら食べられるの!?」



サンタはいると思っていた



「じゃあ…キスしたら子供ができるもうそ!?」

「うそでしょ。」
真奈は少し悩んで答えた。

「何で!?」
単純に気になる…!

「んー…やっぱりキスすると子供ができるかも。」

勝ったぞ!私の勝利だ!

「よっしゃぁ!やっぱりそうだったかぁ!」



キスしたら子供ができる



私はどんどん疑問を妹にぶつける。
「ならさ、夜に口笛吹いたら蛇が来るはうそ!?」

「うそだよ。」

「酷い!なんで…なんでうそだらけなの!踊りながら口笛吹くの我慢してたのにぃぃ!」

真奈は呆れた顔でこう言った。
「そんなやつが出てくるから迷惑だったんだろうね。」

私は真実を知ってこう思った。
「はぁ、私なんにも知らないんだなぁ。」

すると真奈は慰めるかのように言った。
「"無知の知むち ち"って言って哲学者のソクラテスは、自分が無知であることを知っているという点に、知った被ってる人よりわずかに優れていると考えたんだよ。」

「ほぉ…?」
急に難しいことを言われ、こう答えるしかなかった。

「で、お姉ちゃんは何も知らないってことを知ったじゃん?だからお姉ちゃんは1歩進んでるんだよ。」

「落ち込むことはないよ。」

「うん!」
私は涙目で微かに笑みを浮かべた。



夜に口笛吹いたら蛇が来る




ご拝読いただきありがとうございます!
次作は「世界に1つのツーブロック」です!

to be continued…

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