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ポンコツ扱いされて仕事をクビになったら会社は立ち行かなくなり元カノが詰んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

第29話:JK社長の日常の仕事とは


 おじいさんとおばあさんは、客間で寝てしまった。まだ夜の10時だけど、お年寄りは寝る時間が早いというのは本当らしい。

 俺たちはさすがに10時には寝られないので、2階に降りてきて「作戦会議」をすることになった。


「コーヒーです」

「ありがとうございます」


 東ヶ崎さんが今度はコーヒーを準備してくれた。


「えーっと、俺って高鳥さんの会社の社員……ってことでいいのかな?」

「高鳥さんー?」


 高鳥さんが不機嫌な表情を浮かべて聞いてきた。圧が凄い。


「さ、さやかさん」

「はい♪ これからは、さやかでお願いします♪」


 エンジェルスマイルで答えた。鬼か天使かを選ぶとしたら、俺は迷わず天使を選ぶ。今後は、さやかさんと呼ぶことにしよう。


「あと、狭間さんは『社員』じゃなくて、『役員』です。役職名は『専務』を考えてます」

「え!? 専務!?」


 専務というと、裕子さん……元の会社の専務、山本裕子さんを思い出してしまう……


「現状、私、漠然と青果卸業ってしか考えてないので、仕入れ先の確保と納入先候補のリストアップをお願いします」


 丸投げ!? 会社としてどうやって利益を上げるかって部分は!?


「あと、平日昼間は私、学校に行きますし、学校が終わったらこれまで通りバイトに行きますので」

「ええ!?」


 社長が高校に通うってのも面白いと思うけど、それは応援したい。高校生だし。でも、バイトは!? なんで!?


「ふふふふふ、私に考えがあります。楽しみにしていてください」


 あ、高鳥さん改め さやかさんが悪い顔をしている。この人はこの顔が似合う。顔が整っている分、余計に怖い。


「不安ですか?」


 さやかさんが俺の顔を見て訊ねた。


「まあ……なにぶん、初めての事ばかりで……」

「大丈夫ですよ、狭間さんはあのおじいちゃんに頭を下げさせた男ですから」


 そういえば、さっきのおじいさんが頭を下げた時、さやかさんと東ヶ崎さんが驚いた表情をしていた。


「そんなにすごいことですか?」

「おじいちゃんが頭を下げてるの初めて見た」


 それだけ孫娘が心配で、実行部隊の俺に頑張れよってことかな。責任は重大だ。


「あと、早速、パワハラなんですけど、狭間さん、私と付き合ってください」

「え!?」


 時間が止まった。「○○に行くから付き合ってください」的なお約束だよね!?


「……その、会社で見かけた時から気になってて……農家さんとかとの関係とか見ても尊敬できて……ずっと好きでした」


 違ったー! いや、違ってなかったー!

 さやかさんに、恥じらいと緊張の表情が浮かぶ。そして耳まで真っ赤。それこそ湯気でも上げそうな勢いだ。いたずらではなく、本気で、勇気が必要だったと見て取れた。

 さやかさんにはいい印象しかないし、一緒に出かけた時はすごく楽しかった。こんな子と付き合えたらと勝手に俺も同年代の高校生になった想像をしたこともある。

 でも、歳が10個も違う俺と彼女が付き合うなんてファンタジーだと思っていた。


「パワハラならしょうがないですね。よろしくお願いします」


 普通に告白されていたら、断っていただろう。断るというか、辞退というか。彼女はまだ若いし、すぐに気が変わるかもしれない。

 俺も裕子さん…前の会社の専務のことを引きずってないと言えば嘘になる。一時は心が通じ合ったと思った。

 そう、あのキスの時までは……


 恋愛に臆病になっていたところは否めない。ところが、これは「パワハラ」なのだから、しょうがない。

 こんなパワハラなら、いつでも喜んで受けたいものだ。

 それにしても、付き合い始めること一つでも、言い訳というか、大義名分というか、そんなものが必要になるなんて、歳をとると面倒になるもんだ。

 俺も照れくさそうにしてたのを見て、東ヶ崎さんがものすっごい温かい目で俺たちを見守っていたのが印象的だった。

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