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ポンコツ扱いされて仕事をクビになったら会社は立ち行かなくなり元カノが詰んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

第15話:狭間さんの営業トークとは


 店を出る前にちょっとトイレに行ったのだけど、戻ってきてから高鳥さんの様子がおかしい。

 またマスターに揶揄われたのだろうか。冗談が好きな人だ。ただ、高鳥さんを揶揄ってもらったら困るんだけど……


 ■ 高鳥たかとりさやか サイド


「あ、ごめん、ちょっとトイレ行ってくるよ」

「あ、はい」


 食事が終わったら、退店する前に狭間さんがトイレに行った。さりげなく会計を済ませる……そんなのではなく、普通にトイレに行った。


「どうだった? うちの料理は?」

「あ、美味しかったです」


 マスターに話しかけられた。


「あなた、そんな聞きかたしたら、美味しかったしか言えないじゃないですか」


 横で配膳を手伝ったり、料理を手伝ったりしているのは奥様みたい。ご夫婦でお店をやっているなんて素敵。

 あの、つばめさんって可愛い感じで、狭間さんとの関係も気になる……


「うちと狭間くんとの関係はもう長くてねぇ」


 話好きのマスターらしく、聞いていなくても次々情報が出てきて、次々話題が変わっていく。

 会話が進まない初々しいデートのお客さんだったらいい雰囲気になるかも。きっとこのお店にマスターは合っているのでしょう。


「彼はね、仕事の関係だけじゃなくて、こうして時々食べに来てくれるんだよ」

「そうなんですか」


 人がいい狭間さんらしい。つい、笑いが出てしまった。


「ただ食べに来るだけじゃないんだよ。母親とか、彼女とか自分の大切な人を連れてくるんだよね。こりゃ、料理人として力を入れない訳にいかないでしょ!?」

「かのっ……」


 私は狭間さんの彼女に見えてるってこと!?

 そか、さっき空心菜の話をしてた時には営業に来たと思ってたけど、ダシに使われた訳じゃなかったのか……


「つばめに強力なライバルが出現したなぁ」

「お父さん! いい加減にして! 年齢的にシャレになってないから!」


 つばめさんがどこからか登場した。

 たしか、狭間さんは28歳くらい。つばめさんは20代半ばという感じだろうか。配達とかでもちょくちょく来ていただろうし、顔見知りなのかもしれない。

 ちょっと複雑な気分だった……


 *


 お店を出て車に乗った。


「狭間さんの営業トークって営業っぽくないんですね」

「ははは……一本取られたな。俺って営業らしくないからなぁ。自覚はあるよ……」

「あ、悪い意味じゃなくて。自然っていうか、普通の会話っていうか」


 それでも売上は社内2位で、他の人に売上をあげちゃってる分まで入れたら、実際は1位かもしれない。

 あのあと、狭間さんは忘れずに空心菜を1束、2束裏からマスターに差し入れしていた。

 あんなにおいしかった空心菜。豚肉とも合うって言ってたからピザもアリかも。チーズとの取り合わせは分からないけど、そこはプロの腕の見せ所なのかも。


「ほら、今日とか料理にしてくれてたじゃない? 実際自分で食べてみたら美味しいとか感動があるよね? 売込みっていうか、感動を伝えに行ってる感じ? そう言うとカッコ良すぎか……」


 器用ではないけど、その人柄がすごく伝わる人。仕入れ元の農家さんにも納入先のお店にも好かれている人。私の計画・・・・にはこんな人が必要。

 でも、会社からの評価はなんであんなに低いんだろう?

 それこそ、会社をクビになってしまう程に……

 車の窓から見える景色を見ながら考えても答えは見つからなった。

 考えていると、ちょくちょく さっきのつばめさんのことが思い浮かぶのも考えがまとまらない要因の一つでもあった。

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