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ポンコツ扱いされて仕事をクビになったら会社は立ち行かなくなり元カノが詰んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

第1話:まさか俺が会社をクビになるとは


狭間新太はざまあらた、あなたはクビよ」


 何がいけなかったのか!? まさか、日々一生懸命働いていた俺がクビになるなんて。高校卒業して10年勤めあげた会社にポンコツ判定されてしまったらしい。

 なにが悪かったのか、俺は自分の仕事について思い出していた。

 俺の仕事は野菜の仲卸という割と珍しい仕事だ。青果市場や仲買人、生産者から野菜を仕入れて、ホテルや料亭、個人店、場合によっては青果店などにも野菜を卸すのが仕事だ。

 会社が競り落とした野菜を保冷車に積んで担当のお客さんのところに運ぶ。これが俺の仕事だ。

 ただ運ぶだけではなく、料理人は日々新しい食材を探しているから季節の野菜や、目新しい野菜、人気の野菜を提案することもある。

 ホテルなんかでは急に大量の食材が必要になることもある。普通に集めても集まらないような数をかき集めて何とかするのも仲卸の仕事だ。

 予約しないと手に入らないような珍しい食材も電話一本で確保するのは俺たちだ。

 自社で競り落とした野菜で全てが賄えないことは日常なので、他社との連携も必要だ。自社で売りさばけない野菜を他社に引き取ってもらう場合も連携は重要だ。

 俺は今の会社に10年勤めていることもあって、他の会社の人とも連絡を取っていた。中にはそれが面倒だということで、他の同僚の連絡係もやっていた。

 伝票だって他のヤツの分も書いてやったし、取引先との関係も良好だ。それなのにどうして!?


狭間新太はざまあらた、あなたはクビよ。懲戒解雇だから明日から会社に来ないで」


 狭間新太……間違いなく俺の名前だ。

 会社の事務所に戻ってきたときに、みんながいる前で言われた。ずっと勤めてきた会社だし、それなりに愛着もある。

 多少嫌な思いをしたこともあったけれど、こんな一方的に解雇されるなんて。視界がゆがみ倒れそうになるのを必死にこらえた。


「専務! なぜですか!? 理由を教えてください!」


 10歳年上の専務は女性。入社当時は色々と可愛がってもらったのに! 俺は若いからという理由だけで可愛がってもらっていた。デートにも連れて行ってもらった。

 しかし今、目の前にいる彼女の眼は怒りに満ちている。


「しらばっくれるのもいい加減にしなさい! あなた、不正に取引口座を作っていたし、着服もあるわよね! 刑事告訴も覚悟しておくことね!」

「そんな! 何かの間違いです! ちゃんと調べてください!」


 慌てて専務に弁解した。それに反して、専務は冷たくさげすむような視線を俺に投げかけ、続けていった。


「あなたにはストーカー疑惑もあるわ。民事でも訴えることになりそうね」


 これは……残念だけど、少しだけ心当たりがある。まだ……専務に……裕子さんに……山本 裕子やまもとゆうこさんに思いがある……この瞬間、俺の長年に及ぶ片思いも終わったのだった。

 倒れ込むように椅子に座った後、俺はどうやって家に帰り着いたのか覚えていなかった。


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