遥か夢こうのデウス・エクス・マキナ
第四章 第一話 荒野の狩猟
場所は荒野、開けた大地を走り抜ける反重力車があった。中にいるのはそう、イゼと楓である。現在は工業都市ルピスを離れて遠めの商業都市を目指している、というのも近くにも商業都市はあるのだが、楓が探しに来た工房の人たちに捕まる可能性があるので遠めにしようという話になったのである。
「それで?イゼちゃんはずっとスラム街で暮らしてたんだ」
「うん、でも特別不便ってこともなかったしみんな優しい人ばっかりだったよ」
先ほどからこのようにお互いの自己紹介も含めつつ自分の身の上話をしつつ移動を続けている。イゼにとっては知らない話ばかりなので喰いつきも良く楓も少し誇らしげに話していた。しばらくそうしていると日も高くなってきた。
「一旦ここら辺で昼休憩にしようか、イゼちゃんは料理は…できないよね」
「…うん、楓は?」
「………無理」
先ほどまでの明るい雰囲気とは一転、何とも言えない空気が漂う。
「ま、まぁ自動キッチン備わってるし?多分何とかなるでしょ」
この超大型反重力車それなりの施設が整っており、超大型の名に恥じないほどの施設数がある。勿論購入するには莫大な資金が必要となるし維持費についても馬鹿にならない、それを若い年で所有する楓は相当なものだろう。
自動キッチンのあるスペースに移動しタッチパネルを操作し決定ボタンを押す、すると指定されたメニュー通りの加工食品が出てくるというわけだ。二人はそれぞれの昼食を決め席へとつく、そしてあっという間に二人とも完食するのであった。
食事を終えた二人はまた移動のために操縦席へと向かう、そこで二人を待っていたものは点滅する一部のパネルであった。
「親父、レーダーに反応が」
「どれくらいだ」
「1です、ただ相当でかいです」
場所はとある荒野の地下、つぎはぎの鉄板が敷き詰められた部屋にはいくつもの計器盤が乱雑に置かれている。その中のレーダーに一つ反応があるものがあった。
「そいつの後方はチェックしたのか」
「へい、追っかけはいませんでした」
「よし」
巨漢の男が椅子から立ち上がる、その拍子に酒瓶だろうか、いくつかが倒れがらんがらんと音を立てて転げ落ちる。
「お前ら、狩りの時間だ!絶対に逃がすな!」
「「「おぅッ!」」」
「久しぶりの狩りだ、盛大に楽しもうや」
男達が部屋から立ち去る、数分後がらんとした部屋に複数の機械の作動音が響くこととなった。
「楓、これ何?」
イゼがパネルを指さす。
「…これはね機動兵器が近づいてきているサインだよ、これは…所属不明機が4機。地下から来てる、イゼちゃん今すぐ出れる?」
「問題ないよ、じゃあ準備してくるね」
「任せた」
イゼがマキナを置いてある格納庫へと向かい、楓は操縦席へとつき反重力車の速度を上げる。できれば友好的な相手だとありがたいのだが、この何もないような荒野の通り道で尚且つ所属不明機となると十中八九盗賊だろう。わざわざ分かりにくい地下から出てくる必要性がない、超大型反重力車を守りながらの戦いとなるのだがうまくいくだろうか、そのような不安がよぎるも何とかこの場を切り抜けるしかないそう考える楓であった。
「楓!準備出来たよ」
無線を通して楓へと合図を送るとすぐさま返事が返ってくる。
「了解!それじゃあ固定装置外すよ、私も何とか応戦するから頑張って」
ガコンという音と共に固定装置が外れ前方のハッチが開ききる、そこから一気に飛び出し地面へと着地する、出てきたマキナをよく見ると形が全く違うものではあるが今までなかった片腕が装着されていた。着地するタイミングと同時に地面に急に穴が開きそこから4機の機動兵器が飛び出してきた。
「おい、そこの車一旦止まって積み荷全部おいていきな、そしたら命だけは助けてやんよ…ん?おいおいおいおい、綺麗な機動兵器じゃねぇか。ついでにそれも置いていきな」
一機だけ色の違う機動兵器からそのような男の声が聞こえる。
「やっぱり賊だね…イゼちゃん気を引き締めていくよ!」
「よぉし、新しくなったマキナの力見せつけてやる!」
反重力車をバックさせながら移動それに続くようにマキナを移動させる。
「ほぉん、どうやらやる気のようだな!いいだろうお前ら!存分に暴れてやれ!」
盗賊の機動兵器が様々な武器を構える、それに対応するようにマキナも戦斧を構える。こうして荒野の戦いが今始まったのであった。
「それで?イゼちゃんはずっとスラム街で暮らしてたんだ」
「うん、でも特別不便ってこともなかったしみんな優しい人ばっかりだったよ」
先ほどからこのようにお互いの自己紹介も含めつつ自分の身の上話をしつつ移動を続けている。イゼにとっては知らない話ばかりなので喰いつきも良く楓も少し誇らしげに話していた。しばらくそうしていると日も高くなってきた。
「一旦ここら辺で昼休憩にしようか、イゼちゃんは料理は…できないよね」
「…うん、楓は?」
「………無理」
先ほどまでの明るい雰囲気とは一転、何とも言えない空気が漂う。
「ま、まぁ自動キッチン備わってるし?多分何とかなるでしょ」
この超大型反重力車それなりの施設が整っており、超大型の名に恥じないほどの施設数がある。勿論購入するには莫大な資金が必要となるし維持費についても馬鹿にならない、それを若い年で所有する楓は相当なものだろう。
自動キッチンのあるスペースに移動しタッチパネルを操作し決定ボタンを押す、すると指定されたメニュー通りの加工食品が出てくるというわけだ。二人はそれぞれの昼食を決め席へとつく、そしてあっという間に二人とも完食するのであった。
食事を終えた二人はまた移動のために操縦席へと向かう、そこで二人を待っていたものは点滅する一部のパネルであった。
「親父、レーダーに反応が」
「どれくらいだ」
「1です、ただ相当でかいです」
場所はとある荒野の地下、つぎはぎの鉄板が敷き詰められた部屋にはいくつもの計器盤が乱雑に置かれている。その中のレーダーに一つ反応があるものがあった。
「そいつの後方はチェックしたのか」
「へい、追っかけはいませんでした」
「よし」
巨漢の男が椅子から立ち上がる、その拍子に酒瓶だろうか、いくつかが倒れがらんがらんと音を立てて転げ落ちる。
「お前ら、狩りの時間だ!絶対に逃がすな!」
「「「おぅッ!」」」
「久しぶりの狩りだ、盛大に楽しもうや」
男達が部屋から立ち去る、数分後がらんとした部屋に複数の機械の作動音が響くこととなった。
「楓、これ何?」
イゼがパネルを指さす。
「…これはね機動兵器が近づいてきているサインだよ、これは…所属不明機が4機。地下から来てる、イゼちゃん今すぐ出れる?」
「問題ないよ、じゃあ準備してくるね」
「任せた」
イゼがマキナを置いてある格納庫へと向かい、楓は操縦席へとつき反重力車の速度を上げる。できれば友好的な相手だとありがたいのだが、この何もないような荒野の通り道で尚且つ所属不明機となると十中八九盗賊だろう。わざわざ分かりにくい地下から出てくる必要性がない、超大型反重力車を守りながらの戦いとなるのだがうまくいくだろうか、そのような不安がよぎるも何とかこの場を切り抜けるしかないそう考える楓であった。
「楓!準備出来たよ」
無線を通して楓へと合図を送るとすぐさま返事が返ってくる。
「了解!それじゃあ固定装置外すよ、私も何とか応戦するから頑張って」
ガコンという音と共に固定装置が外れ前方のハッチが開ききる、そこから一気に飛び出し地面へと着地する、出てきたマキナをよく見ると形が全く違うものではあるが今までなかった片腕が装着されていた。着地するタイミングと同時に地面に急に穴が開きそこから4機の機動兵器が飛び出してきた。
「おい、そこの車一旦止まって積み荷全部おいていきな、そしたら命だけは助けてやんよ…ん?おいおいおいおい、綺麗な機動兵器じゃねぇか。ついでにそれも置いていきな」
一機だけ色の違う機動兵器からそのような男の声が聞こえる。
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