遥か夢こうのデウス・エクス・マキナ
第一章 第四話 覚醒と離別
「…ひょう爺の馬鹿、あんなこと言うなんて」
イゼはデウス・エクス・マキナの搭乗席であろう部分に向かい中へと入って行く。のだが、入ったはいいもののどうすればいいのか全くわからない。
中の空間は思ったよりも広さはあるもののひょう爺の言っていた通り二人分乗るようなスペースは無かった、また座席はついておらず恐らく足元の円形部分の上に立つのだろう。他に目に付くものはハンドルバー付きのパネルが前方に一枚、その横にはごてごてとしたガントレットらしきものが二つ設置されている。
以前操縦させてもらった旧時代の重機、クレーン車というらしいが。それにはレバーやハンドルがついており操作方法を教えてくれる人がいたから良かったものの、こんなものを動かした経験はもちろん無いしここまで来てあんなことを言ってしまった手前ひょう爺の所に戻ることもできない、というか戻る気もない。
とりあえず何かしてみようとパネルをつついてみる、反応は…ない。残るはこの重そうなガントレットぐらいである、意を決してガントレットを持ってみると。
「うわっ…!?とと…」
思っていた以上の軽さに驚く。何でできているのかわ全く分からないのだが、そのごてごてした部品の多さと行き届いた手入れから明らかに安物では無いという事が分かる。とりあえずガントレットを両手にはめてみる、と次の瞬間開いていた胸部の装甲部分が音を立てて閉じ始める。完全に閉じると中は暗闇に包まれ静寂が響き不安感を誘う。
数秒後前方のパネルが発光、イゼの白い肌を照らす。パネルにはloading…と書かれておりガントレットを付けた腕をぐっぱーさせながら待機する。
そこからさらに数分が経ちこのまま閉じ込められたままじゃないのかと不安になり始めた頃、一気に内部が明るくなり周辺の風景が内部に映し出される。映し出された風景の端っこにはよく分からないグラフや心電図らしきものもが多々ありすべてに目を通そうとすると目が回るほどである。
さてどうするかと考えていると外からガコンと何かが動き出す音が聞こえマキナの機体が上昇し始める、恐らく行先は地上だろうがどこに繋がっているのかは全く分からない上に身寄りのない状態でどこに行こうかと考えるイゼであった。
「行ったか…」
ひょう爺がマキナが上昇したのを見送ったのとほぼ同時、扉が切り落とされ中に男が入ってくる。
「爺ぃ…手間かけさせやがって、さっさと捕まれ!その前にあのガキもぶっ殺してやる!」
男は大変憤慨した様子でひょう爺に詰め寄ってくる。
「断る」
「てめぇ…賞金首のくせに調子こいてんじゃねぇぞ、おい。今どういう状況か分かってんのか?あぁ?」
「それはこちらのセリフだ」
そうひょう爺が呟いた瞬間今いる部屋の壁がガコンと外れ中から大量に詰められた爆弾が姿を現す。その規模は軽くこの地下空間を吹き飛ばせるのではないかというほどの量である。
「んなッ!?なんだこりゃァ!?」
「これで分かったか俺とお前はここで生き埋めだ」
「ま、待ってくれ!俺が悪かった、この通りだ!」
男は両手を上げ懇願する。だがその願いは聞き入られなかった。
「いいや、どうせ老い先短い身だ。どうせなら地獄まで一緒に行こうじゃないか」
「…ちくしょおおおおお!」
男は急いで入ってきた扉に向かって駆けだすもひょう爺がボタンを押す方が速かった。爆弾は起動し地下空間を破壊し始める。
「イゼ…こんな分かれ方になってすまんかったな。そいつと共に末永くな…」
ひょう爺の呟きは爆音にかき消され当然向けられたイゼには届くことなく地下に消えゆくのだった。
イゼはデウス・エクス・マキナの搭乗席であろう部分に向かい中へと入って行く。のだが、入ったはいいもののどうすればいいのか全くわからない。
中の空間は思ったよりも広さはあるもののひょう爺の言っていた通り二人分乗るようなスペースは無かった、また座席はついておらず恐らく足元の円形部分の上に立つのだろう。他に目に付くものはハンドルバー付きのパネルが前方に一枚、その横にはごてごてとしたガントレットらしきものが二つ設置されている。
以前操縦させてもらった旧時代の重機、クレーン車というらしいが。それにはレバーやハンドルがついており操作方法を教えてくれる人がいたから良かったものの、こんなものを動かした経験はもちろん無いしここまで来てあんなことを言ってしまった手前ひょう爺の所に戻ることもできない、というか戻る気もない。
とりあえず何かしてみようとパネルをつついてみる、反応は…ない。残るはこの重そうなガントレットぐらいである、意を決してガントレットを持ってみると。
「うわっ…!?とと…」
思っていた以上の軽さに驚く。何でできているのかわ全く分からないのだが、そのごてごてした部品の多さと行き届いた手入れから明らかに安物では無いという事が分かる。とりあえずガントレットを両手にはめてみる、と次の瞬間開いていた胸部の装甲部分が音を立てて閉じ始める。完全に閉じると中は暗闇に包まれ静寂が響き不安感を誘う。
数秒後前方のパネルが発光、イゼの白い肌を照らす。パネルにはloading…と書かれておりガントレットを付けた腕をぐっぱーさせながら待機する。
そこからさらに数分が経ちこのまま閉じ込められたままじゃないのかと不安になり始めた頃、一気に内部が明るくなり周辺の風景が内部に映し出される。映し出された風景の端っこにはよく分からないグラフや心電図らしきものもが多々ありすべてに目を通そうとすると目が回るほどである。
さてどうするかと考えていると外からガコンと何かが動き出す音が聞こえマキナの機体が上昇し始める、恐らく行先は地上だろうがどこに繋がっているのかは全く分からない上に身寄りのない状態でどこに行こうかと考えるイゼであった。
「行ったか…」
ひょう爺がマキナが上昇したのを見送ったのとほぼ同時、扉が切り落とされ中に男が入ってくる。
「爺ぃ…手間かけさせやがって、さっさと捕まれ!その前にあのガキもぶっ殺してやる!」
男は大変憤慨した様子でひょう爺に詰め寄ってくる。
「断る」
「てめぇ…賞金首のくせに調子こいてんじゃねぇぞ、おい。今どういう状況か分かってんのか?あぁ?」
「それはこちらのセリフだ」
そうひょう爺が呟いた瞬間今いる部屋の壁がガコンと外れ中から大量に詰められた爆弾が姿を現す。その規模は軽くこの地下空間を吹き飛ばせるのではないかというほどの量である。
「んなッ!?なんだこりゃァ!?」
「これで分かったか俺とお前はここで生き埋めだ」
「ま、待ってくれ!俺が悪かった、この通りだ!」
男は両手を上げ懇願する。だがその願いは聞き入られなかった。
「いいや、どうせ老い先短い身だ。どうせなら地獄まで一緒に行こうじゃないか」
「…ちくしょおおおおお!」
男は急いで入ってきた扉に向かって駆けだすもひょう爺がボタンを押す方が速かった。爆弾は起動し地下空間を破壊し始める。
「イゼ…こんな分かれ方になってすまんかったな。そいつと共に末永くな…」
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