私にだって選ぶ権利はあるんです!~お仕置き中の神様に執着されました~
晩御飯のお誘いだったよね?
明良は過呼吸の発作も収まり自宅へ帰っていいと言われた。
智輝さんの車で風花の自宅へ送ってもらえる事になったため、現在は黒光りするセダンタイプの車の後部座席に明良と乗っている。
我が家の軽自動車と違って革張りの椅子が見るからに高そうで、乗っていて落ち着かない。
(しかも隣の明良君は無言だし……はぁぁぁ。)
「風花さん門限は?」
運転席からミラー越しにこちらを見て智輝が声を掛けてきた。
「あ~、遅くても八時くらいまでに帰るようにしてます」
夕食や風呂を済ませて夜九時から始まるテレビ放送のアニメ映画を見るためには遅くても八時に家にたどり着くべきだろう。
「そっかぁ、なら明良がお世話になったお礼に一緒に夕飯どうかな?」
想定外のお誘いとミラー越しのイケメンスマイルの色香に内心身悶える。
(い、イケメン恐るべし。)
大人になると風花のようなモブ顔相手にも麗しいキラキラスマイルをくれるくらい余裕が生まれるらしい。
「えっ、いやーー」
「智輝、さん。 こいつ凄く食い意地張ってるから美味しいところに頼む」
断ろうとした風花の言葉を遮って明良は窓の外を見ながらいった。
「ちょっと!」
「くっ、ふふふっ。 素直じゃないな〜、風花さんと一緒にいたいなら素直に言ったらいいのに」
「違うし!」
「違うんならーー」
「うるさい、良いから晩飯食ってけ」
嫌々ご飯を一緒に食べるのも気まずいので断ろうかと思ったらうるさいと言われ遮られた。
窓の外に見える明かりは下の方に見えるので高速にでも乗っているのかもしれない。
「さて着きましたよ」
暫くして車が止まり智輝がドアを開けてくれたので降りると、目の前の豪邸を見て風花は唖然とした。
歴史ある高級料亭のような情緒あふれる日本家屋な外観に開いた口が塞がらない。
「ほらボサっとしてないで早く降りろよ」
「あっ、ごめん」
急いで降りると続いて車を降りた明良が豪邸を見るなり、ギロリと智輝を睨み付けた。
「あっ、明良君……ここは?」
(てっきりファミレスかと思っていたのにこんな高級料亭とか聞いてない!)
明らかにドレスコードあるだろう。
制服ならまだしもフード付きパーカーで入っていいような店じゃない。
「俺の家」
(……オレノウチ? 俺の家!?)
あまりの衝撃に風花は目眩を覚えた。
お宅訪問なんてそれこそ聞いてない。
「明良君……帰っていいかな?」
「諦めろ、自力ではどっちにしろ帰れないから」
自力では帰れないってどう言うことだろうか、明良の自宅はそんなに遠いところにあるか。
どうやら考えてることが顔に出ていたのか、明良は智輝の車の後方を指さした。
「ここ雲の上にあるから、生身じゃ送迎無しで地上へ帰るのは無理なんだよ」
「明良君、熱でもあるんじゃないの? やっぱり病院で一泊くらい入院したほうが良かったんじゃ……」
そんな馬鹿なぁと全く信じてない風花の手を掴むとズンズンと屋敷への門を潜り玄関には向かわずに和風庭園へと進んていく。
「ほらそこから覗いてみな」
そう示されたのは何故か地面にガラスが貼ってある一角だった。
枠の無い巨大な一枚ガラスの上に立たせられると空中に放り出されたような感覚がしてサァァと頭から血の気が引いていく。
ガラスの上に引きずられるように乗せられてガクガクと足が震える。
「うぎゃぁぁぁ!」
(怖い高い落ちるぅぅぅ!)
藁にも縋るような気持ちで必死に明良にしがみつく。
「うわっ、突然飛びつくなよ! 驚くだろうが」
「だっ、だってぇぇこっ、高所恐怖症なんだから仕方ないでしょう!」
明良はニヤニヤ顔で恐慌状態に陥った風花を抱き上げた。
「しっかり掴まってないと落ちるからな怖いなら良いと言うまで目を瞑ってろ」
「うん! わかった」
明良の首にしがみつきギュッと目を瞑ると風花を抱き上げたまま明良が足取り軽く歩き出した。
しかしいつまでたっても声がかからない。
「明良君終わった?」
「まだ」
スタスタと段差を越えるように歩いていく。
「明良君流石に終わったでしょう」
「もう開けて良いよ」
恐る恐る目を開けるとそこには不思議な生き物が多数玄関まで続く花道のようにずらりと両側に並んでいる。
「おかえりなさいませ神威様! いらっしゃいませ風花様!」
『おかえりなさいませ!』
大歓声に顔が引きつる。
「ようこそ風花様、我が主の城、高天原へ」
そこには智輝の姿はなく新雪のように真っ白なうさぎ耳か頭から生えているイケメンがいた。
智輝さんの車で風花の自宅へ送ってもらえる事になったため、現在は黒光りするセダンタイプの車の後部座席に明良と乗っている。
我が家の軽自動車と違って革張りの椅子が見るからに高そうで、乗っていて落ち着かない。
(しかも隣の明良君は無言だし……はぁぁぁ。)
「風花さん門限は?」
運転席からミラー越しにこちらを見て智輝が声を掛けてきた。
「あ~、遅くても八時くらいまでに帰るようにしてます」
夕食や風呂を済ませて夜九時から始まるテレビ放送のアニメ映画を見るためには遅くても八時に家にたどり着くべきだろう。
「そっかぁ、なら明良がお世話になったお礼に一緒に夕飯どうかな?」
想定外のお誘いとミラー越しのイケメンスマイルの色香に内心身悶える。
(い、イケメン恐るべし。)
大人になると風花のようなモブ顔相手にも麗しいキラキラスマイルをくれるくらい余裕が生まれるらしい。
「えっ、いやーー」
「智輝、さん。 こいつ凄く食い意地張ってるから美味しいところに頼む」
断ろうとした風花の言葉を遮って明良は窓の外を見ながらいった。
「ちょっと!」
「くっ、ふふふっ。 素直じゃないな〜、風花さんと一緒にいたいなら素直に言ったらいいのに」
「違うし!」
「違うんならーー」
「うるさい、良いから晩飯食ってけ」
嫌々ご飯を一緒に食べるのも気まずいので断ろうかと思ったらうるさいと言われ遮られた。
窓の外に見える明かりは下の方に見えるので高速にでも乗っているのかもしれない。
「さて着きましたよ」
暫くして車が止まり智輝がドアを開けてくれたので降りると、目の前の豪邸を見て風花は唖然とした。
歴史ある高級料亭のような情緒あふれる日本家屋な外観に開いた口が塞がらない。
「ほらボサっとしてないで早く降りろよ」
「あっ、ごめん」
急いで降りると続いて車を降りた明良が豪邸を見るなり、ギロリと智輝を睨み付けた。
「あっ、明良君……ここは?」
(てっきりファミレスかと思っていたのにこんな高級料亭とか聞いてない!)
明らかにドレスコードあるだろう。
制服ならまだしもフード付きパーカーで入っていいような店じゃない。
「俺の家」
(……オレノウチ? 俺の家!?)
あまりの衝撃に風花は目眩を覚えた。
お宅訪問なんてそれこそ聞いてない。
「明良君……帰っていいかな?」
「諦めろ、自力ではどっちにしろ帰れないから」
自力では帰れないってどう言うことだろうか、明良の自宅はそんなに遠いところにあるか。
どうやら考えてることが顔に出ていたのか、明良は智輝の車の後方を指さした。
「ここ雲の上にあるから、生身じゃ送迎無しで地上へ帰るのは無理なんだよ」
「明良君、熱でもあるんじゃないの? やっぱり病院で一泊くらい入院したほうが良かったんじゃ……」
そんな馬鹿なぁと全く信じてない風花の手を掴むとズンズンと屋敷への門を潜り玄関には向かわずに和風庭園へと進んていく。
「ほらそこから覗いてみな」
そう示されたのは何故か地面にガラスが貼ってある一角だった。
枠の無い巨大な一枚ガラスの上に立たせられると空中に放り出されたような感覚がしてサァァと頭から血の気が引いていく。
ガラスの上に引きずられるように乗せられてガクガクと足が震える。
「うぎゃぁぁぁ!」
(怖い高い落ちるぅぅぅ!)
藁にも縋るような気持ちで必死に明良にしがみつく。
「うわっ、突然飛びつくなよ! 驚くだろうが」
「だっ、だってぇぇこっ、高所恐怖症なんだから仕方ないでしょう!」
明良はニヤニヤ顔で恐慌状態に陥った風花を抱き上げた。
「しっかり掴まってないと落ちるからな怖いなら良いと言うまで目を瞑ってろ」
「うん! わかった」
明良の首にしがみつきギュッと目を瞑ると風花を抱き上げたまま明良が足取り軽く歩き出した。
しかしいつまでたっても声がかからない。
「明良君終わった?」
「まだ」
スタスタと段差を越えるように歩いていく。
「明良君流石に終わったでしょう」
「もう開けて良いよ」
恐る恐る目を開けるとそこには不思議な生き物が多数玄関まで続く花道のようにずらりと両側に並んでいる。
「おかえりなさいませ神威様! いらっしゃいませ風花様!」
『おかえりなさいませ!』
大歓声に顔が引きつる。
「ようこそ風花様、我が主の城、高天原へ」
そこには智輝の姿はなく新雪のように真っ白なうさぎ耳か頭から生えているイケメンがいた。
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