元喪女に王太子は重責過ぎやしませんかね!?
さてさて、生まれ変わって初めてのたのしい外国訪問も本日をもって終了です。
あとはレイナス王国に帰るのみ。
ドラグーン王国とレイナス王国を隔てる山はこれから積雪でこれ以上帰国が遅れれば山越えが難しくなるためだ。
旅行は自宅に帰るまでが旅行ですって昔誰かが言っていたっけ。
前世では自動車や新幹線、飛行機などで二泊三日で観光旅行なんかにも行っていたけれど、今回のドラグーン王国訪問で文明の利器の偉大さを痛感致しました。
直線距離なら今回の旅は前世での旅に比べて短いと思うけど、移動に伴って立ち寄った街や村での小さな思いでは私にとって良い刺激になったと思う。
是非とも今度はゆっくりと立ち寄りたいなぁ。
現代日本にはなかった煉瓦や土壁の色がむき出しの家屋や活気付く商店街。
隣人と協力しあいながら和気あいあいと生活を営む。
そんな当たり前の賑やかな暮らしは、コンクリートジャングルで生活していた前世の私にとって、とても新鮮で魅力的だった。
はっきり言って私が成人後に移り住んでいた単身者向けのマンションには沢山の人が暮らしていたけれど、自分の部屋の上下左右隣人の顔すら知らなかったもんね。
実家にいたときはそれなりにコミュニティーが存在していたんだけど。
前世を含めてこんな長期間旅行なんてしたことなかったけれど、今はレイナス王国に帰れることがただただ嬉しい。
私にとってレイナス王国は帰るべき大切な家なのだと改めて気が付けた。
赤ん坊の成長は早いから、きっとキャロラインは大きくなっているんだろうなぁ。
はっ、忘れられてたらどうしよう! 泣かれるかもなぁ。
私より早くアールベルトはレイス王国へと帰っていった。
「手紙くらい寄越せよな! そしたら返事くらい書いてやるよ」
帰国の挨拶に来たアールベルトはそっぽ向きながらそう告げてきた。
強がったってバレバレだよ。
昨日レイス王国へ帰らずに私と遊びたいと言って、レイス王国主従を困らせたとネタは上がってるんだから。
「はいはい。 ちゃんと書くよ」
そう返事をすれば、絶対だからな! と何度も念を押された。
王族である私たちにとって、きっと身分に囚われず友を得ることは難しい。
身分制度と言う縦社会に生きていく私たちには、身分差を気にせずにすむ初めての友だ。
レイス王国一行を見送った三日後の本日、帰国の挨拶を済ませ、母様にはお土産にドラグーン王国で流行りの美容液を、キャロラインには布で出来た可愛い人形をお揃いで購入済みだ。
リーゼには綺麗な刺繍とレース編みが施されたストールを、ミナリーとリズとレーシャの侍女トリオにはお揃いの綺麗なレースのハンカチを購入済みだ。
母様の兄であるシリウス伯父さんには父様イチオシのドラグーン産のワインを購入した。
ムクロジを見つけた村に立ち寄って仕込んでおいた堆肥を蒔く時の注意点やらなにやらを説明したり、余っていたムクロジを購入したりした。
国境を隔てるうっすらと雪化粧を纏った山脈を越えてこれからこの雪が父様の身長よりも高く降り積もると聞いて父様達が帰国を急いた理由に得心がいった。
本格的な積雪の季節がくればこれでは山を越えられなかっただろう。
それでもこの雪が豊かな水源をレイナスの国土にもたらせてくれる。
ありがたや、ありがたや!
帰りの旅路の話はとりあえず横に置いておいて、懐かしの今世の実家である城を見たときに涙が出そうになったのは内緒だ。
歳をとると涙脆くなるのかな? 肉体的にじゃなくて精神的にだけど。
出迎えてくれたリステリア母様に走りより抱きつくと、「お帰りなさい」と言われて抱き上げられた。
親愛のキスを両頬に貰いながら元気に挨拶をすることにしましょうか。
「シオル・レイナス只今戻りました! ただいまぁー!」
あとはレイナス王国に帰るのみ。
ドラグーン王国とレイナス王国を隔てる山はこれから積雪でこれ以上帰国が遅れれば山越えが難しくなるためだ。
旅行は自宅に帰るまでが旅行ですって昔誰かが言っていたっけ。
前世では自動車や新幹線、飛行機などで二泊三日で観光旅行なんかにも行っていたけれど、今回のドラグーン王国訪問で文明の利器の偉大さを痛感致しました。
直線距離なら今回の旅は前世での旅に比べて短いと思うけど、移動に伴って立ち寄った街や村での小さな思いでは私にとって良い刺激になったと思う。
是非とも今度はゆっくりと立ち寄りたいなぁ。
現代日本にはなかった煉瓦や土壁の色がむき出しの家屋や活気付く商店街。
隣人と協力しあいながら和気あいあいと生活を営む。
そんな当たり前の賑やかな暮らしは、コンクリートジャングルで生活していた前世の私にとって、とても新鮮で魅力的だった。
はっきり言って私が成人後に移り住んでいた単身者向けのマンションには沢山の人が暮らしていたけれど、自分の部屋の上下左右隣人の顔すら知らなかったもんね。
実家にいたときはそれなりにコミュニティーが存在していたんだけど。
前世を含めてこんな長期間旅行なんてしたことなかったけれど、今はレイナス王国に帰れることがただただ嬉しい。
私にとってレイナス王国は帰るべき大切な家なのだと改めて気が付けた。
赤ん坊の成長は早いから、きっとキャロラインは大きくなっているんだろうなぁ。
はっ、忘れられてたらどうしよう! 泣かれるかもなぁ。
私より早くアールベルトはレイス王国へと帰っていった。
「手紙くらい寄越せよな! そしたら返事くらい書いてやるよ」
帰国の挨拶に来たアールベルトはそっぽ向きながらそう告げてきた。
強がったってバレバレだよ。
昨日レイス王国へ帰らずに私と遊びたいと言って、レイス王国主従を困らせたとネタは上がってるんだから。
「はいはい。 ちゃんと書くよ」
そう返事をすれば、絶対だからな! と何度も念を押された。
王族である私たちにとって、きっと身分に囚われず友を得ることは難しい。
身分制度と言う縦社会に生きていく私たちには、身分差を気にせずにすむ初めての友だ。
レイス王国一行を見送った三日後の本日、帰国の挨拶を済ませ、母様にはお土産にドラグーン王国で流行りの美容液を、キャロラインには布で出来た可愛い人形をお揃いで購入済みだ。
リーゼには綺麗な刺繍とレース編みが施されたストールを、ミナリーとリズとレーシャの侍女トリオにはお揃いの綺麗なレースのハンカチを購入済みだ。
母様の兄であるシリウス伯父さんには父様イチオシのドラグーン産のワインを購入した。
ムクロジを見つけた村に立ち寄って仕込んでおいた堆肥を蒔く時の注意点やらなにやらを説明したり、余っていたムクロジを購入したりした。
国境を隔てるうっすらと雪化粧を纏った山脈を越えてこれからこの雪が父様の身長よりも高く降り積もると聞いて父様達が帰国を急いた理由に得心がいった。
本格的な積雪の季節がくればこれでは山を越えられなかっただろう。
それでもこの雪が豊かな水源をレイナスの国土にもたらせてくれる。
ありがたや、ありがたや!
帰りの旅路の話はとりあえず横に置いておいて、懐かしの今世の実家である城を見たときに涙が出そうになったのは内緒だ。
歳をとると涙脆くなるのかな? 肉体的にじゃなくて精神的にだけど。
出迎えてくれたリステリア母様に走りより抱きつくと、「お帰りなさい」と言われて抱き上げられた。
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