元喪女に王太子は重責過ぎやしませんかね!?
さて裸祭りから一夜明け、当初の予定通り王都に向けて村を出発した。
見送りに出てくれた皆さんは一様に旦那さん方はスッキリと、奥様方はグッタリしていたが、何があったかは気にしない気にしない。
夫婦円満は良いことだよね。 昔ならリア充爆……げふん、げふん。
出発の際にどうやら村の奥様達が必死に集めてくれたらしいムクロジを抱えるほど大きな袋で頂きました。
残りの道程は天候にも恵まれたお陰で結婚式の二日前に王都に入ることができました。
ミリアーナ叔母様は出迎えの準備やら何やらがあるらしく、王都に入るなり別行動です。
初めて見るドラグーン王国の王都はレイナスの王都とは比べ物にならない位高い石造りの壁で覆われており。 王都に入る為には東西南北に設置された門を潜り抜けなければならないとか。
しかもこの門夜間には全て閉鎖されるため出入りが出来ないらしい。
目の前に壁は一体何処まで続いているのか、全く端が見えない。
街に入ると王太子の結婚を祝う祭りでどこもかしこも人だらけだった。
スクランブル交差点を思い起こさせる人の多さと、必死に客を呼び込もうとする商売人達の熱意に圧倒された。
私たち一行は長旅の汚れを清め、城へ向かうために装いを改める必要があったので、父様が前回のドラグーン王国を訪れた際に宿泊した宿に寄ることとなっていた。
戴冠式への招待客である私と父様、一部の護衛、従者は身の安全を保証すると言う名目上それぞれに城内の迎賓館に部屋が与えられているそうな。
また、滞在中の世話をするために、使用人や侍女が数人つく事になっているらしい。
しかし、長旅をしてきて汚れた身なりのまま登城する事は、国の威信に関わるのでお着替えするそうな。
「いらっしゃいませ~」
宿屋の扉を押し開けると、従業員らしき人物がカウンターテーブルの向こうから声を掛けてきました。
城下町でも比較的城に近い宿屋の為商人や貴族も利用するためか、馬屋も確りと管理されており、待合室には上質な衣服を身に付けた人で賑わっています。
「お待ちしておりました! こちらにどうぞ」
待合室に入るなり一人の男性が父様に駆け寄って来ると、親しい友人に対するように自分の借りていた部屋へと案内してくれました。
確認すると先発して準備を整えてくれたらしい。この賑わいで宿の確保が難しいなか自分の職務を全うし、父様を出迎えられたのが嬉しいのだろう。
父様が労いの言葉を掛けると平静さを装い頭を下げながらも口許が盛大ににやけていた。
案内された部屋はあまり広くはないが、しっかりとした造りの家具が備え付けられている落ち着いた雰囲気の部屋だった。
「さてシオル! おんせんにいくぞ!」
へっ、おんせん……温泉!? あるの!?
「温泉が湧いているのですか! 行きましょう! 早く早く!」
「なんだ、シオルは温泉も知っていたのか?」
「えぇ。 お湯が沸く泉を利用した浴室だとロブルバーグ様に聞き及んでおります!」
前世でも車で良く日帰り温泉をしたもんだ。
しかしレイナス王国には湯が溢れる泉の話しは無かったのでかなり嬉しい。
父様は一度来ているせいか私と手を繋いだまま迷うことなく、円形の屋根が特徴的な建物にやって来た。
左右に同じような建築物が並び、案内された棟と反対側にもう一棟同じような建物がある。
扉を開けると着替えをするためなのだろうか、鍵のついたクローゼットが壁を覆うようにびっしりと並べられており、クローゼットごとに鏡台や椅子が並べられていた。
「こちらがお客様のクローゼットとなります、大変申し訳ありませんが鍵はこちらのひとつしか御座いません、無くさないようにご本人様に管理を御願いしておりますのでご了承下さい」
綺麗な彫刻のほど凝らせた鍵は金の鎖が付けられており、首から下げられるようになっているもよう。
「開けてみても構いませんか?」
父様を見上げるとしっかりと頷いてくれました。
真鍮で出来た鍵を鍵穴に入れて回すと小さくカチッと音がなり続けて回すとガチャリと音が響きクローゼットが開きました。
クローゼットの中は大人が三人は入れる広さがあり、下段はチェストのようになっています。
脱ぎ出した父様に続いて服を脱ぎ、自分の服を畳み終えると脱ぎ散らかされた父様の服も畳みました。
別に畳む必要はないんですけどね、ついつい前世のクセが。
しかし父様の裸体は相変わらずでしなやかな筋肉がつき、腹筋が綺麗に割れてます。
部屋から運んできた着替え用の一式と脱いだ服をクローゼットに仕舞い扉の鍵をかけ、踏み込んだ浴室は白い壁と彫刻で飾られた浴室でした。
もうもうと湯気が上がりまとわりつく空気は温泉特有の硫黄泉ではないのか、臭いもあまりないようなので安心です。
流石に硫黄臭くして登城するわけにはいかないもん。
温泉は浴室の中央部には並々とお湯が張られ、溢れたお湯が石畳を流れて排水路へ吸い込まれていく。
源泉かけ流しの温泉はやっぱり気持ちが良いですね。 身体を沈めるとシュワシュワとした感触があり産毛に気泡がびっしりとついているので、ドラグーンの温泉は炭酸泉のようです。
はぁ、癒される。 お湯を沸かすためには大量の薪や水を用意する必要があるため、こんなに贅沢にお湯を使うのは久しぶりです。
レイナス王国では高温に熱した石に水を掛けて汗を流し、身体を洗った後は水で清める方法が一般的なため、まさかドラグーンで温泉に入れるなんて。長旅をしてきたかいがありました。
ひたすら温泉という命の洗濯を満喫し、本日の一大イベントをこなすべく、ドラグーン王国の王城へ向かうため、王城からの迎えの箱馬車に乗り込んだ。
見送りに出てくれた皆さんは一様に旦那さん方はスッキリと、奥様方はグッタリしていたが、何があったかは気にしない気にしない。
夫婦円満は良いことだよね。 昔ならリア充爆……げふん、げふん。
出発の際にどうやら村の奥様達が必死に集めてくれたらしいムクロジを抱えるほど大きな袋で頂きました。
残りの道程は天候にも恵まれたお陰で結婚式の二日前に王都に入ることができました。
ミリアーナ叔母様は出迎えの準備やら何やらがあるらしく、王都に入るなり別行動です。
初めて見るドラグーン王国の王都はレイナスの王都とは比べ物にならない位高い石造りの壁で覆われており。 王都に入る為には東西南北に設置された門を潜り抜けなければならないとか。
しかもこの門夜間には全て閉鎖されるため出入りが出来ないらしい。
目の前に壁は一体何処まで続いているのか、全く端が見えない。
街に入ると王太子の結婚を祝う祭りでどこもかしこも人だらけだった。
スクランブル交差点を思い起こさせる人の多さと、必死に客を呼び込もうとする商売人達の熱意に圧倒された。
私たち一行は長旅の汚れを清め、城へ向かうために装いを改める必要があったので、父様が前回のドラグーン王国を訪れた際に宿泊した宿に寄ることとなっていた。
戴冠式への招待客である私と父様、一部の護衛、従者は身の安全を保証すると言う名目上それぞれに城内の迎賓館に部屋が与えられているそうな。
また、滞在中の世話をするために、使用人や侍女が数人つく事になっているらしい。
しかし、長旅をしてきて汚れた身なりのまま登城する事は、国の威信に関わるのでお着替えするそうな。
「いらっしゃいませ~」
宿屋の扉を押し開けると、従業員らしき人物がカウンターテーブルの向こうから声を掛けてきました。
城下町でも比較的城に近い宿屋の為商人や貴族も利用するためか、馬屋も確りと管理されており、待合室には上質な衣服を身に付けた人で賑わっています。
「お待ちしておりました! こちらにどうぞ」
待合室に入るなり一人の男性が父様に駆け寄って来ると、親しい友人に対するように自分の借りていた部屋へと案内してくれました。
確認すると先発して準備を整えてくれたらしい。この賑わいで宿の確保が難しいなか自分の職務を全うし、父様を出迎えられたのが嬉しいのだろう。
父様が労いの言葉を掛けると平静さを装い頭を下げながらも口許が盛大ににやけていた。
案内された部屋はあまり広くはないが、しっかりとした造りの家具が備え付けられている落ち着いた雰囲気の部屋だった。
「さてシオル! おんせんにいくぞ!」
へっ、おんせん……温泉!? あるの!?
「温泉が湧いているのですか! 行きましょう! 早く早く!」
「なんだ、シオルは温泉も知っていたのか?」
「えぇ。 お湯が沸く泉を利用した浴室だとロブルバーグ様に聞き及んでおります!」
前世でも車で良く日帰り温泉をしたもんだ。
しかしレイナス王国には湯が溢れる泉の話しは無かったのでかなり嬉しい。
父様は一度来ているせいか私と手を繋いだまま迷うことなく、円形の屋根が特徴的な建物にやって来た。
左右に同じような建築物が並び、案内された棟と反対側にもう一棟同じような建物がある。
扉を開けると着替えをするためなのだろうか、鍵のついたクローゼットが壁を覆うようにびっしりと並べられており、クローゼットごとに鏡台や椅子が並べられていた。
「こちらがお客様のクローゼットとなります、大変申し訳ありませんが鍵はこちらのひとつしか御座いません、無くさないようにご本人様に管理を御願いしておりますのでご了承下さい」
綺麗な彫刻のほど凝らせた鍵は金の鎖が付けられており、首から下げられるようになっているもよう。
「開けてみても構いませんか?」
父様を見上げるとしっかりと頷いてくれました。
真鍮で出来た鍵を鍵穴に入れて回すと小さくカチッと音がなり続けて回すとガチャリと音が響きクローゼットが開きました。
クローゼットの中は大人が三人は入れる広さがあり、下段はチェストのようになっています。
脱ぎ出した父様に続いて服を脱ぎ、自分の服を畳み終えると脱ぎ散らかされた父様の服も畳みました。
別に畳む必要はないんですけどね、ついつい前世のクセが。
しかし父様の裸体は相変わらずでしなやかな筋肉がつき、腹筋が綺麗に割れてます。
部屋から運んできた着替え用の一式と脱いだ服をクローゼットに仕舞い扉の鍵をかけ、踏み込んだ浴室は白い壁と彫刻で飾られた浴室でした。
もうもうと湯気が上がりまとわりつく空気は温泉特有の硫黄泉ではないのか、臭いもあまりないようなので安心です。
流石に硫黄臭くして登城するわけにはいかないもん。
温泉は浴室の中央部には並々とお湯が張られ、溢れたお湯が石畳を流れて排水路へ吸い込まれていく。
源泉かけ流しの温泉はやっぱり気持ちが良いですね。 身体を沈めるとシュワシュワとした感触があり産毛に気泡がびっしりとついているので、ドラグーンの温泉は炭酸泉のようです。
はぁ、癒される。 お湯を沸かすためには大量の薪や水を用意する必要があるため、こんなに贅沢にお湯を使うのは久しぶりです。
レイナス王国では高温に熱した石に水を掛けて汗を流し、身体を洗った後は水で清める方法が一般的なため、まさかドラグーンで温泉に入れるなんて。長旅をしてきたかいがありました。
ひたすら温泉という命の洗濯を満喫し、本日の一大イベントをこなすべく、ドラグーン王国の王城へ向かうため、王城からの迎えの箱馬車に乗り込んだ。
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