元喪女に王太子は重責過ぎやしませんかね!?
可愛すぎる妹のキャロラインのお世話をさせてもらいつつ。お兄様ライフ満喫中です!
お母様譲りの金髪はふわふわしてます。そして何より瞳が感動ものでした。
緑と琥珀色のオッドアイなんて初めて見ましたよ。
いや、そもそもオッドアイって空想の中だけの神秘だとおもってましたからね。
リアルオッドアイ美しい!
率先して妹のお世話をさせてもらいました。
おむつ交換も問題なし! 伊達に前世で姪っ子のお世話をしてませんよ。
ロブルバーグ様は居ないけど、勉学をサボれば化けて出そうだし、会いに行くと約束してるのでやることは沢山です。
でもやっぱり癒しは必要な訳でして今日もキャロラインで癒されてます。
「シオル、一月後にドラグーンに行くことになった」
「はぁ、いってらっしゃい」
無事に生誕の儀式も済ませて、最近ではお座りを覚えたキャロラインちゃん。
足の間に座らせて頭を撫でながら挿し絵の綺麗な絵本を読み聞かせてあげていた所、やって来た父様に答えたらいじけるように座り込んでしまいました。
「あら駄目よシオル、アルをいじめちゃ」
「お母様! いじめてませんよ」
「うふふ。 小さな騎士のシオル様、今日もキャシーを見ていてくれてありがとう。 さぁキャシー?ミルクの時間よ」
キャロラインを持ち上げてお母様に渡すと誉められました。
実はお母様、乳母を使わずに母乳でキャロラインを育てていたりします。なんでも私だけ母乳では不公平だからだそうです。
「シオルの叔母のミリアーナを覚えているだろ?」
「はい。 ドラグーンに花嫁修行に行っている男装の麗人様です」
「男装の麗人はともかく、そのミリアーナがクラインセルト殿下の即位に合わせて結婚することが決まったんだ」
わぉ、おめでたい。 って今の国王陛下が即位したのって私の生誕の儀式の年だから約三年位前だったはず、早すぎない?
「それは急な即位ですね」
「どうやらかの国の宰相閣下が動いたようですね、国王陛下は体調が芳しくなく。 政務をとれずに城の奥深くから出てこないとの話です」
父様の後から入ってきたのは今日も安定の美丈夫シリウス宰相閣下です。
「うーん、なんかおろされたっぽい?」
「ぽい、がなにかはわかりませんが、多分そうだと思われます」
やっぱりそうなのね、しかし良くそんな情報がはいってくるもんだ。
「それでですが、ミリアーナ様は我が国の王女。 婚礼に持参金と祝辞を述べにドラグーンへ行かなければならないんです」
まぁ、そうでしょうね。 父様の妹姫だし。
「本来であれば国王夫妻での参列が望ましいのですが、王妃陛下は産後間もなくキャロライン様のこともあります」
キャロラインちゃん、母乳ですからね。 乳母を拒否ってますし。
乳母をあてがおうと画策したリーゼさんが、シオル様の再来だとボヤいてましたから。
キャロラインも頑固です。 って私のせいじゃないよね? それ。
「しかし新婦の親族が陛下一人では体裁が悪いので今後の他国へのお披露目もかねて、シオル殿下に参列をお願い申し上げます」
「はぁ……」
「……ちなみに双太陽神教からはアンナローズ枢機卿がいらっしゃいます」
「はーい。 慎んで辞退します!」
アンナローズ様が居るなら間違いなく揉みくちゃにされる。
「残念ながら辞退できません」
だったら最初から聞かないでよ。
「わかりました。父様とドラグーンへ行きます。 でもカボチャパンツはやめてください!」
あれは恥ずかしいのよ。
それから沢山の準備に奔走し、離れがたい癒しのキャロラインと別れてはや二週間。
父様の愛馬キャメロに乗ってドラグーンとの国境を越え、ドラグーン王国の平野部までやって来ました。
産まれてから初めての旅行ですが、疲れました。もうすぐ四歳児に長旅は苦行です!
「父様、あの畑は何が植えてあるのですか?」
「父様、あれは何をしているのですか?」
城を出て数日は初めてみるレイナス王国になぜなぜ息子と化した私でしたが、いかんせんネタもつきました。
ナメテタゼ、馬移動。 おしり痛い……。
ドラグーン側から土埃をたてて二十騎の騎馬がこちらに向かってやってきます。風にはためく国旗には双頭の鷹のエンブレム。
間違いなくドラグーン王国の騎馬ですね。
仮にも王妃になる新婦の親族なので、どうやら騎士様が迎えに来てくれるそうです。
そうなんですが、先頭を馬で駆ける赤髪に見覚えがあるような気がするんですけど気のせいですかね?
「兄上! シオルー! 迎えに来ました!」
騎士服を着こなして颯爽と愛馬を操る美形。もとい男装の麗人。
「ミリアーナ叔母様」
背中から伝わってきた微振動に見上げれば、父様が拳を握り締めてぷるぷるいってます。
「バカ者! 護衛を振りきって王太子妃自ら迎えに来るバカがどこにいる!」
同行者を振り切り馬を寄せたミリアーナ叔母様の頭上に盛大な拳骨を落とす父様。
「くぅ、兄上の拳骨は効くわぁ。 後で手合わせしてください!」
 うん、大国に嫁にいっても脳筋のままだった。
お母様譲りの金髪はふわふわしてます。そして何より瞳が感動ものでした。
緑と琥珀色のオッドアイなんて初めて見ましたよ。
いや、そもそもオッドアイって空想の中だけの神秘だとおもってましたからね。
リアルオッドアイ美しい!
率先して妹のお世話をさせてもらいました。
おむつ交換も問題なし! 伊達に前世で姪っ子のお世話をしてませんよ。
ロブルバーグ様は居ないけど、勉学をサボれば化けて出そうだし、会いに行くと約束してるのでやることは沢山です。
でもやっぱり癒しは必要な訳でして今日もキャロラインで癒されてます。
「シオル、一月後にドラグーンに行くことになった」
「はぁ、いってらっしゃい」
無事に生誕の儀式も済ませて、最近ではお座りを覚えたキャロラインちゃん。
足の間に座らせて頭を撫でながら挿し絵の綺麗な絵本を読み聞かせてあげていた所、やって来た父様に答えたらいじけるように座り込んでしまいました。
「あら駄目よシオル、アルをいじめちゃ」
「お母様! いじめてませんよ」
「うふふ。 小さな騎士のシオル様、今日もキャシーを見ていてくれてありがとう。 さぁキャシー?ミルクの時間よ」
キャロラインを持ち上げてお母様に渡すと誉められました。
実はお母様、乳母を使わずに母乳でキャロラインを育てていたりします。なんでも私だけ母乳では不公平だからだそうです。
「シオルの叔母のミリアーナを覚えているだろ?」
「はい。 ドラグーンに花嫁修行に行っている男装の麗人様です」
「男装の麗人はともかく、そのミリアーナがクラインセルト殿下の即位に合わせて結婚することが決まったんだ」
わぉ、おめでたい。 って今の国王陛下が即位したのって私の生誕の儀式の年だから約三年位前だったはず、早すぎない?
「それは急な即位ですね」
「どうやらかの国の宰相閣下が動いたようですね、国王陛下は体調が芳しくなく。 政務をとれずに城の奥深くから出てこないとの話です」
父様の後から入ってきたのは今日も安定の美丈夫シリウス宰相閣下です。
「うーん、なんかおろされたっぽい?」
「ぽい、がなにかはわかりませんが、多分そうだと思われます」
やっぱりそうなのね、しかし良くそんな情報がはいってくるもんだ。
「それでですが、ミリアーナ様は我が国の王女。 婚礼に持参金と祝辞を述べにドラグーンへ行かなければならないんです」
まぁ、そうでしょうね。 父様の妹姫だし。
「本来であれば国王夫妻での参列が望ましいのですが、王妃陛下は産後間もなくキャロライン様のこともあります」
キャロラインちゃん、母乳ですからね。 乳母を拒否ってますし。
乳母をあてがおうと画策したリーゼさんが、シオル様の再来だとボヤいてましたから。
キャロラインも頑固です。 って私のせいじゃないよね? それ。
「しかし新婦の親族が陛下一人では体裁が悪いので今後の他国へのお披露目もかねて、シオル殿下に参列をお願い申し上げます」
「はぁ……」
「……ちなみに双太陽神教からはアンナローズ枢機卿がいらっしゃいます」
「はーい。 慎んで辞退します!」
アンナローズ様が居るなら間違いなく揉みくちゃにされる。
「残念ながら辞退できません」
だったら最初から聞かないでよ。
「わかりました。父様とドラグーンへ行きます。 でもカボチャパンツはやめてください!」
あれは恥ずかしいのよ。
それから沢山の準備に奔走し、離れがたい癒しのキャロラインと別れてはや二週間。
父様の愛馬キャメロに乗ってドラグーンとの国境を越え、ドラグーン王国の平野部までやって来ました。
産まれてから初めての旅行ですが、疲れました。もうすぐ四歳児に長旅は苦行です!
「父様、あの畑は何が植えてあるのですか?」
「父様、あれは何をしているのですか?」
城を出て数日は初めてみるレイナス王国になぜなぜ息子と化した私でしたが、いかんせんネタもつきました。
ナメテタゼ、馬移動。 おしり痛い……。
ドラグーン側から土埃をたてて二十騎の騎馬がこちらに向かってやってきます。風にはためく国旗には双頭の鷹のエンブレム。
間違いなくドラグーン王国の騎馬ですね。
仮にも王妃になる新婦の親族なので、どうやら騎士様が迎えに来てくれるそうです。
そうなんですが、先頭を馬で駆ける赤髪に見覚えがあるような気がするんですけど気のせいですかね?
「兄上! シオルー! 迎えに来ました!」
騎士服を着こなして颯爽と愛馬を操る美形。もとい男装の麗人。
「ミリアーナ叔母様」
背中から伝わってきた微振動に見上げれば、父様が拳を握り締めてぷるぷるいってます。
「バカ者! 護衛を振りきって王太子妃自ら迎えに来るバカがどこにいる!」
同行者を振り切り馬を寄せたミリアーナ叔母様の頭上に盛大な拳骨を落とす父様。
「くぅ、兄上の拳骨は効くわぁ。 後で手合わせしてください!」
 うん、大国に嫁にいっても脳筋のままだった。
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