【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを

水田歩

蒼い悪夢6

「で、みんなで弄ってるうちに海さんがお持ち帰りした!」

「海野も、とうとう年貢を納める気になったかー」

 めでたい、めでたい。
 よし、てめーら裸踊りの特訓だ。
 めでたくねーよ、一人勝ちしやがって。
 ちくしょー、俺たちにも女の子紹介しろや。

 やいのやいのという外野の声を蒼人は聞いていなかった。

「俺、海に戻るわけですし。彼女もなんか約束があった方が心配じゃないかなって」

 蒼人は医者と
 ――激しい運動は控えろ。
 いや、俺マグロなんで。激しい運動しないと死ぬんで。

 ――今度骨折したらお婿に行けない可能性もあるし、病院送りが間に合わない可能性がある。陸上暮らしをしろ。
 ……お婿には行きます。子供も作ります、病院送りには絶対に遅刻しません!

 ――何だ、その根性論はーっ!

 というやり取りの末、今度は船長と

 ――医者から許可もらったのか、診断書を見せてみろ。
 もらっておりませんが、大丈夫です!

 ――大怪我をしてるんだぞ。俺達の仕事は海を守ることだ、陸でもできる。
 自分は海の男です。海から上がったら干上がって死にます!

 ――海で死ぬのが海の男じゃない!
 もちろん、彼女の上で死ぬのが願いです!

 ――阿呆!
 という問答をし、

 何とか体力試験を受験できる資格をもぎ取った。
 結果、とりあえず船に乗せてみようということになった。

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