【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを

水田歩

俺のことを考えて18

 熱い時間を過ごした部屋に一人で過ごしてもやるせないし、蒼人と過ごした甘い時間を繰り返し思い出してしまって、体のほてりはいつまでも取れないだろう。
 入り口のドアのところで蒼人は立ち止まった。

「行ってきます」

 灯里の唇にそっと触れるだけのキスをした。

「行ってらっしゃい」

 蒼人と別れてからふと、つま先をみる。

 先ほど、一緒に入ったバスルームで蒼人はいきなりかがみこみ、宝石のように灯里の足をうやうやしく持ち上げた。

『キャンディみたいで舐めたかったんだ』

 足の指を一本一本口に含んだあと、徐々にキスが上がってきて……。

 プルプル。
 灯里は頭を振って、煩悩をひとまず追い出した。

「さ、仕事だー!」
 

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