【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを

水田歩

俺のことを考えて4

 うっすらと頬を染めてぼそっとつぶやいてくれた。

「ありがと」

 蒼人に見惚れて内心ドキドキしつつ、灯里はどや顔にならないよう注意しながら、にこりと笑う。

 普段雑にポニーテールにしているだけの髪をゆるく巻いているから、蒼人もこんなに女性らしい灯里は多分、合コン以来だろう。 

 あ。
 合コンの時は手抜きしてた。

 蒼人は灯里の頬に手を添えた。 
 愛おしくてたまらない、という風情で微笑みかけてくれる。

 灯里の心臓がとくとくと甘く速くなる。

「ほんと、可愛い。いや、綺麗だな」

 嬉しい。

「合コンの時は可愛かったけど。今はすごい綺麗」

 ん?
 逆じゃないだろうか。
 合コンの時のテーマは『できる大人の女性』だったのだが。 

 灯里が蒼人を見上げると、ニヤッと笑っている。

「合コンの時。できるOLぶってたのに、ドジっ子炸裂しているし」

 無茶苦茶可愛かった、とささやかれてしまった。

「助けてあげないとって気持ちより、ケアハウスで会った時のエロエロだったおねーさんとのギャップに萌えまくってて。どうやって連れ出そうかと考えてた」

 え。
 しばし、思考停止。

「……最初から?」

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