【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを

水田歩

蒼人一色の日々27

「動くなよー。俺、の、リハビリ、手伝うって、言った、でしょ!」

 男が自分の上で体を上下させる。

 は、は、は。
 男の荒い息が耳元やうなじにかかる。
 時おり、ぽたりぽたりと汗が滴り落ちてくる。
 ぎし、ぎし、と床が鳴り、たわむ。
 目を瞑っていると、夜二人で素肌を晒しあってスることと勘違いしてくる。

 しまいには灯里は全身にキスをされたように、くったりとしてしまった。

「よし、腕立て伏せもとりあえず三十回やった! やっぱ職場で怖いおにーさん達に囲まれてやるより、灯里が一緒だとヤル気が出るなー!」

 爽やかに笑いかけてきた。

 頭から汗をかいており、滴ってきた汗や前髪をうるさそうにかきあげる。
 賢そうな額があらわになり、オールバックになった蒼人は大人びた表情になる。
 端正な顔立ちはエリートサラリーマンと言っても良いかもしれない。

 そして、汗に濡れた上半身。
 首筋も喉もセクシーだ。

 逞しい肩から盛り上がった胸が少し起伏が激しい。
 汗で、肌がキラキラとひかる。
 そして、荒い呼吸をしているので、腹筋がぐうとへこんでは盛り上がる。
 そのたびに縄目のように筋肉の筋がくっきりとする。

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