【電書化】運命のイタズラ電話に甘いおしおきを
連れ出したくて、付き合いたかった12
灯里の問いに、蒼人はまたも答えてくれた。
「親父は船を持っててね、兄貴は船長。だったら、二人を守れるような仕事に就きたいと思ったんだ」
灯里は小さな船で毎日漁に出る初老の男性と、蒼人と同じくらいの男性の親子の姿を想像した。
家族を守りたいという彼の気持ちはとても自然なことに思えた。
「当たり前だけど、海はでっかくてさ」
働くうちに、世界中の『親父と兄貴』を守りたいと考えるようになったと蒼人は告げた。
気負いも照れもない声は、かえって彼が真剣に仕事に取り組んでいることを感じさせた。
……なんだろう。
彼が立派な人だと言うことはわかった。
とても嬉しい。
けれど。
灯里が心の奥底にある感情を見つめようとしたときに、声をかけられた。
「あかりの名前はどう書くの?」
彼女は蒼人の携帯を借りて、漢字を書いてみせた。
「灯里も綺麗な名前だ。しかも」
蒼人は嬉しそうだった。
「何?」
「船乗りにとって一番大事なものだ。『岬に灯台』船は灯りを元に入港したり湾岸航行するんだよ」
そうなのか。
「親父は船を持っててね、兄貴は船長。だったら、二人を守れるような仕事に就きたいと思ったんだ」
灯里は小さな船で毎日漁に出る初老の男性と、蒼人と同じくらいの男性の親子の姿を想像した。
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「当たり前だけど、海はでっかくてさ」
働くうちに、世界中の『親父と兄貴』を守りたいと考えるようになったと蒼人は告げた。
気負いも照れもない声は、かえって彼が真剣に仕事に取り組んでいることを感じさせた。
……なんだろう。
彼が立派な人だと言うことはわかった。
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