バッドスキルスキル『歩く』を持つ僕が、精霊と契約したら魔王を倒すことになりましたってえっ??僕のスキルは『歩く』ですよ!?

ノベルバユーザー520730

最悪

最悪
「最悪だあ…」
そういいながら少年は夜の闇へ歩いて行った。


ここはパルンホルンいくつもの国と魔法があり、人間や、獣人、エルフなど様々な種族が暮らしている世界。
パルンホルンでは、15歳の誕生日になると、スキル解放師によっスキルが解放される。
 
スキルとは、生まれたときから持っているものであり、15歳になると、そのスキルが解放され、スキル名やスキルの能力などが、わかるようになる。
 
スキルは、解放された状態がすべてではない。その人の努力次第で、進化したり、ほかのスキルに派生することもある。このように、
スキルはとても重要で、スキルによって、料理人になったり、商人になったりするいわば人生を決めるとても重要な能力なのだ。


「まだかな~」
僕は、スキル解放の準備ができるのを楽しみに待っていた。
 
『今までいい子にしてきたし、悪いことはしたことないし嘘だって一回もついたことないんだからっきといいスキルが出るよねうん!まあスキルは生まれつきのものだから日頃の行いは関係ないんだけどね。』
 
僕はエルン。このヤシの村では、優しすぎることで有名な少年だ。誰かが喧嘩していたら迷わず止めに入るし、崖から落ちかけていた人を助けて大怪我こともある。こんな性格をしているからか、村の人たちみんなが儀式を見に来ている。って誰に説明してるんだ僕?
「エルンお前のスキルはきっと世界を救うことになるだろうな!あっはっはっはっは」
「勇者とかだったらどうしましょう。きっと仲間思いで優しく誰からも愛される英雄になるんでしょうね」
「そうだな!英雄エルン!いい響きじゃないかあっはっはっは」
両親はいつも通り恥ずかしい話をしている。
「僕が英雄になれるとは思わないな~」
「いや絶対なれるぜだって俺たちの息子なんだからなはっはっはっは」
「そうよ今までいい子にしてきたじゃない。絶対になれるわよ」
「まあまだスキルは確定してないから。それにスキルは生まれつきのものだからいい子にしてきたのはかんけいないんだけどね」
「それはそうだが、最近普段の行いもスキルの良しあしにかかわってくる可能性があるんじゃないかって今研究者たちが必死こいて研究してるからなあ。あいつらは少しでも不可能だと少しでも思ったら、絶対研究はしないって連中だ。そんな奴らが必死こいて研究してるってことは何かあるのは確定なんじゃねえか?」
「そうねぇあの方々が必死に研究してますからねぇ少なくても何もないことはないと思うわ」
「もしそうだったら僕のスキルはほんとに勇者だったりして」
「はっはっはっはっはそうなったら町のみんなで盛大にド派手に祝ってやらないといけないなわっはっはっはっはっはっは」
「もう騒ぎすぎですよあなた」
「おうすまんすまんちょいと盛り上がってしまったなはっはっはっは」
こんな会話ももう慣れた。
「エルンさん準備ができました」
そうこうしているうちに準備ができたようだ
 
僕は案内人についていく。
「ここに座ってください」
用意されていた椅子に座る。緊張して心臓がどきどきしている。そんな僕の前に開放師が立つ。
 
彼が僕に手を向け魔法を発動すと、すごい光が僕の体を覆う。

その瞬間ドラゴンにでも踏まれたような重圧が体にかかり、倒れてしまった。
なんだろうこの重圧は、そんなにとんでもないスキルなのか?でも解放の儀式でこんなことが起きるなんて聞いたことがないなあ……
わずかな疑問を持ちながら僕は起き上がると
解放師はまるで汚物を見るような目で
「お前のスキルは歩くだ」
そういった。

スキル解放をして一か月がたった
「おはようお父さん」
「俺に話しかけるなクズお前のせいで俺たちまで嫌われるようになったじゃないかよ。まったくお前に期待した俺がばかだったよ。研究会に報告しないとな普段の行いはスキルには反映されないってな。」
「ごめん」
「謝るんだったらさっさと仕事に行きやがれクズ」

「おい無能早く尿を捨てに行けよ~」
「お前は無能なんだからくっさいフンでも捨てに行ってろ!」
「俺の家に近ずくな無能さっさと失せろこのクズ」

『スキルが与えられてから毎日こうだ』 
僕が与えらえたスキルは【歩く】効果は〈歩くことができる〉何にも使えない最弱の外れスキルだ。外れスキルを持つものはbadholderと呼ばれ世界中の人々から忌み嫌われる。
「はあ…帰ろ」
僕は家に帰った

「ただいまー」
「エルンお前に大切な話がある。ここに座れ」
僕は椅子に座った。嫌な予感がする。ああきっと僕は追い出されるんだ。
「エルン、お前はもう帰ってくるなbadholderのお前はもう俺たちの子供ではない。」
「こんなことだったらあなたなんか生むんじゃなかったわ!もう二度と私たちの前に現れないで!」

捨てられた。家族からも見放された。世界中の人からも嫌われている。涙があふれてくる。涙が止まらない。どうして?悲しい悲しい悲しい……
 
どれくらい泣いただろう。どれくらいの時間がたっただろう。もう僕には行く場所がない。何もできることがない。生きていても無駄なのか?何をすればいいんだろう?
 
「最悪だあ…」
そういいながら少年は夜の闇へ歩いて行った。


だが世界は知らなかったこの少年こそ世界最悪とも言われる魔王に対抗できるたった一人の少年だということを。
この少年こそが魔王と戦う勇者になるのだと。








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